「青と赤」と「オスとメス」

「瀬戸内海」水槽にいるキュウセン。キュウセンは代表的なベラの仲間で、日本各地の沿岸・砂地の浅い海に暮らしています。

体のタテジマが9本あるため、その名前がついたといわれています。(魚のシマ模様は、頭を上にして見た時にタテジマかヨコジマか、です。)

 

↓こちらがオス。鮮やかな緑色をしています。一部の地方では青ベラと呼ばれます。

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↓そして、こちらがいわゆるメス。赤みをおびた体色をしています。青ベラに対し赤ベラと呼ばれます。

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色が異なることから、その昔、青ベラと赤ベラは別種と考えられていた時代もありました。
 
さて、キュウセンなどのベラの仲間は、成長に伴い、雌性先熟とよばれるメスからオスへと性転換を行うとされており、性を変える時、体色も変化させるとされていました。

つまりは赤ベラから青ベラになるといわれていたのです。


しかし、その後の研究で、

・青ベラには「一次オス」と呼ばれる生まれながらのオスと、メスから性転換した二次オスの、二通りのオスがいる。

・赤ベラにはメスと、メスからオスへと性転換の途上にあるものだけでなく、なんと一次オスもいる!

ということがわかりました。


赤ベラなのにオス???もう大混乱!

上記の赤ベラの写真のところで「いわゆる」と書いたのはそんな事情があったため。写真のあなた、いったいオスなの?メスなの?


キュウセン、特に青ベラは一見熱帯魚っぽく、関東では食用にはされませんが、関西では美味とされており、私個人的には大好物です。料理する機会があったら生殖腺を観察してみたいと思います。

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