「青と赤」と「オスとメス」
- 2014.12.03
- 魚類チームの日記
「瀬戸内海」水槽にいるキュウセン。キュウセンは代表的なベラの仲間で、日本各地の沿岸・砂地の浅い海に暮らしています。
体のタテジマが9本あるため、その名前がついたといわれています。(魚のシマ模様は、頭を上にして見た時にタテジマかヨコジマか、です。)
↓こちらがオス。鮮やかな緑色をしています。一部の地方では青ベラと呼ばれます。
↓そして、こちらがいわゆるメス。赤みをおびた体色をしています。青ベラに対し赤ベラと呼ばれます。
色が異なることから、その昔、青ベラと赤ベラは別種と考えられていた時代もありました。
さて、キュウセンなどのベラの仲間は、成長に伴い、雌性先熟とよばれるメスからオスへと性転換を行うとされており、性を変える時、体色も変化させるとされていました。
つまりは赤ベラから青ベラになるといわれていたのです。
しかし、その後の研究で、
・青ベラには「一次オス」と呼ばれる生まれながらのオスと、メスから性転換した二次オスの、二通りのオスがいる。
・赤ベラにはメスと、メスからオスへと性転換の途上にあるものだけでなく、なんと一次オスもいる!
ということがわかりました。
赤ベラなのにオス???もう大混乱!
上記の赤ベラの写真のところで「いわゆる」と書いたのはそんな事情があったため。写真のあなた、いったいオスなの?メスなの?
キュウセン、特に青ベラは一見熱帯魚っぽく、関東では食用にはされませんが、関西では美味とされており、私個人的には大好物です。料理する機会があったら生殖腺を観察してみたいと思います。
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