海遊館日記

点灯式の舞台裏

  • 2009.10.30
  • 海獣担当
  • 海遊館
日が暮れるのも早くなり、だんだんと肌寒くなってきました。この時期になるとアシカ担当は緊張の毎日が続きます。それはイルミネーション点灯式があるため...。091030.JPG

海遊館では明日10月31日から恒例の生き物によるイルミネーション点灯式を開催します。この点灯式に欠かせないのが、毎年頑張ってくれているカリフォルニアアシカの「リンちゃん」です。1年でこの季節だけの大イベント、準備にも気合が入ります。点灯式はなんといっても、スイッチを押すのが重要!ということで、練習をするのですが、何しろ1年振り...。

 「リンちゃん、行けっ!」と内心ハラハラしながら飼育係員がサインを出すと、リンちゃんはスイッチを押しに行きました!さすがリンちゃん!!よく覚えてたっ!

 さぁ、次は移動用のケージに入って動く練習です。リンちゃんを飼育している場所から点灯式の会場までは距離があるので、ケージに入って移動します。途中、エレベーターにも乗ります。

 皆さんに立派な姿をお見せできるよう、こんな感じでリンちゃんと飼育係員は毎日練習に明け暮れ、明日の本番に備えています。実際にご覧になって応援してやってくださいね。

タチウオを展示しています

  • 2009.10.23
  • 魚類担当
  • 飼育担当

 10月21日より「日本海溝」水槽でタチウオの展示を開始しています。

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 タチウオは体が太刀(たち)に似ていることと、立ち泳ぎをすることなどからこの名前がついたと言われていて、成長すると大きなもので1.5mになります。

 銀白色に光る体がとても美しいタチウオですが、実は体の表面が弱く、手で触っただけで傷がついて弱ってしまいます。そのため、よい状態で採集・飼育するのがとても難しいのも特徴です。

 今回展示を行っているタチウオは、和歌山県の定置網にかかったもので、専用の網を使って、体に傷がつかないように慎重に定置網からすくい上げて海遊館へ運びました。その後、予備水槽で約1ヵ月間かけて新しい環境での生活に慣れさせて、ようやく「日本海溝」水槽にデビューすることができました。

 光を反射しながら立ち泳ぎで水槽を泳ぐ、幻想的な光景を、ぜひ見に来てください。

飼育係の憂鬱

  • 2009.10.16
  • 魚類担当
  • 飼育担当

 毎朝、皆様が来られる前に、私たち飼育係員には開館作業という仕事があります。言葉のごとく、海遊館をオープンさせるための作業です。その中のひとつに水槽の掃除があり、いろいろな水槽に入って掃除をするのですが、その際に飼育係員を悩ませる生き物がいます。それは「パナマ湾」水槽のカラスエイです。

 掃除の時間を利用して、週に3回エサを与えているのですが、以前はエサのない日でも私たちが水の中に入るとまとわりつき、エサをねだるだけのかわいいものでしたが、最近はエサへの要求が強くなり、水に入る前からこちらの存在に気付き、水面で裏返りをしてエサをねだるため、なかなか水槽に入れません。

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 なんとか水槽に入ると、すぐにカラスエイたちがまとわりついてきます。無視して掃除をはじめると、そのうち、カブっとおなかやお尻を噛んできます。ウエットスーツ越しとはいえ、結構痛いので、おもわず「コラッ」と声がでますが、カラスエイに通じる訳もなく、体をくねらせてかわすようにしています。

 毎朝エサをあげるようにしようかとも考えましたが、太り過ぎても困るので、頑張ってかわすテクニックを磨こうと思います。昼のエサの時間でも、水面で裏返ってエサを食べる姿が見られますので、この変わったエサの食べ方を、ぜひ見に来てください。

親も育つ

  • 2009.10.09
  • 海獣担当
  • 飼育担当

 8月29日に生まれたコツメカワウソの赤ちゃん4頭を「海遊館ギャラリー」にて、13:45~14:15の時間限定で一般公開しています。数日前に目が開いたところで、まだ色も少し白っぽいので、ぜひこの機会にご覧ください。赤ちゃんの展示は11月3日(火・祝)までです。

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 赤ちゃんの両親は母が「ツバキ」、父は昨年高知県の桂浜水族館からやってきた「ソラ」です。「ソラ」は桂浜でとてもかわいがられていたためか、とてもおっとりしています。そんな彼が、このたび父親になりました。

赤ちゃんが生まれた直後、「ソラ」は初めて赤ちゃんを目にしたためか「何、この物体?」の状態。「ツバキ」は弟たちの世話をした経験もあるので、赤ちゃんを上手に運ぶことができ、当然母親なので授乳もし、大好きなお尻をなめる排便の処理もします。でも、「ソラ」は赤ちゃんをくんくんとにおうものの、触ろうとはしません。抱くこともくわえることもせず、「ツバキ」の後ろで恐る恐る赤ちゃんをのぞくだけ。「ソラ」に子育てができるんだろうか?と不安になりました。

 しかし「ソラ」も、「ツバキ」の行動を見ることで、赤ちゃんにどう接すればいいのかが徐々にわかってきたようで、1週間ほどすると赤ちゃんを運ぶことができるようになりました(少しひきずり気味ではありましたけど)。そして、一生懸命家族を守ろうとしています。「ソラ」を見ていると、親も育っていくんだなーとしみじみ思います。

 これから赤ちゃんたちの動きが活発になると、更に大変でしょうが、がんばってね、お父さん。

海遊館以布利センター

  • 2009.10.02
  • 以布利センター
  • 飼育担当

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 高知県土佐清水市以布利にある「大阪海遊館 海洋生物研究所以布利センター」、通称「以布利センター」では、海遊館の「太平洋」水槽に展示する生物を中心に、生物の収集および研究を行っています。収集は主に大敷網(おおしきあみ)と呼ばれる定置網にて行います。以布利センターでは、現在ジンベエザメをはじめとする、約30種60匹の生物を飼育しています。

 9月26日の早朝には、以布利センターで飼育していたシマアジ50匹を海遊館の「太平洋」水槽で展示するために搬出しました。今回輸送したシマアジは大きさが約20cmの幼魚ですが、成長すると最大で全長約1mにまで達します。

 素早く泳ぎまわっているシマアジたちを、傷つけないように専用の網を使って慎重にすくい、トラックに積んだ水槽に移して輸送しました。輸送中に調子を崩さずに海遊館へ到着するか心配でしたが、調子を崩すこともなく、その日の夕方に無事に海遊館に到着し、「太平洋」水槽に展示することができました。

 今はジンベエザメの周りを群になって元気に泳ぎ回っています。これからどんどん成長して、お客様の目を楽しませてくれると思うので、やさしく見守ってあげてください。

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