こだわりの標本
- 2017.11.10
- 魚類チームの日記
「海遊館の顔博」が始まって半年が過ぎました。
なのに、ちっともブログで触れていなかったメガマウスザメの標本についてご紹介。
このメガマウスザメは2016年に三重県尾鷲市の定置網で捕獲されたもので、世界では108例目の記録。
全長が5.17m、体重573.46kg、性別はメスです。
数字を書くと「ふーん」ですけど、5.17mってジンベエザメの遊ちゃんに匹敵する長さです(重さは半分ぐらい)。
なので、当館に運び込まれた際は、長いし、重いし、身はやわらかいし、トラックの上で動かすのも係員10数名で行なったのですが、もう一苦労でした。
さて、今回標本にするにあたり、やはり「メガマウス」ですから、口あるいは頭部に特化したものを作成したいと考えました。
そこで、左半身は除肉して、骨の部分や鰓を見ていただくことにしたのです。
前から見ると永井豪さんの漫画「マジンガーZ」に出てくる「あしゅら男爵」みたいだと思ったのは私だけでしょうか?
口を開いた状態に保つのはなかなか難しく、口内に透明塩ビ板を入れています。
また、口内がよく見えるように光ファイバーで照らすなど担当者はこだわりました。
頭だけとはいえ、大きな標本です。また、ホルマリンにつけていますから、すごい臭いなので、係員のいる部屋内にひょいと持って入るわけにはいかきません。
担当者たちは、時間があれば、半屋外である搬入口で、寒風にさらされながら、ちまちまと肉を除く作業をしていました。
時々はサメやエイにくわしい当館館長がその作業をしており、近くを通りかかるとぎょっとしましたが、とても楽しそう♪でしたよ。
準備期間で2ヵ月、除肉に3ヵ月の計5カ月かけて作成したこだわりのメガマウス標本。
ぜひぜひご覧になってくださいね。
▽メガマウスザメの歯
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