何 ヤット ん? その2
- 2015.06.12
- 魚類担当
5月31日「何 ヤット ん?」 の、その2です。
今回は展示までの道のりについてお話していきます!
ヤットにはいくつかの試練がありました。
第一の試練は、ハーネスをつけること。
ヤットは生まれてこのかた、ハーネスをつけたことがありません(あまりつけたことのあるカワウソはいないでしょうけど)。
なので、はじめはヒモをお腹に巻くところからはじめました。
少しでもつけられたら「ご褒美」、つけられたら「ご褒美」と少しずつ慣らしていきました。
このように徐々に慣らしていくことを「馴化」といいます。
トレーニングの基本中の基本です。
しかし、ヤットは優秀で、1週間程度で給餌中にハーネスをつけることができるようになりました!
第二の試練は、「ご褒美(餌など)」が無い状態でもつけること。
給餌中はつけることができても、餌が無いとつけてくれない!では困ります。
餌には限りがありますからね。
そこで、餌の代わりの「ご褒美」になるものを用意することにしました!!
それはドンゴロス!
いつも寝る時しか使えないドンゴロスを渡すと、体をふきふき!
リラックスしているではありませんか!!
これは「拮抗(きっこう)条件付け」といい、好きなものと嫌いなもの(ここではハーネス)を同時に与え、嫌いなものを軽減するというトレーニングの方法です。
しばらくすると、ドンゴロスを渡さなくても、ヤットはハーネスを嫌がらなくなり、いつでもつけられるようになりました!!
こうしてヤットは見事試練を乗り越えることができたのです。
が、しかし!ここで問題がまたひとつ...
ヤットはハーネスをつけることができるようになったので、本番を想定し、同居しているアヤメとハーネスをつけたまま、初めて一緒にしてみました。
トレーニング中はヤットとアヤメは別々にしていたためです。
アヤメはヤットの背中についているカメラの土台部分を見たとたん、ガブッと噛み噛み!
カメラの土台部分がボロボロに...。
なんてこった...
旦那様が変なものをつけているので、心配だった?んだよね、アヤメ。
対策として、噛んでも壊れない塩ビ板を使うことにしました。
アヤメ対策はばっちり!
ヤットがつけていたハーネスは、すべてヤット特別仕様。
猫用のハーネスを利用し、首周りや胴回りを採寸して作成しました。
試行錯誤を繰り返すこと計10回!
極力ヤットの動きの邪魔にならないように工夫しました。
そんなこんなで無事に展示水槽にデビューすることができました!!
今回協力しくれたヤットには感謝しています。
ありがとう!!