お知らせ(コツメカワウソ・アヤメ)

9月5日、コツメカワウソの「アヤメ」が15年7ヵ月のカワウソ生を終えました。
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アヤメは以前お知らせした通り腎臓を悪くし、毎日の皮下補液治療を続けていました。
→「敬老の日」
何度か調子を崩すことはありましたが、その度に乗り越え、最近では腎機能低下による貧血はあるものの、血液検査の結果も比較的安定していました。

昨年11月頃に腎臓にできた結石の膀胱への移動が確認されました。膀胱にある結石は本来なら手術をして摘出した方が安全なのですが、膀胱に落ちた結石のサイズが大きく、尿道には入らないだろうと考えられたこと、貧血に加え心肺機能が低下してきていたアヤメにはとてもリスクのある処置になることなどから、排尿確認をしながら経過を観察することにしました。
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アヤメは餌の好みにブームがあり、好きなものだけを食べ、1日2回プールで泳ぎ、プールから上がるとタオルで体を拭いてひと眠りしたり、まったりしながら貝殻でジャグリングして遊んだりとマイペースな日々を過ごしていました。
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しかし、今月5日、腹部の張りがみられました。レントゲン検査をして今後の対応を検討していたところ、体調が悪化。膀胱が破れてしまったため、夕方から急遽手術を行いました。術中、心拍や体温が安定しづらい状態ではありましたが、なんとか腹部の縫合が終わり、あとは目を覚ましてくれたらと願うばかりでした。しかし、残念ながら覚醒には至りませんでした。

解剖の結果、アヤメの身体は腎臓、心臓、肺ともにそれまでに見られていた症状が裏付けされるような状態でした。

担当として、最後手術をしなくてはならない状態になってしまったことがとても悔やまれます。どうしても、ああしておけば、こうしておけば...と考えてしまいますが、アヤメに教えてもらった多くの事を海遊館だけにとどまらず、コツメカワウソを飼育している動物園や水族館とも情報を共有し、今後の飼育に役立てていきたいと思います。

アヤメ、海遊館で11年間過ごしてくれてありがとう。ゆっくり休んでね。
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