写真の飼育係は、何をしているところでしょう?
これはジンベエザメの観察をしているところです。毎日行います。
生き物の観察のことを、わたしたちの業界用語で【ワッチ】と言います。由来は英語のWatch(見る)です。
この機会に、業界用語(海遊館だけかも?)を、こっそりお知らせしましょう。
【○○給(○○きゅう)】
○○給餌の略。
例)イル給(イルカ給餌)、アシ給(アシカ給餌)、潜給(潜水給餌)
【保定(ほてい)】
生き物を押さえて動かないようにすること。主に検査するとき。
例)おい!そのサメ、しっかり保定せんかい!咬まれるど!(魚類担当K氏、和歌山弁バージョン)
【Wキャッチ(だぶるきゃっち)】
通路と水槽の間にあるスペース。生き物が水槽から出てしまわないよう二つの扉があり、その間のスペース。
例)Wキャッチの扉、閉めたかな?忘れたんちゃう?もっかい見に行くわ~、やば~(汗)
【誘導(ゆうどう)】
生き物を、ある場所から違う場所まで連れてくること(無理やりではなく)。トレーニング時に使う。
例)Wキャッチに誘導しまーす。(あんたが誘導されてるやん~)
【シャワリング(しゃわりんぐ)】
凍結保存していた餌を水のシャワーで融かすこと。
例)サバとシシャモ、シャワリングしといてな。(時々、シャワーが自分に向いてずぶ濡れになる...)
【淡注(たんちゅう)】
海水魚の飼育水槽では、蒸発により塩分濃度が濃くなることがある。その分の真水を追加すること。淡水注入の略。
例)比重が上がったので淡注します。(淡注中(たんちゅうちゅう)は、現場を離れてはいけません)
【ベネる(べねる)】
魚類の寄生虫の一種、ベネデニアが寄生すること。
例)ミーティングにて、後輩「先輩、ベネってきました。」 先輩「どこで?誰が?どれくらい?ちゃんとわかるように言いや~」
【○○ペレ(○○ぺれ)】
金魚の餌のようなつぶつぶのペレット(人工餌料)のこと。コイペレ(コイ用ペレット)、アユペレ(アユ用ペレット)。
(例)「アユペレないやんか~、最後つこたんだれ~、も~、入れといてや~」(実在のF氏)
【薬浴(やくよく)】
薬を溶かした水に魚を浸けて治療すること。
例)ベネってるから薬浴せなあかんで。(ミックスバージョンです)
【T0~T14(てぃぜろ~てぃじゅうよん)】
海遊館の展示水槽につけられた番号で、飼育係は水槽を番号で呼ぶ。観覧順路に沿って順番に番号がついている(T0はアクアゲート、T14は日本海溝水槽)。TはTank(水槽)の略。
例)T9(太平洋水槽)で、A氏「マダラトビエイの潜給してくるわ~。」 B氏「Oh!センキュー」
観覧通路で飼育係同士が話をしているのをよーく聞いてみると、他にもいろんな業界用語がでてきます。
展示水槽を番号で呼べるようになったら、かなりの海遊館フリークかもしれません~
「あっ、潜給の時間だ~!」