眠っているわけではないと思う
- 2016.05.21
- 魚類担当
ネムリブカは、暖かい海に暮らすサメの仲間で、英名の「whitetip reef shark」からわかるように、reef(サンゴ礁)にいることが多いサメです。
また、white tipの由来は、第一背ビレと尾ビレの先に白い色が入っている為ですが、かっこよく?「ホワイトチップ」と呼ぶ係員もいます。
「太平洋」水槽には「ブラックチップ」と呼ばれるツマグロもいますから、比べてみるとおもしろいかもしれません。
そして、ネムリブカは鼻孔に大きな鼻弁をもっています。
ひげ好きの私ですが、ネムリブカのこれはちょっと鼻毛っぽいのであんまり...(笑)。
ネムリブカはあまり泳ぎ回ることなく、「太平洋」水槽でも底でじっとしていることが多いです。
そんなわけで、沖縄など南国では底でじーっとして、眠っているように見えるネムリブカに潜って近づき、尾鰭に縄をくくりつけた後、船上からよいしょーっと引っ張って捕獲する漁法があるのだとか。
南国にはこの他にもおもしろい漁法があり、例えばコバンザメの尾に縄をつけて海に放し、そのコバンザメがウミガメのお腹にぺたりとくっついたら、やはり引っ張ってコバンザメごとウミガメを捕らえるというものや人が潜って網の中に魚を追い込む漁があるのだそうです。
えらく気の長い漁だなあ...と思いつつも、獲りすぎない配慮がされているのがよいと思います。
ネムリブカを見ると、そんなことに思いをはせるのでした。