生き物の移動ってどうやってするの?
- 2014.04.18
- 魚類担当
飼育している生き物が館内、もしくは他の水族館や動物園へ引越しするときにどうやって行っているか皆さんご存知ですか?
海遊館ではさまざまな生き物を飼育しているため、それぞれの生き物に合わせた取り上げ方や移動方法があります。
例えばジンベエザメやイルカなど大型の生き物は体に合わせて大きな担架や水槽を使用します。他の園館へ移動するときには入れ物ごと大きなトラックに入れて運んだり、飛行機で運んだりします。
今日はアカハナグマの館内移動についてお話します。
アカハナグマを飼育している予備室の部屋と部屋の間には、生物が通ることができる移動用通路があります。これを私たちは誘導通路と呼んでいます。
だいたい、2つの部屋のどちらか一方だけを使っていますが、隣に移動してほしい時には金属の扉を閉めて、外側から開けることができます。通路を行き来してほしくない時には金属の扉を閉めておけばOK。
そして通路の中央には取り外して持ち運ぶことのできる容器が設置されているので、ハナグマを移動させたい時にはこの中へ誘導します。
取り外すとこんな感じ。
警戒心の強くない個体だと容易に中へ入ってくれますが、そうでない個体は怪しんでまったく近付こうとしません。
なので、餌を使って徐々に馴らしていきます。
誘導は、取り上げによる動物たちへのストレス、負担を軽減させることができる移動方法です。これからももっとスムーズに誘導できるようにトレーニングを続けていきます。
写真は昨年、お母さん「アズキ」の生まれ故郷、長崎の動物園に引越しする際の「アセロラ」と「ローズ」です。まずは上記の容器に入れ、それからドッグケージに移します。
この時、2頭は車で移動しました。
先日、担当の方に聞くと、他のアカハナグマに混ざって、2頭とも元気にしているそうです。