フジテガニ
- 2016.11.03
- 大阪湾で出会った生き物たち
大阪湾では、主に湾南部や淡路島の一部で少数が確認されています。
フジテガニがすむ場所は塩性湿地ですが、自然や人為的な影響で環境のバランスがわずかに変化しても、姿を消してしまう可能性があります。
私がフジテガニを見つけた場所の環境は、海水に浸かることのない潮上部で、ハママツナ(塩性植物)が適度にはえて日陰になり、10~20cm程度の石が積み重なり、石の下の土は湿り気があり、同じ場所にユビアカベンケイガニが見つかる、といった具合です。
ところが、このフジテガニがいるわずかな範囲の場所が、浜の整備事業で整地されかけているとの情報があり、あわてて知り合いを通じて当局にフジテガニの存在を知らせました。
そして先日、現地を訪れて撮ったのが写真1です。
ハママツナの群落は縮小していましたが、何とか1個体のフジテガニを見つけることができました。
このような希少種は、見つけてそっとして置くだけでは守れないのだなと実感しました。
ちなみに、ハママツナも同レッドリストで絶滅危惧種に指定されています。(写真2)
写真1 【見つかったフジテガニ】
写真2 【ハママツナの群落】