イルカ通信11月号~長い戦い 編~
今回はちょっとまじめに・・・
水族館の役割には生き物の命をつないでいくということがあります。その取り組みのひとつとして、カマイルカの精液採取にトライしています。
とはいってもようやく一歩ちかづいたかなぁって感じです。
取り組みを始めたのは4~5年前。イルカ担当になってそれほど経ってないころに、他の水族館とイルカの精液の交換をしたい、という話を上司から持ちかけてもらい、この取り組みが開始しました。
他の水族館に勉強にも行かせてもらい、いろいろな方法があることを知り、また全国のイルカのトレーナーの方々にもアドバイスをたくさんもらいました。
なかなか進まず、くじけそうになることもありました。
今年、アーチが出産をするということで、バックヤードに移動したオスのキール。それから集中的にトレーニングを行い、ようやく合図を出してからペニスを出すことができるようになりました。
着ている服が変わったり、給餌の場所が変わったりという小さな変化でも感じ取って状況が変わってしまうほど繊細なトレーニングだそうで、内心びくびくしながらトレーニングしています。
このトレーニングが進んでいることで、キールと私の距離がやや縮まった気がします。
キールの精液が採取できるにはもう少し時間がかかりそうですが、いつの日か必ず次の命へつなげたいと思います。