マンガ(イラスト?)みたい...
- 2015.04.19
- 体感!熱帯雨林
2月4日と5日は、休館日でした。
4日には、年に一度の電気点検を行うため、必要最低限の電気供給となりました。
照明はほとんど消えるので、館内は外光の入る水槽だけが明るいです。
多くの飼育係が作業する調餌室(餌をつくる部屋)や予備水槽などは、8階建ての海遊館の7~8階部分に集中しているので、エレベーターが動いていないと大変です。
1階に忘れ物なんかした日にゃ...泣きます。
そんなことを思いつつ、館内を見回ると、「エクアドル熱帯雨林」のカピバラ・かーたんがちんまり座っていました。
「体感!熱帯雨林」も照明、空調が使えなくなります。
入口、出口の扉は締切。
ガスストーブで暖をとります。
でも、ナマケモノ用のヒーターの電源は確保しておきました。
これがなくっちゃね!
照明が消えて暗くなって、一瞬わーと思いましたが、カーテンを開けるとほら、この通り。
いつもと違う風景です。
でも、この方々はまったく気にせず、「早く餌ちょうだいよー」と鳴いてました。
この風景を見ることができるのは飼育係特権なんでしょうね。
夕刻、「体感!熱帯雨林」のフタユビナマケモノ・ケロロとマロロの給餌時間。
マロロは餌よりも眠いようで、なかなか餌を受け取ってくれません。
何回かトライして、やっと寝っ転がったままニンジンを食べ始めました。
反対にケロロは食欲旺盛。白菜をぼりぼり、キュウリもニンジンも食べて、もういらなくなったらしく、ひょいひょいと寝ながら餌を食べているマロロのいる場所へ向かいます。
「ケロロ、マロロの邪魔しないでよ!」と言ってるのに近寄っていきます。
そして、ついにはマロロの足元へ。
ちなみにマロロが左、ケロロが右ですよ。
マロロが上半身を乗せている場所はヒーターの真上で、30度以上あるのではないでしょうか。
寒がりな私が横にいても暑いぞ!
さて、マロロの足元まで到達したケロロ。
マロロを越して、ヒーターの上に行こうとしましたが、マロロさん、断固として動きません。
「残念だったね、ケロロ(けけけ→心の声)」
あきらめたケロロはどうしたか?というと... マロロのお腹に頭をのせてくつろぎ始めました。
むむむ!そうきたか。マロロのお腹、昨日排便したので、今日はぽよんぽよんでした。
そのお腹の上に乗るなんて!ずるいぞ、ケロロ。
そんなことを思っていると、ケロロがちらりと私を見ました。
「ふふん」って顔じゃないですか!!
ハンカチがあったら、かみしめるところでした。
しかし、この行動、なんなのでしょう?
繁殖行動の前兆だったらいいな!
「体感!熱帯雨林」のカワウソコーナーの横に、タブレットを置いた休憩スペースがあります。
タブレットでは企画展のオープン以来、「コツメカワウソがうまれました」の動画を流してきましたが、このたび「コツメカワウソの1日」と「アカハナグマ」の動画も加えました。
「アカハナグマ」は「パナマ湾」水槽前でも流しているものと同じ、「コツメカワウソの1日」は若手係員の力作です。
「体感!熱帯雨林」のアンケート結果を見ると、この動画は皆様に喜んでいただいているようです。
ぜひ一度ご覧ください!
先日お知らせした、「体感!熱帯雨林」のカワウソのうち、パパのひげをかじる癖を受け継いでいる犯人を特定しようと思い、こどもたちのひげを調べました。
しかし、かれらの動きが早過ぎてついていけないので、
広報チームに「ちびたちを撮って~」とお願いしました。
まずは「心臓、よくなってよかったね!」のスイカです。
こちらは、ママのアヤメと同じぐらいの大きさになったツクシ。
上から鼻をタッチしているのがワラビ。
ちなみにこの写真の一番右がママ。
うーん、スイカはひげが短め、ツクシは長めな気がするけど、よくわかりませんね。
もう少し観察する必要がありそうです。元気一番としみじみ。
ある朝、「体感!熱帯雨林」展にて。
ケロロおはよー!
ん...?なんかお腹大きくない?
違うアングルから見ると...
マロロが抱きついて寝ていました!(笑)
気持ちよさそう~
海遊館に来てすぐの頃は、二匹とも近づくだけでお互い怒りあっていましたが、最近は比較的仲良しなナマケモノ達。
背中を合わせて寝ていることもあります。
なんだか見ているこちらもほのぼのしますね~
ただ、ちょっと迷惑そうな顔をしているように見えないでもないケロロ...
マロロのために我慢している優しいジェントルマンなのかもしれません(笑)
野球もシーズンが終わろうとしております。
みなさんの応援しているチームはいかがでしょうか?
さて、「体感!熱帯雨林」で展示していたリスザル・ポメロですが、貧血の治療が長引きそうです。
代わりに父親のジャックとも思いましたが、なんせお年寄りなので、新しい場所での展示はどうかなと思われました。
そこで、ピンチヒッターとして、アカハナグマのトマトとイチゴが登場です。
部屋には木製のジャングルジムと、鼻だし場所、顔出し場所を設けてみました。
▲ジャングルジム
▲鼻だし場所
▲顔出し場所
それぞれどうやって使うだろうと興味津々だったのですが、なかなかおもしろい使い方をします。
ぜひご覧ください。
ポメロは今、トマトたちのいた広い部屋を使っているのですが、
どういうわけか誘導通路(動物を捕獲する時に使う通路)手前の小部屋しか使いません。
つつましやかだね、ポメロ。
ポメロ:「横でなんか大きな声(=インコの声です)するからこわいんだよ」
そうなの?わあ!近い近い!
元気になって、また皆様にお会いできますように!
「体感!熱帯雨林」で施設の点検、補修作業があったため、閉館後、プラプラと企画展示室に向かっていると、遅番の係員が「ナマケモノが~」と言いながら走ってきました。
こりゃてっきり、ナマケモノに何か起こったに違いないとあわてて見に行くと、なんと!ケロロとマロロがこんな状態です。
「もう、むっちゃラブラブなんで、知らせないとと思ってー!」と遅番の係員。
その場にいた数人で「早く、カメラ、カメラ!」「そんなん持ってないし...」「私取りに行きます!」と1名が係員室に走りました。
私たち係員は、普段は動物と接するため、ものを持ち歩く習慣がありません。でも、そんな時に限って、動物たちのすごい瞬間を見てしまったりするのですよね。
「あー、2頭が離れてしまう...」と思ったら、「あっ、携帯電話持ってた!これで写してみるわ、カメラあんましよくないけどやってみる!」と1人がのたまいました。
で、撮ったのが上の写真というわけ。
なかなかよく撮れてますがな。
この後、少しガガガと音がすると、マロロが「あたし、こわいの」とばかりにケロロの胸に顔をうずめます。
おいおい!!
で、カメラを取りに行った係員がはあはあ言いながら戻ってきた時には、すでに2頭は離れていて、お疲れ様なのでした。
カメラは持ち歩かないといかんなあと思うできごとでした。
朝一番に「体感!熱帯雨林」に行くと、逆L字な生き物が!!
マロロ、背もたれもないのに、すごい角度やね。
ナマケモノの体のやわらかさよ...。
前から見ると...
ちょっとセクシーなマロロなのでした。
その頃、ケロロは?
毛玉??
相変わらずでした。
企画展「体感!熱帯雨林」の西表島コーナーの展示生物をいろいろ入れ替えました。今回登場したのは、このようなラインナップ。
ヤクジャマガニ
マングローブにすむオウギガニのなかまです。通称「こわいかに」。おこりんぼなんですもん。らんらんと赤い目にくまどり模様をそなえていて、顔もコワイ。
ヤシガニ
レアもんです。いや、ヤシガニ自体はそんなに珍しくもないかもしれませんが、レアなのはこのサイズ。小さいんですよ。にくたらしい感じの大きなヤシガニはよくいますが、こんなにかわいいヤシガニははじめて見ました。
ミナミオカガニ
これまで展示していたオカガニによく似ていますが、甲羅がまるまっちい。そして、目が長い。南の島を感じさせる風格をそなえておりますな。
ヤエヤマサソリモドキ
サソリみたいですけれど、しっぽにはサソリのような毒針はありません。しかし、漆黒の体といい、奇怪な顔つきといい、西表島でもっともかっこいい生き物として不動の地位を確立しています。
いずれ劣らぬスター揃い。ぜひみにきてください。
企画展示「体感!熱帯雨林」の西表島コーナーに展示しているシレナシジミとヤマトシジミの貝殻です。
シレナシジミは日本最大のシジミで、殻の大きさ(殻長)は10cmを超えるものがいるそうです。
私たちが普段食するヤマトシジミの大きさは2cmぐらいですから、シレナシジミがいかに大きいかがわかると思います。
シレナシジミはマングローブ林に暮らし、地表に殻の一部を露出させ、泥の中に潜って、水に溶け込んでいる栄養分や泥の中の堆積物を食べています。そうすることで水や泥などを浄化するのに役立っているのだとか。
また、シレナシジミの形は丸っこいのですが、深さ10cm 未満の浅いところに生息する種の特徴で、捕食者から襲われた時、丸く厚みのある殻で身を守るためと考えられています。
西表島に詳しい係員からシレナシジミの話を聞いた際、「ぜひその貝殻を採集してきてほしい」と頼みましたが、シレナシジミの殻は良い状態で残っていることが少ないのだそうです。ということで、お土産物として売られている貝殻を入手してもらいました。
あっ、シレナシジミ、とても大きいけど、身はそれほど大きくはなく、味もいまいちだとか。
で、受難って何か?というと、シレナシジミじゃなくて、ヤマトシジミなのです。
1枚目の写真を見ておわかりのように、シジミの殻は触ることができます。
ところが、ヤマトシジミは小さいからでしょうか。シレナシジミで叩き割られたり、なぜかいなくなってしまうことも。
ミナミトビハゼの水槽にいたり、植木鉢の隅などぎょっとする場所にいたり、行方知らずも多々。係員は急遽、標本作成中です。
皆様、ヤマトシジミにもやさしくお願いします!
『体感!熱帯雨林』で展示を行っているナマケモノ。
ふと、「ナマケモノの耳ってどんな形?」と好奇心が沸いたため、耳を探してみました!!
どの角度から見ても耳は見当たらず。
毛をめくってみると...
ありました!!
こちらがケロロ♂の耳で
こちらがマロロ♀の耳です。
どうですか?初めてナマケモノの耳を見た方も多いと思います。
ちょっと、サルの耳に似ているのかな?という印象を受けました。
サルと言えば、この写真をご覧下さい!!
スタッフの一人が「回転したら歩いているみたい」と言い出したので、座っている写真を90度回転させると...
たしかに、二足歩行をしているように見えます!
新種のサルみたいに見えませんか?(笑)
ご心配をおかけしました。
企画展示「体感!熱帯雨林」に、あのカワウソたちが戻ってまいりました。
昨年末に生まれたコツメカワウソ・アヤメのこどもたちと母アヤメです。
今年の5月末からバックヤードで貧血の治療をしていたワラビ、ツクシ、スイカ。れぞれ体重が2kg前後となり、貧血は治りました。
また、心臓に異常が見られたスイカは、まだ薬が手放せませんが、体の大きさと心臓のバランスはよくなってきました。バックヤードでも水に入りまくり、毎日大暴れで元気いっぱいでした。
先日8月18日、企画展示「体感!熱帯雨林」に移動すると、4頭でどどどとプールに直行するも、手前でストップ!
どうするんだろうと思ったら、いきなりスイカが入水。
よりによって、スイカかいな・・・。大丈夫かなぁと、ハラハラしましたが上へ下へとすいすい。
▼それからは、手前の部屋で集まってなんぞ相談したり・・・。
▼台に乗って、まわりを見たり・・・。
▼飼育係員に餌をねだったり。
元気に過ごしております。
ただ、今度はお隣のリスザルのポメロが貧血になり、現在、展示をお休みさせていただいております。
こちらも見守ってくださいますようお願い申し上げます。
「体感!熱帯雨林」の入口にいるピラニア。
4月21日のブログ「可憐な水玉」で、小さい頃のようすをご紹介しましたが、あれから4ヵ月。
どうなったかと申しますと、
こんな感じです。
前は水玉だったかもしれない黒い斑は残っていますが、可憐ではなくなったのは確かです。
そして、尻ビレと鰓ぶたの下はオレンジ色になってきました。
4月には500円玉大だった大きさは、今は全長で10cmくらい、例えると小ぶりの鯛焼きといったところでしょうか?
この後もまたお知らせしたいと思います。
2014年6月25日の「海遊館日記」で、クランウェルツノガエルは大人の手の平サイズまで大きくなると紹介しましたが、この食べっぷりを見ると納得です。
週に2回、ツノガエル用の人工餌料やピンクマウスを与えているのですが、あっという間に完食してしまいます。
ピンクマウスはちょっと絵がこわいので、人工餌料を与えているところをごらんいただきました!
ツノガエルさん、最近お腹周りがぷくぷくしてきたので、ダイエットが必要かな?と言いつつも、あまりにも美味しそうに食べてくれるのでなかなか餌を減らせず...
身体もお腹も順調に成長中です(笑)
食後の満足そうな顔を見ると、こちらまで幸せな気持ちになりますね!
「体感!熱帯雨林」の西表コーナーには、大きなマングローブの擬木があります。
マングローブが根を張る場所は泥地が多く、不安定なこと、あるいは酸素や栄養分が少ないことなどから、幹を支える支柱のような根が発達しています。
なので、擬木も根をはってみました。
その根元を見ると、ん?なんか張り付いてますよ。
ミナミトビハゼなのでした。
ミナミトビハゼのとまっている根をみると、色の濃い部分と白い部分がありますね。
これ、色の濃い部分は水のあるところで、白い部分は水の上なんです。
ねえねえ、あなた、水から体出てませんか?
はい、そうです。
トビハゼの仲間は鰓だけでなく、皮膚でも呼吸できます。
潮の満ち引きがあり、干潮時には水がほとんど引いてしまうような場所で暮らしているので、このような呼吸法はぴったり!
潮が満ちてくると、水を避けるように枝の上に上ることもあるのだそうです。
ただ、水はきらい、といっても、完全に乾いてしまうのは嫌なようで、体の一部は水に浸けていたり、時々、浅い水溜りでころんころんところがって、体を潤しています。
ころんころんしているようすはとてもかわいいので、また動画を狙ってみます。
お楽しみに!
企画展示「体感!熱帯雨林」のコツメカワウソ、ハチとミミ。
【ハチ】
ハチは、海遊館で2008年3月に生まれたハンサムボーイ。
【ミミ】
ミミは、マレーシアで保護された まんまるレディ。
皆様の前にお目見えするのはちょうど1年ぶりです。
海遊館日記2013年6月26日「コツメカワウソのハチとミミ」
前回は「日本の森」でしたが、今回はより皆様に近い「体感!熱帯雨林」の水槽。
大丈夫かなあと心配もしたけれど...
ハチ : 「ふぁああ~」
余裕ですな。
ミミは?
どでーん!!(右側です)
ミミ : 「ぐー」
外から「おーい」と呼ぼうが、近づいて見ようが気にしません。
撮影者に「あまりにも野生を忘れすぎ!」と言われてしまうぐらい、大胆なミミ様です。
あっ!おなかが四角く剃られているのは、健康診断でおなかに異常がないかを見てもらったためですよ。
ここで、残念なお知らせです。
先月末、バックヤードに収容し、治療をしていたコツメカワウソのこども・コノハが、治療の甲斐なく死亡しました。
検査の結果、心臓の異常が原因でした。
他の兄弟、ワラビ、ツクシ、スイカも健康診断を行い、スイカにも心臓の異常が見られました。幸いに、ワラビとツクシの心臓は正常でした。
3頭とも餌はよく食べますし元気ですが、貧血が見られるため、餌に貧血改善剤とビタミンを強化して様子をみています。
皆様にまたお会いできるよう、治療を続けていきますので、どうぞ見守ってください。
巷では『ハムケツ(ハムスターのお尻)』の写真集が流行っていますが、私のブームはこちらの『ツノケツ』です!!
何のお尻か分かりますか?『体感!熱帯雨林』で展示を行っているクランウェルツノガエルのお尻です。
ツノガエルは目の上にツノがあることからその名前がつきました。
南米の熱帯雨林に暮らすのはアマゾンツノガエルで、クランウェルツノガエルは雨季と乾季のあるサバナ気候に暮らす種類です。
したがって、水槽内でもあまり水場にいることはなく、陸場の植物の下などに隠れていることが多いようです。
ツノガエルは大きくなると大人の手の平サイズにまで成長します!
当館の個体はまだまだ小さいですが、可愛い『ツノケツ』とクリクリおめめをご覧くださいね。
先日の海遊館日記でお知らせしました、「日本の森」のビワをリスザルたちに与えました。
まずは「体感!熱帯雨林」で大活躍中のポメロくん。
(わたし) 「どうぞ、お食べ!」
(ポメロ) 「なんだ、こりゃ??」
(ポメロ) 「ひっくり返って見てみよう」
(わたし) 「・・・」
(ポメロ) 「タオルに隠して~♪」
(わたし) 「意味わかんないよ~」
(ポメロ) 「おいしー!!」
(わたし) 「そりゃよろしゅうございました」
普通に食べられへんのん??
一方、「エクアドル熱帯雨林」では、ポメロの父、ジャックが大興奮。
(ジャック) 「うぉー!!ビワじゃ~、ビワ!!」
(ジャック) 「アンズに取られたらあかんから、木の上で食べよう」
ところが、ビワが思いのほか大きくて、うまく上ることができません。
(ジャック) 「ここからもっと上に...。あれ?上がられへん。なんでや??」 と立ち往生している間に悲劇が!!
悲しいね、ジャック・・・。(もうすぐ21歳)
でも、やさしい係員は拾ってまた渡しましたよ。
ちょっとふてくされ気味かも(笑)。
アンズも1つ、もらいました。
(アンズ) 「手がべたべたしていや~ん。でも、おいしい」
楽しいビワ大会でした。
近々、また西表島へ展示生物の採集に行くことになりました。
西表島での採集には、事前の情報収集が欠かせません。何の情報を集めるかというと、「採ってはいけないもの」に関することです。
西表島には国立公園の特別保護地区や天然保護区域など、すべての生物の採集が規制される場所があります。また、天然記念物や種の保存法により指定されて、地域を定めず許可なく採集できない生物もたくさんいます。
イリオモテヤマネコやカンムリワシといった有名な希少種のみならず、よく見られる種でも採集規制のある場合があります。たとえば、オカヤドカリ類は海岸にたくさんいるのですが、全種が国指定の天然記念物なので、勝手に採ることはできません。また、フチトリゲンゴロウのように、最近、種の保存法で指定された種もあるので、要注意です。
そのようなわけで、西表島に行くには、事前に環境省の保護官の方とよく相談し、採集する場所と種類について、計画を立てます。また、国有林に立ち入ることになりますので、林野庁の管轄部署に申請して入林許可をいただく必要があります。
さらに、西表島には採集規制のされていない貴重種もたくさんいます。法的な規制がないからといって、やたらと採っていいというわけではありません。このあたりは、自然に対するマナーというもの。たとえば、フチトリゲンゴロウに近縁なヒメフチトリゲンゴロウは現在のところ西表島では採集規制はありませんが、減少の著しい希少種です。これを多数採集するのはやはり許されざる行為といえましょう。
展示として、西表島の自然を紹介するに足るほど魅力的で、なおかつ多少採集しても現地の自然を損なうおそれのない生き物。案外難しいものです。
▲飛ぶカンムリワシ
新体感エリアの企画展示「体感!熱帯雨林」では、熱帯雨林に暮らす生き物と、一部、亜熱帯に暮らす生き物を展示しています。
本来、カワウソの仲間で熱帯に暮らす種は、南アメリカのオオカワウソなどですけども、ここではコツメカワウソを展示しています。
コツメカワウソは本来、東南アジアを中心とした亜熱帯地方に生息していますが、海遊館では「日本の森」で常設展示しており、今回は「熱帯雨林」でも、とお客様には混乱してしまうかもしれませんね。申し訳ございません。
カワウソ13種類の代表として、コツメカワウソは海遊館で大活躍してもらってます。
さて、企画展示には今年9歳になるツバキと2歳のグミの母娘(写真左:ツバキ、右:グミ)がいます。
こちらの展示はアクリル製で、お客様にはたいへん近いため、「お客様にも驚くことなく展示できるのは誰?」と考えました。
すると「そりゃー、肝っ玉母のツバキ(現在、「日本の森」の"わんぱくフォー"の母親です)でしょう!」と担当係員の意見が一致しました。
とはいうものの、同居している娘のグミはこれまでもブログで紹介した通り、ひょうきんなコですが、少しびっくりしいの性格。「さて、どうなることやら?」と心配しましたが、すぐに母に習い、ご覧の通りです。
ぐでーん(★´-ω-)。o○(zzZZ)
グミのもひとつすごいところをご紹介。
母ツバキには自分のこどもの毛を抜くという、よくない癖があります。しかし、ツバキのこどもたちの中で、唯一毛をむしられなかったのがグミです。
ツバキが毛をむしろうとすると、ガッと激怒するため、さすが?のツバキも降参!
強いね、グミみん。王様ゴボウなどはひとりっこというのもあり、思いっきりむしられまくってました。
こちらは今いじけモードの王様(inバックヤード)
娘が毛を抜かせてくれない(抜かんといて!)ので、仕方なく?自分の背中の毛を抜いていたツバキですが、こちらに来て、いろいろと忙しいらしく、せかせか動きまわり、毛を抜いている場合ではないようで、毛もだいぶ復活してきました。
そんな母ツバキとおもしろ娘グミのコンビをどうぞ間近でご覧ください。
ところで皆様にお願いです!
企画展示に限らず、ガラスやアクリルをドンドン叩くのは生物を驚かせることとなります。叩かずにそっとご覧くださいますよう、ご協力をお願いを申しあげます。
海遊館HPのトピックスに「体感!熱帯雨林」 テレビCMのご紹介をのせています。バージョンは全部で4つ。ご覧くださいね。
この撮影に出演しているのは、3月7日号の海遊館日記「一足お先にデビュー」でも紹介した通り、フタユビナマケモノの「ケロロ」♂です。
こちらがケロロ。
撮影には、色白の美人でメスの「マロロ」のほうが向いているかな?と事前打ち合わせをしていたのですが、いざ撮影となると、セットへの移動は「断る!(byマロロ)」と威嚇されてしまいましたので、「ケロロ」が1頭でがんばりました。
マロロです。
ケロロとマロロの違いですが、顔が黒っぽく、体が大きいのがケロロ、顔や全体が白っぽく、体が小さいのがマロロです。丸まっているとなかなか顔は見えないかもしれませんね。
体重でいうと、ケロロは7㎏、マロロは3.5㎏で、マロロはケロロの半分しかないのですが、態度が大きい?ためか、わかりにくいかもしれません。
どうぞ比べてみてくださいね。
2014年3月14日から始まった企画展示「体感!熱帯雨林」。
今回、熱帯雨林の樹冠に暮らす生き物の代表として、リスザル(ポメロ)が再登場です。
2012年8月14日に産まれたポメロは、母親の授乳がみられなかったことから人工保育をしました。
詳しくは、当時の「海遊館日記」をご覧ください。
産まれて3カ月ごろに、期間を限定してご覧いただきましたが、今回はそれ以来の展示となります。
これまで担当係員ぐらいしか見たことのなかったポメロ、たくさんのお客様に囲まれ少し戸惑っているようです。
特に小さなこどもさんや若い?女性に非常に反応しています。
展示にあたり、タオルをどうするか悩みましたが、落ち着くまではタオルが手放せないようです。
展示内にはいろいろな仕掛けがあり、リスザルのジャンプ力や手の器用さなどをご覧いただけるのではないでしょうか。
それにしても、生まれた頃の写真を見ると「大きくなったなあ」と思いました。
いつも見ているとわからないものですね。