海遊館日記

大阪湾で出会った生き物たち「天保山岸壁のウミウシ2」

 過去の海遊館日記で、「天保山岸壁のウミウシ」として5種類を紹介しましたが、9月上旬に行った調査で新たに2種類を見つけました。

大阪湾で出会った生き物たち「天保山岸壁のウミウシ」

▼1つ目は、まだ和名のないウミウシで、学名がTrinchesia perca とされる種です。
1017Trinchesia-perca.jpg
このウミウシは外来種で、ブラジルやカリブ海が原産とされています。

日本では1992年に三重県津市のヨットハーバーの浮き桟橋で発見されたのが初めての記録です。
同じような内湾環境の大阪湾でも2000年頃に見つかっていたようですが、今回わが天保山岸壁にもひそかに侵入していたことがわかりました。

イソギンチャクを食べるようで、同所でよく見つかるチギレイソギンチャクやタテジマイソギンチャクなどを食べているのでしょうか?

▼2つ目も和名のないウミウシで、Tenellia 属の一種とされる種です。
new1017Tenellia-sp.jpg
刺胞動物のヒドロ虫類についている事が多く、そのポリプを食べているようです。

▼ヒドロ虫の群体にはこのウミウシの卵塊と思われるものが多数見つかりました。
1017_3Tenellia-sp.jpg
この2種の同定は、きしわだ自然資料館の柏尾氏にお願いしました。

今回紹介したウミウシ2種は大きさがどちらも数ミリしかありませんが、比較的多数が集団で見つかります。

見つけるには少しコツが必要ですが、港のブイ、ロープ、浮桟橋の浮力体などの付着物の中を注意して探すと見つかるかもしれません。

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