海遊館日記

2014年9月

アシカニュース『スポーツの秋』

9月も今日で終わり。大阪もやっと秋らしくなってきました。

秋といえば食欲、読書そしてスポーツ。今年はアジア最大のスポーツの祭典・アジア大会が開催されており毎日色々なスポーツが観戦できますよね。
私が個人的に好きな競技はシンクロナイズドスイミング。
日本は銀メダル獲得。おめでとうございます!

そんな担当の思いを察してか、海遊館のアシカたちは時々シンクロを披露してくれます。
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前肢をまっすぐあげてポーズ。

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どうですか?息ぴったりなペアの演技です。

というのは冗談ですが、お食事タイムの後にはよくこのような行動が見られます。1頭がやり始めると真似して同じような動きをします。

毎日やるわけではないので見られたらラッキーなアシカのシンクロのお話でした。

寝癖?

「日本の森」の水鳥、キンクロハジロは、後頭部がぴょーんとはねていることから、別名を「寝癖(ねぐせ)鳥」というそうです。

あまりありがたくない別名ですね。

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泳いでいてもくずれない寝癖だよ(笑)。

さて、とある朝、カワウソのバックヤードに入ると、現在「体感!熱帯雨林」で大活躍中のアヤメ仔たちの父親であるゴボウ大王(ごぼちん)がひとり、すやすやとお休み中でした。

ごぼちんはひげがびんびんと立派にはえています。

前からご紹介しているように、ごぼちんは他のカワウソのひげをかじる癖があり、自分のひげは立派という、ちょっといやな男。

しかし、アヤメのこどもたちとは今別居中なので、どうもアヤメ仔の中にパパの癖が遺伝しているコがいるようですね。

誰かはまた調査しておきます。

で、ごぼちんですけど、「まゆげがちょっと虫の触覚みたい...」と先日より思っておりましたが...。
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この朝は丸まって寝ていたためか、まゆげがくきっと折れ曲がっていたのです。

ところが、またカメラを持ってなくて、カメラを探しているうちにごぼちんが起きてしまいましたーだめじゃん!

なので、私のすてきな絵をどうぞ。

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おまけに折れ曲がったまゆげは汚れて茶色かったです。

仕方ないので、起きた後を撮ってみました。右のまゆげはやや倒れているようにも思いますけどね。起きてからすぐに泳いで、きれいに洗ったのは確かみたい。
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ひげ(というか、まゆげ?)にも寝癖があるのかな?


湾岸放流バルブ点検

海遊館には、緊急時に展示水槽の水を湾岸に排水する配管があります。

今回はこの配管にあるバルブの開閉をチェックしました。このバルブがきちんと機能しないと、地震なのどの災害時に、水槽の水が観覧通路に流れてしまう可能性があります。
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おそらく、我々しか行かないであろう怪しい場所に、人の侵入を拒むかのように設けられた小さな扉。

その扉を抜けると真っ暗な空間、仮設照明と懐中電灯がないと先に進めません。

乾燥が激しく、雑草すら生育しない暗黒の砂漠世界。足元が悪く、油断しているとアリ地獄の巣に入ったかのように足を取られます。
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その奥に砂煙であたかも存在をその隠すようにあるバルブ室。

赤錆で覆われた鉄の蓋を取り除くとあたり一面を覆いつくように広がるカビ臭。

点検用の足場板は一部朽ち果て、この空間がどれほど劣悪な環境かがわかります。

...というのは少し大げさですが、廃墟マニアが好みそうな場所だと思います。


そんな陰気な空間には似合わず、楽しげに点検をしている「某担当者」なのでした。興味のない方はスルーしてください(笑)


ピンチヒッター

野球もシーズンが終わろうとしております。
みなさんの応援しているチームはいかがでしょうか?

さて、「体感!熱帯雨林」で展示していたリスザル・ポメロですが、貧血の治療が長引きそうです。
代わりに父親のジャックとも思いましたが、なんせお年寄りなので、新しい場所での展示はどうかなと思われました。
そこで、ピンチヒッターとして、アカハナグマのトマトとイチゴが登場です。

部屋には木製のジャングルジムと、鼻だし場所、顔出し場所を設けてみました。
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▲ジャングルジム

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▲鼻だし場所

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▲顔出し場所

それぞれどうやって使うだろうと興味津々だったのですが、なかなかおもしろい使い方をします。
ぜひご覧ください。

ポメロは今、トマトたちのいた広い部屋を使っているのですが、
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どういうわけか誘導通路(動物を捕獲する時に使う通路)手前の小部屋しか使いません。
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つつましやかだね、ポメロ。

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ポメロ:「横でなんか大きな声(=インコの声です)するからこわいんだよ」

そうなの?わあ!近い近い!
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元気になって、また皆様にお会いできますように!

お彼岸です

もうすぐ秋分の日ですね。
秋分の日を中日とした前後3日間は秋彼岸です。
皆様は秋のお彼岸というと何を思い浮かべますか?
「おはぎ」「お墓参り」エトセトラ。

私はこの花のことを思います。
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その名もヒガンバナ。
田畑のふちや線路脇などでよく見かけます。
以前は、当館でもたくさん咲いたので、日本の森に植えましたが、うまく育たず、今残っているのは屋上の数鉢のみ。
その数鉢がお彼岸を前にきれいに咲いたので、日本の森に展示しました。

花を拡大すると、6枚の花弁が放射状についています。
小さな花が集まって大きな花を形作っている、というのがよくわかります。
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ちなみに、ヒガンバナの学名「Lycoris radiata」のLycorisはギリシャ神話の海の女神から、radiataとは放射状という意味なのだそうですよ。

お彼岸が終わるといよいよ秋も本格的になるのでしょうか?
季節の変わり目、皆様もうちの動物たちも調子をくずしませんように!!

骨折手術

コツメカワウソのザクロ。

下顎骨を骨折してしまいました...。

骨折の整復手術は専用の手術器具が必要で、さらに専門的な技術も必要であるため、
大阪の門真市にあるファーブル動物病院で手術をして頂くことになりました。
(ファーブル動物病院は動物の整形外科があり、今回は整形外科のスペシャリスト山口力先生にお願いすることになりました)

車に乗って1時間(渋滞だったのでもっとかかったかな?)、病院へ到着です。

知らない場所、白衣や術衣を着た先生方がたくさんいて、ちょっと緊張気味のザクロです。

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手際よく気管挿管、血管留置、毛刈りをしていただき手術の準備ができました。

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私たち海遊館の獣医師も勉強のため手術に立ち合わせていただきました。

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カワウソの骨は犬猫よりはるかに硬いそうで、ピンを挿入したりボルトを固定する穴を開けるのが大変な様子でした。
それでもさすが専門の先生。
キレイに整復していただきました。


手術後1ヶ月、縫合痕もきれいに治り、餌の魚もモリモリ食べて元気になりました。

ファーブル動物病院さんには本当にお世話になりました。ありがとうございます!

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ある夜!

「体感!熱帯雨林」で施設の点検、補修作業があったため、閉館後、プラプラと企画展示室に向かっていると、遅番の係員が「ナマケモノが~」と言いながら走ってきました。
こりゃてっきり、ナマケモノに何か起こったに違いないとあわてて見に行くと、なんと!ケロロとマロロがこんな状態です。
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「もう、むっちゃラブラブなんで、知らせないとと思ってー!」と遅番の係員。
その場にいた数人で「早く、カメラ、カメラ!」「そんなん持ってないし...」「私取りに行きます!」と1名が係員室に走りました。
私たち係員は、普段は動物と接するため、ものを持ち歩く習慣がありません。でも、そんな時に限って、動物たちのすごい瞬間を見てしまったりするのですよね。

「あー、2頭が離れてしまう...」と思ったら、「あっ、携帯電話持ってた!これで写してみるわ、カメラあんましよくないけどやってみる!」と1人がのたまいました。
で、撮ったのが上の写真というわけ。
なかなかよく撮れてますがな。

この後、少しガガガと音がすると、マロロが「あたし、こわいの」とばかりにケロロの胸に顔をうずめます。
おいおい!!

で、カメラを取りに行った係員がはあはあ言いながら戻ってきた時には、すでに2頭は離れていて、お疲れ様なのでした。
カメラは持ち歩かないといかんなあと思うできごとでした。

人魚の財布

「日本海溝」水槽の横、深海生物コーナーのナヌカザメ水槽に卵を展示しました。
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ナヌカザメの卵は半透明で竪琴のような形をしており、「人魚の財布」とも呼ばれています。

「新体感エリア」のふれあいコーナーのイヌザメやサンゴトラザメの卵もこれとよく似た形をしていますが、あちらは昆布のような色(褐色)なので、見た目はナヌカザメの卵が美しいかもしれませんね(好き好きではありますが...)。

卵展示の後ろでは、産んだ方がじーっと見てますね。
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海藻などにくっつきやすいよう、くるりんとした付着糸がついているので、展示もしやすいぞ!
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上にくっついているプラスティック片には産卵日が書いてあります。

この卵、仔ザメのふ化までには1年ぐらいかかるようなので、しばらくは卵の中でこどもが大きくなる様子をご覧ください。

おしゃれな爪

現在、海遊館のペンギンたちは羽が抜けかわる季節

この季節は個体識別のため、翼に装着しているバンドを外します。

1羽づつ順番に羽が抜け変わってくれれば問題ありませんが、そう言う訳にはいかず・・・
複数が同時に始まります。
「フォークランド諸島」水槽のイワトビペンギンはこんな感じ。
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こうなると、個体の識別が困難になります。
そのため、ペンギンたちの爪にマニキュアを塗ります。

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まさに、おしゃれです。
いや~、ペンギン担当ですし、IDバンドなくても識別できるんですよ!
ただ念には念をってことで(笑)


「南極大陸」水槽でも羽が抜け替わっているペンギンが沢山います。
そんなペンギンを見つけたら、爪の色までチェックしてみて下さい。
さてあなたは何色見つけられるかな♪

ある朝の風景

朝一番に「体感!熱帯雨林」に行くと、逆L字な生き物が!!

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マロロ、背もたれもないのに、すごい角度やね。
ナマケモノの体のやわらかさよ...。

前から見ると...
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ちょっとセクシーなマロロなのでした。

その頃、ケロロは?
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毛玉??
相変わらずでした。

厚い信頼関係

動物のトレーナーたるものは、担当の動物と厚い信頼関係を築かなければなりません!

私もカリフォルニアアシカのトレーナーをしているので、担当しているアシカとの信頼関係を築けるよう、日々精進しております。

ちなみに私が担当しているのは、今年で3歳になったメスのアシカの「ナミ」です。

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ナミの担当になってから2年が過ぎました。

初めは怖がられたり、上手く意思が通じず噛み付かれてしまったりと、いろんなことがありましたが、それを乗り越えて今では仲良くやっています。

そんなある日、後輩の飼育係員が、

「昔、アシカがトレーナーと肩を組んでる写真を見たんですが、すごく信頼関係を感じましたよ!」

と言っているのを聞いて、

(そんなん俺とナミの今の間柄やったら朝飯前やな。)

と思い、早速試してみると・・・

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肩は組むことができたものの、このナミの微妙な表情と出来るだけ距離を取ろうとしている感じの姿勢といい、とても信頼しているようには見えませんね(汗)

ナミと私が厚い信頼関係を築くには、もう少し時間が掛かりそうです。

敬老の日

9月15日は敬老の日。
私たち、陸上動物の担当チームで「敬老」すべきメンバーをご紹介します。

まずは「海遊館日記」でもたびたびご紹介しているコツメカワウソのニッキじい。
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8月に20歳の誕生日を迎えました。
夏場は少し食欲が落ちていましたが、気温が下がってきて回復傾向にあります。
一緒にいるロックが騒がしいのですが、バックヤードでマイペースを守ってます。

そして、こちらもたびたびご紹介しているリスザルのジャックじい。
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先日、少し顔が腫れるということがありましたが、大事には至らず一安心。
大嫌いなお薬(抗生剤)は、大好きなハチミツに混ぜて飲んでます。
でも、そろそろ「なんか、このハチミツ苦いんだけど」ってばれるんじゃないかと冷や冷や。
それにしても、ジャックったら、ぱっと見ると父親のカボスにそっくりではありますが、この角度からの写真、母親のキウイにそっくりでびっくりしました。
担当係員が若返って、キウイを知る人が少ないので、昔の担当者に写真を見せてワーワー言ってます。

最後に「日本の森」水鳥コーナーのゴイサギ。
海遊館のオープン時からいる数少ないメンバーです。
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日中はお客様からは見えない、アクリルの更に上にある照明器に乗っかっていて、夕方になると降りてくることもあります。
「夜の海遊館」の主役ともいえますね。
残念ながら、長らく一緒にいた同じサギの仲間、コサギが今年の梅雨に死亡してしまいました。
といっても25年以上は生存していたわけで、サギってとても長生きなのですね、とまたまたびっくり。

この方々には本当に敬意を表します。来年もみんなのことを紹介できますように!!

ピンクのメジカ

海遊館の研究所「以布利センター」がある高知県土佐清水市以布利では、定置網漁が行われています。

定置網は魚が回遊する場所に仕掛けられた大きな網で、様々な魚が水揚げされます。ジンベエザメ「遊ちゃん」もこの定置網に迷い込んできました。
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高知では、夏場に"メジカ"と呼ばれるマルソウダが多く獲れます。多い日には20t以上水揚げされる日もあります。
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メジカが大漁だったある朝、以布利の市場を歩いていると、魚を選別している方から声がかかりました。

見せてもらったのは、ピンク色のメジカ(写真下のメジカです)。
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大きさ、形などは他のメジカと変わりありませんが、体色はまるで染めたようなピンク色。 

調べてみると、時折体表がピンク色になったカツオが漁獲されることがあり、メジカも昨年は1個体が同じ土佐清水市で見つかったことがあるそうです。

体表がピンク色になる原因としては、オキアミなどの餌を食べて、甲殻類などに含まれる赤色の色素「アスタキサンチン」が、何らかの原因で体表面に沈着した可能性が考えられています。

しかし、餌を食べただけでなく、他にも限られた条件があってピンク色になるのではないかと私は考えています。

どちらにしても、ピンクのメジカが獲れたのは大変珍しいことですね。


ところで、ピンクのカツオが釣れたら大漁になると言われています。ピンクのメジカも大漁を呼んでもらいたいですね。

仕込み!

飼育員の仕事は、「調餌室」という部屋で生き物たちのその日1日のエサの準備をするところから始まります。

このエサは普段、大きな冷凍庫の中でカチンコチンに冷凍保存されています。
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使うときには水で溶かすんですが、-30℃の冷凍庫からそのまま出して使おうとするとなかなか溶けてくれません(>_<)
そこで、前の日から仕込みをしておくのです!

まずは!エサの冷凍ブロックを入れたカゴを運び!
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水に浸けておく。これだけ。
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次に冷凍庫前にある室温7℃の冷蔵庫!ここに!
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エサを置く。これだけ。
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どちらも、エサを使うときまでにある程度溶かしておくのが目的です。

書いてしまうとこれだけですが、暑い夏場はエサが溶けすぎて傷んでしまいますし、冬は逆に寒すぎると仕込みをしてもエサが溶けなかったりします。
そのため、水に氷を入れたり、冷蔵庫に入れる時間を変えて、使うときにちょうどいい溶け具合になるよう、細かい調整をしています。

飼育員みんなでその日のエサの解け具合を情報交換しながら、試行錯誤の毎日です。

より鮮度のいいエサを準備するために、前日のエサの仕込みはとっても大事なことなのです!!( ̄^ ̄)=3

ニンゲンワケベラ?

海遊館の魚類の健康管理で欠かせないのが"駆虫(くちゅう)"。
"駆虫"とは、寄生虫を駆除することです。
魚の体表やエラには多くの種類の虫が寄生します。
刺胞動物、単生虫、甲殻類、ヒル、はたまた二枚貝なんかも寄生するんですね。

もちろん寄生された魚は治療します。
一般的な方法は"薬浴"です。
これは、薬(駆虫薬)が入った水(海水)に魚を漬け込むことで、駆虫します。
他には人間と同じように、餌に駆虫薬を混ぜることもあります。

今回、海遊館で新たな駆虫方法が編み出されました。

さかのぼること約1ヵ月前、水槽お掃除専属ダイバーのY君が相談に。

Y君「太平洋水槽にいるヤイトハタの口の周りにヒルが寄生してるんすけど、どーします?」
私「ほな、取り上げて駆除やな。まぁそんなに悪さしないから、近々取り上げる日考えるわ~」

数日後。

Y君「なんか口元を、こーやって手でコリコリやったら、取れそうなんすよ~」
私「ほな、まぁいろいろやってみて~」

その後、忙しさにかまけて、すっかり忘れていた私・・・

Y君「なんか、簡単に手でヒル取れるんで、取っちゃいますね」
私「えっ?(人に慣れていない魚のはず・・・)ほんまにヒル取れるん?」
Y君「(ヘラヘラ笑いながら)よゆっすよぉ~」

ということで、その現場を確認しにいったところ、

おーーーーーー!すげー!!!
完全にヤイトハタはY君を信じきっています。
気持ちよすぎて、体が横になっちゃってます。

クリーニングフィッシュって皆さん知ってますか?
ホンソメワケベラのような、他の魚に寄生している虫を食べる魚のことです。
海遊館にもホンソメワケベラが暮らしています。

このように、体表だけではなく、エラ、口の中まで頭を突っ込んで寄生虫を食べてくれます。

で、このヤイトハタ、Y君のことを完全にホンソメワケベラと勘違いしています(笑)
ヤイトハタ「このでっかいホンソメワケベラ、寄生虫取るのうまいわぁ」

しかし、Y君、どう見てもホンソメワケベラには見えないんですが・・・

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イルカアーチ仔通信9月号~誕生のとき編~

赤ちゃんが生まれたということで、タイトルを「イルカアーチ仔通信」として
赤ちゃんの近況をお伝えしていこうと思います。

出産の前、アーチがエコー検査に応じてくれました。
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こどもの心拍を確認することができました。

日中は出産せず、夜を迎えました。


そして交代で夜間の観察を行っていたときに破水が起こりました。
破水がおこってから
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赤ちゃんの尾びれが・・・

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だんだんと...

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出産は午前4:43。
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多くのスタッフに見守られ、赤ちゃんは初めての肺呼吸を行いました。

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他のイルカ達は赤ちゃんにびっくり。
目が「ギョ!!!!!!」となっています。


私達飼育係員の喜びはつかの間。
これからしばらくは戦いの日々です。
 

月より団子♪

朝夕が涼しくなり、小さな秋がいたるところで見つかる季節となりました。

9月の上旬には、秋の風物詩のひとつに、お月見がありましたよね!!

今年はスーパームーンという言葉が巷をにぎわせていたように思います☆


ちょうどその頃、海遊館でもとある生き物がこの秋の風物詩を楽しみにしていたとか、いないとか??

それが、こちら!今日も元気なラッコの「パタ」さんです!!

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もちろん、パタが楽しみにしていたのは、キレイなお月様...ではなく、


お月見団氷♪

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去年に続き、2度目の登場です!

では早速、「パタ」とお月見の再開の様子をご覧ください!




『はっ!!!!これはもしや、お月見団氷ちゃうん?!』

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『お久しぶり!今年も一段とおいしそう♪』

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『やっぱり秋はお月見(団子)サイコーやわぁ(*^ ^*)』
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とご満悦な「パタ」なのでした☆

西表コーナーの新展示

企画展「体感!熱帯雨林」の西表島コーナーの展示生物をいろいろ入れ替えました。今回登場したのは、このようなラインナップ。

ヤクジャマガニ
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マングローブにすむオウギガニのなかまです。通称「こわいかに」。おこりんぼなんですもん。らんらんと赤い目にくまどり模様をそなえていて、顔もコワイ。

ヤシガニ
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レアもんです。いや、ヤシガニ自体はそんなに珍しくもないかもしれませんが、レアなのはこのサイズ。小さいんですよ。にくたらしい感じの大きなヤシガニはよくいますが、こんなにかわいいヤシガニははじめて見ました。

ミナミオカガニ
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これまで展示していたオカガニによく似ていますが、甲羅がまるまっちい。そして、目が長い。南の島を感じさせる風格をそなえておりますな。

ヤエヤマサソリモドキ
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サソリみたいですけれど、しっぽにはサソリのような毒針はありません。しかし、漆黒の体といい、奇怪な顔つきといい、西表島でもっともかっこいい生き物として不動の地位を確立しています。

いずれ劣らぬスター揃い。ぜひみにきてください。

無理は禁物

 "あっ!" 

思った瞬間、強烈な力で引き剥がされ、再起不能になってしもた‥‥ トホホ(泣)


わての名は"カップリング"、ポンプとモーター間におって、モーターの力をポンプに伝える仕事をしとる。

わてがおれへんかったら、水を水槽に送ることは出来へんのや。

わての体は、あの"ルフィ"と同じゴムで出来とる(ちょっとした自慢やけどな)


しかし、長年の無理がたたって、この有様、後進に道を譲ることになってしもた。

無理は禁物、仕事をするときはしっかりとする、休むときはきっちりと休む。

メリハリが大切や、設備の兄ちゃんも、そこんとこよろしゅーたのんまっせ!


写真① あ~あ いってもーた(泣)

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写真② わての職場や(循環ポンプ)

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写真③ このオレンジ色の部分がわて

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写真④ 後はたのんだで!

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シジミ受難

企画展示「体感!熱帯雨林」の西表島コーナーに展示しているシレナシジミとヤマトシジミの貝殻です。
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シレナシジミは日本最大のシジミで、殻の大きさ(殻長)は10cmを超えるものがいるそうです。
私たちが普段食するヤマトシジミの大きさは2cmぐらいですから、シレナシジミがいかに大きいかがわかると思います。

シレナシジミはマングローブ林に暮らし、地表に殻の一部を露出させ、泥の中に潜って、水に溶け込んでいる栄養分や泥の中の堆積物を食べています。そうすることで水や泥などを浄化するのに役立っているのだとか。
また、シレナシジミの形は丸っこいのですが、深さ10cm 未満の浅いところに生息する種の特徴で、捕食者から襲われた時、丸く厚みのある殻で身を守るためと考えられています。
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西表島に詳しい係員からシレナシジミの話を聞いた際、「ぜひその貝殻を採集してきてほしい」と頼みましたが、シレナシジミの殻は良い状態で残っていることが少ないのだそうです。ということで、お土産物として売られている貝殻を入手してもらいました。
あっ、シレナシジミ、とても大きいけど、身はそれほど大きくはなく、味もいまいちだとか。

で、受難って何か?というと、シレナシジミじゃなくて、ヤマトシジミなのです。

1枚目の写真を見ておわかりのように、シジミの殻は触ることができます。
ところが、ヤマトシジミは小さいからでしょうか。シレナシジミで叩き割られたり、なぜかいなくなってしまうことも。
ミナミトビハゼの水槽にいたり、植木鉢の隅などぎょっとする場所にいたり、行方知らずも多々。係員は急遽、標本作成中です。
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皆様、ヤマトシジミにもやさしくお願いします!

海遊館の芸術家

海遊館で飼育している動物の中には破壊...、もとい、彫刻をする動物がいます。
まずはその動物がボロボロにした...、もとい、作り上げた作品を少しご覧いただきましょう。
なお、作品解説は芸術の感性の欠片もない担当飼育員が書いておりますので、ほぼ適当です。(笑)

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この板はもともと四角だったのですが、上部をアーティスティックに削り、荒々しさを表現しています。

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こちら、一見ただ削られただけの木ですが、なにかの動物に見えてきませんか...?

......そうです!カピバラです!......これカピバラですよね!?(笑)
全然カピバラに見えないという方のために、少し画像を編集しました!

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ほら!カピバラ!

そしてこの作品を作ったのがこの方達!
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8月9日のブログ「Hello」でも紹介した、ルリコンゴウインコのお二方です!

ルリコンゴウインコのくちばしはとても硬くて大きく、噛む力も強いので、果物をかじったり、餌になる種子などを割るのに適しています。また下あごのくちばしが彫刻刀の平刀のような形になっているので、削るのは得意です。

こちらで見せた作品は展示に出る前のバックヤードで作った(壊した?)作品なのですが、8月から展示デビューして以来、さっそく「エクアドル熱帯雨林」水槽でも破壊活動...、いや、製作活動をしています。
私たち飼育係員としては木屑などのゴミが増えるので、彫刻最中に出くわしたときは
「またボロボロにして~!」
と怒るのですが、ご本人達は知らん顔でせっせと削っております。(笑)

チャレンジ精神~がんばる、ニコ~

朝の観察をしていたとき、ゴマフアザラシのニコが
がんばっている姿を見つけました。しかし。。。



途中でラピス乱入!!!!
どーーーーーーーーん!!!

それでも弛まぬニコの精神。



わたしも見習わなくっちゃ~

ナマケモノの耳

『体感!熱帯雨林』で展示を行っているナマケモノ。
ふと、「ナマケモノの耳ってどんな形?」と好奇心が沸いたため、耳を探してみました!!

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どの角度から見ても耳は見当たらず。
毛をめくってみると...
ありました!!

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こちらがケロロ♂の耳で

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こちらがマロロ♀の耳です。

どうですか?初めてナマケモノの耳を見た方も多いと思います。
ちょっと、サルの耳に似ているのかな?という印象を受けました。

サルと言えば、この写真をご覧下さい!!

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スタッフの一人が「回転したら歩いているみたい」と言い出したので、座っている写真を90度回転させると...
たしかに、二足歩行をしているように見えます!
新種のサルみたいに見えませんか?(笑)


イルカ通信8月号~目の前に・・・編~

8月23日に生まれたカマイルカの赤ちゃん。
水槽に入ってもええやろうとの許可がいただけたので、カメラをもって赤ちゃんのいる水槽にはいってきました。

アクアとルーシーがたびたび登場してきますが、赤ちゃんとお母さんが意外にも近くにきて様子を確認してました。

この映像は生まれて2日目の様子。
こんな生まれたてな赤ちゃんと一緒の空間で目の前で見られるなんて、なんとすばらしいことなんでしょう!!!!!
職権乱用して申し訳ありません!!

いまはもぐっても相手にしてくれない赤ちゃんが、いつか私たちのほうに近づいてくる日もそう遠くはないと思うと待ち遠しいです。

アザラシの鳴き声

先日、「モンタレー湾」水槽の前で生き物の観察をしていると、お客様が、「アザラシってどんな声で鳴くのかな?アシカに似ているから同じような感じなのかな?」と、言いながら、館内を歩いて行かれました。

それを聞いてふと考えると、アシカの鳴き声は聞いたことがある方は多いと思いますが、アザラシの鳴き声を聞いたことがある方は意外と少ないのではないでしょうか?
実は私もアザラシの飼育担当になるまでは、鳴き声を聞いたことがありませんでした。
ということで、今回はアザラシの鳴き声を紹介したいと思います。

では、まずはじめにカリフォルニアアシカの鳴き声です。
今回は「モンタレー湾」水槽で生活しているカリフォルニアアシカの「ナミ」に協力してもらいました。

アシカは声で仲間とコミュニケーションをとるため、水槽内でも普段からよく鳴いています。
また、このようにアシカは大きな声で鳴くことから英語で「SEA LION」(海のライオン)と呼ばれています。

では続いて、ゴマフアザラシの鳴き声です。
今回は同じく「モンタレー湾」水槽で生活しているゴマフアザラシの「チチ」に協力してもらいました。

どうでしょうか?

アザラシはアシカと違って鳴き声で仲間とコミュニケーションをとることが少なく、アシカに比べると鳴くことがあまりないので、聞いたことがある方は少ないのではないでしょうか?
私が初めてこの鳴き声を聞いたときはかなりイメージが違っていて驚きました。

アザラシの鳴き声はどうでしたか?
一見似ているアザラシとアシカたちですが、実は鳴き声はこんなに違うんですよ。

羽が抜け変わる季節

現在、海遊館で暮らすイワトビペンギン。年に1度の羽が抜け替わる(換羽)季節の到来です。

この時期は清掃作業がとても大変。

1羽から抜け落ちる羽の量は多量です。

しかし展示水槽の排水口は小さく、作業効率が悪いため毎日イライラが止まりません。
予備水槽の排水口は、とても大きくて楽なんですが・・・。


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▲普段は、体重が2㎏前後のイワトビペンギンですが、換羽前は丸々太ります。

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▲こちらは換羽を開始する直前で体重は3㎏オーバー

全身の羽が立ち、コロコロになります。
換羽中はほとんど餌を食べません。1週間ぐらい食べなくても平気です。

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▲こちらのペンギンは、国内最高齢ですが、まだまだ元気!

今は餌をモリモリ食べて体重増加中。
翼の羽が少し立ってきているのが分かりますかね。
これは換羽が近いサインです。

海遊館で飼育しているイワトビペンギンは全部で17羽。
半分以上のペンギンがまだ換羽していません。

清掃作業が楽になるのは、まだまだ先になりそうです(涙)
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