大阪湾で出会った生き物たち【ホヤの仲間】
- 2016.07.17
- 大阪湾で出会った生き物たち
「ホヤ」と言うと食用にされる「マボヤ」が有名ですが、海遊館前の岸壁でもホヤがいます。
これまでに見つかっているホヤは、カタユウレイボヤ・シロボヤ・エボヤ・マンハッタンボヤ・スジキレボヤ・ナツメボヤの仲間、イタボヤの仲間など7種類以上になります。
ホヤは岩やロープなどに付着して生活しています。
▼ユウレイボヤの仲間(入水孔を開いて海水を取り込んでいるところ)
餌は水中に浮遊しているプランクトンなどで、入水孔から海水を吸い込みエラ(鰓嚢さいのう)でこしとり、残った海水は出水孔から吐き出します。
▼カタユウレイボヤが吸い込んだ水の流れ
ホヤをあまり知らない方でも、私たちヒトのご先祖様かもしれないと言うと興味をもっていただけるのではないでしょうか?
→開催中の企画展「デスモスチルスのいた地球」にて、マボヤを紹介しています。
ホヤの仲間は、卵からフ化するとオタマジャクシ型の幼生として水中を泳ぎ出しますが、尾の部分には、私たちヒトの背骨のもとになる「脊索(せきさく)」が存在するのです。最近の遺伝子解析からも、ホヤが私たちヒトを含む背骨をもつ動物(脊椎動物)に最も近いことが示されています。
ただし、幼生にあった脊索は岩などに付着して生活するようになると体に吸収されて無くなってしまいます。
ホヤは遺伝や発生学の研究材料として重宝されますが、汚損生物として産業に悪影響を与える場合もあります。
例えば、ホタテガイ養殖のロープに大量に付着して貝を落としてしまったり、ロープを引き上げるのに大変な労力がかかるケースなどがあります。
▼ロープに大量に付着したカタユウレイボヤ