ひとり上手と呼ばないで
- 2014.11.30
- 魚類担当
コツメカワウソの予備室は、小さな部屋にそれぞれ分かれており、その扉はこんな感じです。
鍵は扉をはさむようにしてかるタイプのもので、手先の器用なカワウソがとびついて開けないよう、ねじでぎゅっとしめてロックするようになっています。
この鍵、実は曲者でして、開ける時にねじを充分にゆるめていないと、室内に入って作業するために扉を閉めたら、勝手にロックがかかった状態になることがあるのです。
作業が終わって、「さて、退室しましょう」と扉を開けようとしたら、鍵が上がらない!なんてことがありました。
カワウソ予備室は、多くの係員が作業している「調餌室」という台所のような場所の真横ですが、ひとつ壁をへだてているので、叫んでも聞こえにくいのです。
ましてや私、いつもひとりごとを言ったり、歌を歌いながら作業をしているので、みんなに「また、あいつなんかひとりで叫んでるな」と思われている節が...。
そんな時、以前は予備室の窓を開けて「助けてー」と叫ぶと、予備室の真下がカマイルカのいる「タスマン海」水槽なので、イルカの担当者が助けに来てくれました。
「どこから声が聞こえるのかと思って探した!」と笑いながら。
私が閉じ込められるのがたまたまイルカの給餌時間帯だったので、よかったんですけども...。
ところが、ここ数年、運動能力の高いツバキのようなカワウソが増えたので、カワウソの部屋の金網を増やしたところ、窓を開けることができなくなってしまいました。
ツバキです。
このとおり。さすがに窓を開けなければ、いくら叫んでも「タスマン海」水槽には届きません。
ということで、閉じ込められたら、チームの誰かが「あれ?なんで、あいつ戻ってこないんだ?」と気づくまで、カワウソと共に待つしかなくなってしまいました。
でも、ねじの締め方、緩め方を充分注意すれば防ぐことが可能ですから!!
そして、普段、静かに作業をしようと思うのでした。