ニンゲンワケベラ?
- 2014.09.12
- 魚類チームの日記
海遊館の魚類の健康管理で欠かせないのが"駆虫(くちゅう)"。
"駆虫"とは、寄生虫を駆除することです。
魚の体表やエラには多くの種類の虫が寄生します。
刺胞動物、単生虫、甲殻類、ヒル、はたまた二枚貝なんかも寄生するんですね。
もちろん寄生された魚は治療します。
一般的な方法は"薬浴"です。
これは、薬(駆虫薬)が入った水(海水)に魚を漬け込むことで、駆虫します。
他には人間と同じように、餌に駆虫薬を混ぜることもあります。
今回、海遊館で新たな駆虫方法が編み出されました。
さかのぼること約1ヵ月前、水槽お掃除専属ダイバーのY君が相談に。
Y君「太平洋水槽にいるヤイトハタの口の周りにヒルが寄生してるんすけど、どーします?」
私「ほな、取り上げて駆除やな。まぁそんなに悪さしないから、近々取り上げる日考えるわ~」
数日後。
Y君「なんか口元を、こーやって手でコリコリやったら、取れそうなんすよ~」
私「ほな、まぁいろいろやってみて~」
その後、忙しさにかまけて、すっかり忘れていた私・・・
Y君「なんか、簡単に手でヒル取れるんで、取っちゃいますね」
私「えっ?(人に慣れていない魚のはず・・・)ほんまにヒル取れるん?」
Y君「(ヘラヘラ笑いながら)よゆっすよぉ~」
ということで、その現場を確認しにいったところ、
おーーーーーー!すげー!!!
完全にヤイトハタはY君を信じきっています。
気持ちよすぎて、体が横になっちゃってます。
クリーニングフィッシュって皆さん知ってますか?
ホンソメワケベラのような、他の魚に寄生している虫を食べる魚のことです。
海遊館にもホンソメワケベラが暮らしています。
このように、体表だけではなく、エラ、口の中まで頭を突っ込んで寄生虫を食べてくれます。
で、このヤイトハタ、Y君のことを完全にホンソメワケベラと勘違いしています(笑)
ヤイトハタ「このでっかいホンソメワケベラ、寄生虫取るのうまいわぁ」
しかし、Y君、どう見てもホンソメワケベラには見えないんですが・・・
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