ジンベエワッチと動体視力
- 2015.09.11
- 魚類担当
「太平洋」水槽のジンベエザメは、毎日、決まった時間に行動観察を行います。
そして、月に一度は「24時間定例ワッチ(観察)」も行います。
1日べったりジンベエザメを見続けるのです(係員はもちろん交代します)。
ワッチは、飼育係員が水槽の前に座り、実際にジンベエザメを観ているので、細かな動きや便の有無を確認することができます。
また、怪しい動きをしたな!と思ったら、近くまで走って行って、詳しく確認することもできます。
ワッチ以外の時間帯は、ビデオカメラで録画をして、異常行動はないか?排便はないか?などを次の日に再生してチェックしています。
ビデオカメラを固定しているため、すべての場所が録画されているわけではありません。
そして、録画した映像の確認は、早送りにして見るので、細かい行動の変化はわかりにくいのですが、ジンベエザメが動きを変えたり、排便をするとわかるので、その部分は通常の速さで見なおして確認します。
▼画面は、17時~20時の「夜の海遊館」。青くて暗くて見えにくいです。
▼20時以降は、青い光から減り、夜間照明になります。日中の1/3の光量で暗いのですが、ビデオカメラの性能がよいためか、見やすいです。
「太平洋」水槽には、天井にガラス窓があり、上から光が差し込むため、明け方になると明るくなります。
前日の16時頃から、翌朝の9時まで、チェックします。
録画した映像は、こんな感じです。
画面上に見えるのは遊ちゃんです。
しばらくして右から左へと海くんが泳いでいきますが、海くんの通過した後、右のあたりが濁ったのがわかるでしょうか?
これは海くんの排便シーンなんですよ。
早送りしていて、「あっ、濁った!」と気づいたら、通常の速さに戻して再生して、詳しくチェックします。
大型のエイやアジたちの排便でも水が濁ることがあるからです。
巻き戻したら、ジンベエザメの位置を確認し、濁りの前後にいるのは誰かをよーく見て、その便の量などもチェック。
ジンベエザメの便は、塊が確認できます。
ジンベエザメの便でないとわかったら「もう、まぎらわしいな!」と思ってしまいます・・・。
このビデオチャックをしていると、ジンベエザメだけでなく、エイの腸洗いを見ることもあり、なかなか興味深いです。
その昔、プロ野球の選手が、動体視力を鍛えるため、電車に乗った時は必ず窓から見える電柱などを数えてタイミングをとるというような話を聞いたことがあります。
私たちには関係のないこと!と思っていたのですが、なんのなんの。
動体視力、むっちゃ必要やないですか!
特に今は、ジンベエザメが2匹!
「遊ちゃんと海くん、どっちがどっちやねーん!」
「目がもう1セットほしい!」と、はじめはみんな混乱していましたが、ようやく慣れてきました。
まあ目がついていかない時は、録画なのでゆっくり再生すればよいのですがで・・・.。
さて、今日も鍛えるぞ!動体視力!!