海遊館日記

ありがとう

TV番組や海遊館の情報紙などでも公開されましたので、すでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、昨年末にコツメカワウソのこどもが誕生しました。

12月28日の夜、遅番の係員が19時過ぎにカワウソの予備室前を通ると、「ひゃあー」という陣痛の声がしたとのことで、担当を招集。

20時頃に部屋の前に行くと、「ぴーっ」という赤ちゃんの鳴き声がして、担当全員で「ばんざーい!」

それから陣痛の声がしたり、やんだりでしたので、あとは両親に任すしかない!と担当は帰宅しました。

次の朝(29日)、親たちが餌を食べている間に確認すると、赤ちゃんが4頭。50g前後の体重でしたが、1頭だけ40gに満たない仔がいて、「うーん、小さいなあ...」と思いました。

そして、さらに次の日(30日)、また仔を確認すると、小さかった仔は残念ながら死亡していました。

少し気落ちしつつ、他の体重を測ろうとすると、あれ???なぜか仔が4頭います。どうやら、前日、確認した後にもう1頭産まれていたのです。その仔はとても大きく、前日産まれたのはすべてオスだったのですが、このコだけメスでした。

コツメカワウソの出産にかかる時間は、産む頭数にもよりますが、これまでだと4頭で約半日とか、第1仔の出産から第3仔までで10時間というのがありました。今回は5頭で、第5仔の出産時間が不明ですが、半日以上かかっているのは間違いありません。

万が一、母親のお腹に仔が残ったままで、自力で出産することができなかったら、赤ちゃんだけでなく、母親も命を落とす場合もあります。コツメカワウソのように出産頭数が多い場合は、そこをどう判断するかが難しいところです。

今回の出産では、母親が12月29日の朝、しれーっと餌を食べており、陣痛らしき様子も確認していなかったので、まさかもう1頭いるとは思ってもみませんでした。

油断してはいけないと反省するとともに、無事に最後の仔を産んでくれてありがとう、と心から思いました。

さて、次回のブログではこの仔たちの両親についてお話しますね。

写真は1月3日に撮影したこどもたちです。
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