観覧車が助けてくれた、サプライズプロポーズ

こんなに可愛かったっけ！？と
思った初めての海遊館デート

彼女のことは以前から気になっていたけど、なかなか進展しないまま数ヶ月。
海遊館に一度行ってみたい！と言ってた彼女を誘い、初めての海遊館デートに。

初デートでは、ゆっくりと館内を見て回った。

でも照明のせいなのか「この子こんなに可愛かったっけ！？」って思うくらい、彼女が可愛く見えて。。。

結局余計に緊張してしまい、なにもできずにその日は帰ってしまった…。

タイムリミットがあるからこその覚悟

1ヶ月後、彼女にまだ告白できないまま、なんとなく会っていた。
「ちゃんと伝えなきゃ…」と思って、もう一度海遊館に行こう！と彼女を誘う。

海遊館を見終わって帰ろうとする彼女に、観覧車に乗ろうと提案。

ベタなのは分かっているけど、観覧車なら絶対二人になれるし、「頂上に来たら想いを伝える！」というタイムリミットがあるので、ここでなら告白せざるを得ない…いや、告白できる！と思って、覚悟を決めた。

緊張、緊張、緊張……

で、覚悟は決めたものの、緊張しすぎてしまい頂上に近づくにつれて話も途切れがちに…

「もしフラれたら地上に着くまでどんな会話をすればいいんだ..」という心配が僕の頭の中でぐるぐると回っていた。

でも、覚悟したんだから、と頂上についた時、告白。

「付き合っとくか！」
緊張と照れくささで、僕が言えたのはそれだけだった。

けれど彼女は、すぐに笑顔で「うん！」と答えてくれた。

無事付き合えることになり、安心したり、気恥ずかしかったりしながら、観覧車の残りの７分間（観覧車は１周１５分らしい）を楽しんだ。良かった…。

付き合って２年、２回目の観覧車

それから２年後の12月、普段通りに１日が終わり、夕方の薄暗くなってくる時間帯に合わせて海遊館へ行った。
実はそれまでに何度も海遊館へ行っていて、２人の定番のデートコースになっていた。

その日も、彼女の大好きなジンベエザメやウミガメを、手をつないで見て回った。
外に出ると、彼女はキラキラ輝くイルミネーションの写真を撮って、いつものように楽しんでいた。

ただ今日は、どうしても彼女に伝えたいことがあった。イルミネーションを見終わった時、「今日は最後に観覧車に乗ろう」と誘った。

そして2回目のタイムリミット

観覧車に乗ってしばらく経った。クリスマスプレゼントとしてお揃いで買った手袋を、彼女の目の前に出した。

もうすぐ観覧車は頂上に到着する。伝えるタイムリミットがまた、近付いている。

「手を出して」
僕は、両手を出す彼女の左手に手袋をはめた。

「ん？？」
すぐに、手袋の中の違和感に気付いた彼女。

手袋から手を取り出すと、薬指にはまった指輪。

彼女の表情は、笑顔に変わった。

僕は嬉しそうに笑う彼女の手をとり、
ちゃんと奥まで指輪をはめて、

「結婚しよう」

彼女の目を見て伝えた。

涙ぐみながら彼女は「うん！」と嬉しそうに返事をしてくれた。

手袋に仕込んだプロポーズ

実はプロポーズをしようと、僕は手袋のなかに指輪を準備していた。一緒にお揃いの手袋を買おうっていう話があったから、このサプライズを思いついた。

もちろん、その日は僕の人生をかけたデートで、サプライズがバレないかドキドキする気持ちはあった。でも、バレても伝える事は変わらない。だから、心配はなかった。気持ちを伝えることが大事なので、プロポーズが断られたらどうしよう、みたいな不安もなかった。断られたら断られてから考えるつもりだった。

後から彼女は「思い出たくさんの海遊館と、付き合うきっかけになった観覧車で、ちゃんと目を見てプロポーズしてもらったときは本当に嬉しかった」と言ってくれた。

今でも海遊館は、ふたりの大好きな場所。

Jyota Tomonori（@jt.333）

減りつつあるフィルムカメラの価値を、同世代に拡げていきたいと思いInstagramをスタート。独特の色味で被写体を捉える視点が注目されている。来年にはこれらの経験を活かしウエディングカメラマンとして活動する。

Misuzu（@pettit0524）

大学１回生の時にカメラを始め、自身の作品集としてInstagramを開設。柔らかな空気を感じさせる写真からスタートし現在は独特なセンスで捉えたフィルムポートレートが人気を集めている現役女子大生。