流れ藻 以布利通信21
- 2019.05.30
- 以布利センター
みなさん、海に漂う「流れ藻」というものをご存知でしょうか?
冬に成長した海藻が海底からはがれ浮いているものを流れ藻と呼びます。
この流れ藻、何もない沖合の海を漂っているため、小魚たちの恰好の隠れ場所となります。
先日、流れ藻が強い風に吹かれて以布利センターがある漁港の中に入ってきました。
① 以布利港写真
さっそく、どんな小魚が隠れているのかを観察してきました。
② ブリ
流れ藻の定番と言えばブリです。ブリは小さな時は流れ藻に隠れて生活しています。そのため、体の色が親とは異なり、海藻の色に似ています。ちなみに以布利センターのある高知県では許可なく流れ藻に付くような小さなブリを捕まえることは資源保護のため禁止されています。
③ メジナ、ハナオコゼ
別の流れ藻の間にはメジナの稚魚が群れていました。よく見ると近くに海藻に似た魚が...。
④ ハナオコゼ水槽
カエルアンコウの仲間でハナオコゼという魚です。大きな口で自分と同じくらいの大きさの魚も食べてしまいます。
⑤ ジャノメガザミ
ほかにもジャノメガザミというカニも流れ藻の中に隠れていました。
流れ藻は稚魚の育成の場として海のゆりかごと呼ばれることもありますが、ハナオコゼやジャノメガザミなどの天敵が隠れており、また流れ藻の周りにはアオリイカやヤマトカマス、成長したブリなどもいて小魚たちを狙っています。実際に観察するとゆりかごと呼ぶほど平穏ではないと感じました。
普段は沖合にあり観察することの難しい流れ藻を見るのは楽しいですが、そこで繰り広げられている生存競争を目の当たりにして、自然の厳しさを実感しました。
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