海遊館日記

2014年3月

おもろい母娘

新体感エリアの企画展示「体感!熱帯雨林」では、熱帯雨林に暮らす生き物と、一部、亜熱帯に暮らす生き物を展示しています。

本来、カワウソの仲間で熱帯に暮らす種は、南アメリカのオオカワウソなどですけども、ここではコツメカワウソを展示しています。

コツメカワウソは本来、東南アジアを中心とした亜熱帯地方に生息していますが、海遊館では「日本の森」で常設展示しており、今回は「熱帯雨林」でも、とお客様には混乱してしまうかもしれませんね。申し訳ございません。

カワウソ13種類の代表として、コツメカワウソは海遊館で大活躍してもらってます。

さて、企画展示には今年9歳になるツバキと2歳のグミの母娘(写真左:ツバキ、右:グミ)がいます。
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こちらの展示はアクリル製で、お客様にはたいへん近いため、「お客様にも驚くことなく展示できるのは誰?」と考えました。

すると「そりゃー、肝っ玉母のツバキ(現在、「日本の森」の"わんぱくフォー"の母親です)でしょう!」と担当係員の意見が一致しました。

とはいうものの、同居している娘のグミはこれまでもブログで紹介した通り、ひょうきんなコですが、少しびっくりしいの性格。「さて、どうなることやら?」と心配しましたが、すぐに母に習い、ご覧の通りです。
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ぐでーん(★´-ω-)。o○(zzZZ)

グミのもひとつすごいところをご紹介。

母ツバキには自分のこどもの毛を抜くという、よくない癖があります。しかし、ツバキのこどもたちの中で、唯一毛をむしられなかったのがグミです。
ツバキが毛をむしろうとすると、ガッと激怒するため、さすが?のツバキも降参!

強いね、グミみん。王様ゴボウなどはひとりっこというのもあり、思いっきりむしられまくってました。
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こちらは今いじけモードの王様(inバックヤード)

娘が毛を抜かせてくれない(抜かんといて!)ので、仕方なく?自分の背中の毛を抜いていたツバキですが、こちらに来て、いろいろと忙しいらしく、せかせか動きまわり、毛を抜いている場合ではないようで、毛もだいぶ復活してきました。

そんな母ツバキとおもしろ娘グミのコンビをどうぞ間近でご覧ください。


ところで皆様にお願いです!

企画展示に限らず、ガラスやアクリルをドンドン叩くのは生物を驚かせることとなります。叩かずにそっとご覧くださいますよう、ご協力をお願いを申しあげます。

年中除湿機

海遊館では、10台余りの除湿機がバックヤードの各所で働いています。

どこに使っているかというと電気室や配管室に使っています。20140330_1.jpg20140330_2.jpg

「アリューシャン列島」や「日本海溝」水槽などは水温が冷たく、その水槽に面した部屋の壁は室温との温度差で結露が発生します。

その結果、湿気で「ジメジメ」。

湿度は電気の大敵、漏電の可能性も!鋼管は錆びるし、「カビルンルン」で健康にもよろしくありません。

そこで大活躍なのがこの除湿機、一挙に湿気を除去してくれます。
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写真は最近故障した除湿機2台です。購入日を見てビックリ!
平成16年から設定風量「最強」、湿度「30%」で24時間フル回転。ぴったり10年で壊れました。しかも2台ともほぼ同時に同じ部分が壊れていました。

さすが日本のメーカーですね。

ゴマフアザラシのあかちゃん成長記録2014「誕生」

2014年3月4日。
「モンタレー湾」水槽で、ゴマフアザラシのナナが出産しました。

2002年に海遊館で生まれたナナがお母さんになったのです!
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同じ「モンタレー湾」水槽」では2012年にダイヤ、2013年にショウが出産し、かわいいあかちゃん(ラピス・ニコ)が生まれました。
しかし、授乳が上手く出来ず私たち飼育係員が親代わりとなり2頭を育てたのです。

なので今回は担当者一同、なんとしても『ナナに育てて欲しい!』と願っていました。
出産までは定期的に超音波検査で胎児の大きさや心拍を確認し、過去のデータと照らし合わせ出産日を予測。
食欲や胎動など日々の観察も強化し、出産に備えました。

そして3月4日にナナ食欲がなくなり、生殖孔から少量の出血が見られました。
「いよいよ近い。」

そして24時間体勢で観察を開始し、20:46に無事出産したのです。
元気に動くあかちゃん。ひとまずホッとした瞬間です。

そして私たちの心配をよそにナナはすぐにあかちゃんへ近づき「私がお母さんよ。」と言っているかのように我が子に顔を寄せました。
その後、自分のお腹をあかちゃんに見せておっぱいを飲みやすいよう体の向きを何度も変えてあげたのです。
あかちゃんも必死で乳首を探します。
この光景を見ながら「動物の本能ってすごいな。」と改めて感動しました。

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ナナもとっても幸せそうな顔をしていると思いませんか?

ナナは立派にお母さんをやっています。
(←これを書きながらちょっと泣きそうです)

普段はおとなしい性格ですが、今は我が子を守るため体重測定の時など、私たち係員にも威嚇をすることがあります。
なのでなるべくそっと親子の様子を見守ることにしました。

水槽へのデビューは少し先ですがそんなナナ親子を応援して頂けると嬉しいです。
長くなりましたので続きはまた今度。

ゴマフアザラシのあかちゃん成長記録2014お楽しみに☆






以布利だより~磯採集~

海遊館で飼育している生物のために、餌料となるエビの採集に行ってきました。

春の大潮はよく潮が引くので、潮干狩りや採集にはもってこいです。

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以布利港のすぐ近くにある磯です。
干潮の時間に行くとタイドプール(潮だまり)がたくさんできています。タイドプールを覗くと...。

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岩の際にエビがたくさんいます。以布利の磯でよく見られるエビは、スジエビモドキやイソスジエビです。

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ゆっくり網を近付けてすくうと...。

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こんな感じでたくさん捕まえることができます。

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1時間ぐらいでこれだけ採集できました。
採集したエビは梱包され、以布利センターから海遊館へと送ります。

生物の元気な姿を披露するためには、こういった採集も飼育員の大事な仕事もひとつです。

今年は豊作?

「日本の森」で、モモの花が咲きました。

このモモはかなりの老木で、冬になると「もう枯れたのでは?」と心配するのですが、今年も咲いてくれました。

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冬の時期は、枯れているみたい・・・。
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そして、スモモ、こちらは、今満開です!

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モモもスモモも、実は中国原産の樹木なので、「なんで"日本の森"に?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、これらの樹は古くから日本に渡来していたそうで、野生状態になっていることもあるようなのでお許しを。

このモモは結実には至らないのですが、スモモは夏前にピンポン玉大の実をならします。
今年はこんなに花がたくさん咲いたので、豊作じゃなかろうか!とわくわくしています。

豊作だと、あまーい実が収穫できて、リスザルやアカハナグマが喜びます。
決して係員が食べるのではありませんよ。
もちろん毒見はしますけど(笑)。

たくさんなりますように!!

2月は大忙しでした。~前編~

先月2月って、実は「アリューシャン列島」水槽の担当は、とっても忙しい月なんです。

と言うのも、2月はイベントが目白押し!

始めには節分、中旬はバレンタイン♡


と言うわけで、2月のイベントでのパタの様子を前後編
でお送りしたいと思います。

今回は、前編、節分の時の様子をレポートします。

この日、「パタ」にはこんなものをプレゼントしました。

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その名も、恵方巻き氷!!

前回のブログでお伝えした恵方巻きは、まわりにサケのスライスを巻いていて、とても豪華だったんですが、
一度練習でパタに渡してみたところ、見事に拒否されてしまい、
このような、少しシンプルな恵方巻きとなりました(^^;


さぁ、反応はというと・・・
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大喜びで受け取ってくれました♪

ただ、実はこの写真、イベント当日のものではないんです。
というのも、肝心の当日、諸事情により写真を撮れなかったんです(汗)

ってことで、こちらは後日の写真ですが、どうかご容赦を・・・(>_<)
もちろんイベント当日もルンルンで受け取ってくれました☆

恵方巻きは、今年の恵方を向いて食べるというのが慣習ですが、
「パタ」はというと、あっちを向いたり

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こっちを向いたり、

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くるくる回りながら食べていたので、
きっと恵方を向いている瞬間もあったでしょう!!(笑)

さぁ春はもう、すぐそこですね♪
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見れたらラッキー「いいことあるかも!?」

突然ですが、わたしは「○○限定」とか「激レア」とかの言葉にめっぽう弱い人間です。
お菓子の中にハートの形が入ってたらラッキー☆みたいなものも大好物。
パワースポットとかも気になります。
というわけで、海遊館の中でもそんな特別なものがないかな~と探してみました。

ありました。しかも、超レアなものが。
それは一日の中で一瞬しか見る事の出来ない特別な瞬間。
アシカ担当者の私でさえなかなか見たことがない代物です。
え?引っぱりすぎ?
では、ご紹介します。それは・・・
『ルークの寝る瞬間』です。
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「なーんだ。寝顔か。」と思ったあなた。
違います。寝顔ではなく、寝る「瞬間」が特別なのです。

とにかくルークの寝落ちは一瞬です。
15:15のお食事が終わりしばらくすると「オウッ、オウッ」と大きな声で鳴きながら中央の岩場(通称=島)に上がって来ます。
そして先端まで移動すると「オウッ、オウ、ボフッ」と横になり寝ます。
まるで電源スイッチがオフになったかのように。
それはそれはみごとな一瞬の出来事です。
大抵この時間はゴマフアザラシのお食事時間と重なるため、係員はその作業に集中していて見られません。
(よそ見してたら見れるけど。おいおい。)
お客様も同様で「アザラシを見ていて気付いたら、大きなアシカがいつの間にか寝てた。」という方が多いようです。
もちろん日によっては泳いでいたり、水面にプカプカ浮かんでみたりと毎日見られるわけではありません。
だから「ト・ク・ベ・ツ」☆

さぁ、あなたも運だめしで「ルークの寝る瞬間」ゲットしてみませんか?
見れたらラッキー☆いいことあるかも!?

今日は「ニコ」の誕生日!

海遊館の「モンタレー湾」水槽では、本日3月24日に誕生日を迎える動物がいます。

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それは、このゴマフアザラシの「ニコ」。男の子です。

産まれて間もないころから飼育員が親代わりになって育てる、人工哺育で育った為か人間が大好きで、開館前の掃除の時に、この「モンタレー湾」水槽に入ると一番に飼育員を出迎えてくれます。

そして、ニコは本日3月24日、めでたく1歳の誕生日を迎えました!

産まれた時の体重は12kgでしたが、現在52kgと、順調に成長しています。
(ゴマフアザラシは大人になると、体重が100㎏以上になることもあります。)

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まだまだ表情にはあどけなさが残るニコですが、これからも健康にすくすく育ってほしいです!

ケロロの雄姿

海遊館HPのトピックスに「体感!熱帯雨林」 テレビCMのご紹介をのせています。バージョンは全部で4つ。ご覧くださいね。

この撮影に出演しているのは、3月7日号の海遊館日記「一足お先にデビュー」でも紹介した通り、フタユビナマケモノの「ケロロ」♂です。

こちらがケロロ。 

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撮影には、色白の美人でメスの「マロロ」のほうが向いているかな?と事前打ち合わせをしていたのですが、いざ撮影となると、セットへの移動は「断る!(byマロロ)」と威嚇されてしまいましたので、「ケロロ」が1頭でがんばりました。

マロロです。

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ケロロとマロロの違いですが、顔が黒っぽく、体が大きいのがケロロ、顔や全体が白っぽく、体が小さいのがマロロです。丸まっているとなかなか顔は見えないかもしれませんね。

体重でいうと、ケロロは7㎏、マロロは3.5㎏で、マロロはケロロの半分しかないのですが、態度が大きい?ためか、わかりにくいかもしれません。

どうぞ比べてみてくださいね。

見てしまった。。。@@!!!

ぶらぶらと朝の観察をしていると、タカアシガニが何かを持っている。
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ハサミでつまんでいるそれは・・・!?


こないだ展示されたばかりのオオホモラじゃないか?
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ハサミでつまんで、口元に・・・
あーーーーだめだめ!!!

息をのむこの5分ほどの戦い。


結末は...

オオホモラは細長い脚を駆使してタカアシガニをパンチしたりキックしたり。

その激しさにビックリしたタカアシガニは思わずオオホモラを離してしまい、オオホモラは命からがら逃げることができました。

やれやれ、一安心です。

ジンベエザメ用コンテナの修理完了しました

これは、ジンベエザメを収容する吊り上げコンテナです。

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このコンテナは、製作してから20年以上経っていますので、海水による錆や腐食などがみられました。
このたび、それらの修理を行い、綺麗になって戻ってきました。
  
以前、ジンベエザメを輸送する際は、この吊り上げコンテナにジンベエザメを入れて輸送船に積みこみ、海上輸送していました。

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しかし、この方法では輸送時間が20時間以上かかる上、水温の低い時期や海が荒れて船が出ない時には輸送ができません。
そこで新たに製作したのがこちらの陸上輸送容器です。

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陸上輸送容器を使った輸送だと、輸送時間は平均13時間で、船による輸送の半分強で運ぶことができるようになりました。水温が低い冬期にも輸送できます!
陸上輸送の様子は「海遊館チャンネル」から見ることができます。


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「陸上輸送容器があれば、古いコンテナは要らないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、陸上輸送を行う時でも、「太平洋」水槽から地上(輸送用トラック)までは、吊り上げコンテナに入れてジンベエザメを移動しているのです。

このコンテナにはまだ活躍してもらわねばなりません。
 
下の写真の吊り上げコンテナの中にはジンベエザメが入っています。まだまだ現役ですね。

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これからも、頑張ってくださいね。

排オゾン測定、今月も異常なし!

海遊館では、水槽の水をきれいにするため、「オゾン」という殺菌力のある気体を使用しています。

オゾンは「オゾン発生機」で作ります。

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そして、オゾン塔という場所に送り、(図で説明します)

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「散気筒」と呼ばれる白い筒を通って、とても細かいブクブク(泡)になり、水槽の水と接触することで水がきれいになります。

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設備チームでは、この「散気筒」が破損してオゾンが漏れていないかを月1回の頻度でチェックしています。
チェックに使用する機器はこれです。

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これで空気中の「オゾン濃度」を測ることができます。

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もし、オゾンが漏れていればオゾン塔上部の排オゾン濃度は通常より高い値になります。

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今月も、異常ありませんでした。

もし数値が高ければ「オゾン塔」の中に入り、内部及び「散気筒」の点検を行います。

いひひ★

おなじみ、カリフォルニアアシカの「ルーク♂」です♪
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最近覚えようとしているのがこの顔↓
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名付けて「いひひ」

いまは指なしでもこの顔になるようにトレーニング中です♪
完成したら見てね~^^!

お久しぶり、ポメロです!

2014年3月14日から始まった企画展示「体感!熱帯雨林」。

今回、熱帯雨林の樹冠に暮らす生き物の代表として、リスザル(ポメロ)が再登場です。

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2012年8月14日に産まれたポメロは、母親の授乳がみられなかったことから人工保育をしました。

詳しくは、当時の「海遊館日記」をご覧ください。

「ぼくポメロ」

「リスザルポメロの成長」


産まれて3カ月ごろに、期間を限定してご覧いただきましたが、今回はそれ以来の展示となります。

これまで担当係員ぐらいしか見たことのなかったポメロ、たくさんのお客様に囲まれ少し戸惑っているようです。

特に小さなこどもさんや若い?女性に非常に反応しています。

展示にあたり、タオルをどうするか悩みましたが、落ち着くまではタオルが手放せないようです。

展示内にはいろいろな仕掛けがあり、リスザルのジャンプ力や手の器用さなどをご覧いただけるのではないでしょうか。


それにしても、生まれた頃の写真を見ると「大きくなったなあ」と思いました。

いつも見ているとわからないものですね。

新イワトビペンギンがやって来ました♪

3月某日、新しいイワトビペンギンを搬入しました。

航空機を利用し、空港から海遊館までは車で運びます。もちろんペンギンのために車内は冷房ONで走行。

関西空港から海遊館までは約40分。飼育係員は「寒い寒い」を連呼しながら、耐えなければいけません。

猛烈な尿意に襲われたものの無事、海遊館に到着。
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すぐにペンギンの状態を確認します!

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扉を開けてもペンギンが逃げないように、飼育施設内に容器ごと入れ、扉を開放。

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ペンギンたちの元気な様子を見て一安心。
容姿もグッドルッキングですね♡

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数週間、予備水槽で飼育し健康状態をチェックします。

4月中旬には皆さまにお披露目できると思います。お楽しみに♪

ペンギン達、長旅お疲れ様でした。もりもり餌食べて下さいよ~☆

チリモンではなく、アジモン?

朝の海遊館のキッチン(調餌室)はおおいそがし!1日分の餌の準備があわただしく行われています。

そして、これからお話するのは、私の最近のブームのお話。。。

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それはアジを選別する作業。というのも、いきなり生き物に与えることができる状態ではありません。10㎏とか15㎏とかのブロックの状態で冷凍されたものを解凍するんです。

ちょうどこれがアジを選別している係員。餌として使える、身がしっかりしたアジ・一部が割れてしまったり欠けてしまったアジ・そして、その他の魚種に分けます。

そう、最近のアジの選別は「その他の魚種」がおもしろい!

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まずは、下がスタンダードサイズのアジ。上は、でかっっっ!!! うまそう。

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ネンブツダイの仲間?

なんじゃこりゃ?
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チリモン(チリメンモンスター)でおなじみのエソ。チリモンではお腹の部分に黒い点々がありますが、成魚では黒い点々はなくなるんですね~。

このなかでも、大ヒットはこれ! でーーーーーーーーん!!!!!!!!
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サワラ!握っている私の手と比べて下さい。

でかい~~~!! ばりキレイ! 感激☆

なんですけど、まじりもんは餌として使いません。・・・それにしても、これでアジ何尾分?

初めてのパパとママ

昨年12月末に産まれたコツメカワウソのこどもたちの両親についてお知らせ!

こちらは1月3日の写真です。

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両親とも初めての子育てですが、かいがいしく世話をしておりました。

ママはこちら。
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アヤメです。浜松動物園からブリーディングローンでお借りしているので、すぐに連絡しました。

先日、担当の方が会いにきてくださって「少し、おしとやかになったんじゃない?」との言葉をいただきました。こどもたちにやさしく、係員には厳しいよいお母さんですよ!


では、アヤメのお相手は?というと、昨年4月12日号の海遊館日記「王子改め...」でもお知らせしておりましたが、王様ゴボウなのです。

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ゴボウは先日3月7日が3歳の誕生日でしたので、2歳と10カ月で父親になりました。

ちょっと早すぎない?と思って他園館の記録を調べると、上には上がいるもので、1歳5カ月でパパになった個体もいました。しかし、初めて父親になる平均年齢は4歳とのことですから、早いほうではありますね。

ヤンパパじゃん、ごぼちん。

最初は突然?現れたこどもたちに戸惑い気味の王様でしたが、徐々に慣れ、こどもたちのお尻をなめたり、曾祖母の故カエデから代々引き継がれる「仔洗い」(まだ目も開かないこどもを水に浸ける行為です)をして、アヤメに怒られたりしておりました。

しかし、たいへん残念なのですが、次の繁殖を抑えるために、ゴボウはこどもたちの離乳が終わった先日、親子から隔離しました。

下の写真は目が開き始めた30日頃のこどもです。

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現在はアヤメがこどもたちの世話に孤軍奮闘中です。


こどもたちには、離乳訓練で魚のミンチを与えていたんですけども、それには反応せず、訓練を始めてから半月後、突然アヤメの食べている餌を奪い、そのまま成獣と同じ丸の魚を食べるようになりました。

えーと、訓練はなんだったのか?

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そういえば、ゴボウもミンチではなく、母のツバキの食べ残したペレットに反応したよなあ...。そんなとこが似たとは(笑)。

こどもたちは泳ぐことができるようになったら、皆様にお目見えできるかと思います。

今しばらくお待ちください。

イルカ通信3月号~平和な日々~編

最近のカマイルカたちは平和です。

いっつも頑張っているミュー。
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ぅぉりゃー!
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ミューは人との距離が近すぎるタイプなんです。。。
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それを横目に見つめるアクア。
少し大人びてきたように思います。
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アクアの乳母のルーシー。
暖かくなった頃にみなさんにお目見えする予定です。
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イルカたちはネタが無い!とは言いません。
平和なんです。

予備水槽で暮らすイルカたちの近況でした。




ワークショップ「プラバンでキーホルダーを作ろう!体験」 を開催します!

3月14日から企画展示「体感!熱帯雨林」が開催されることを記念し、3月21~23日の3日間「プラバンでキーホルダーを作ろう!体験」を実施します。
では、その準備をしている所を見てみましょう!!

じゃらじゃらじゃら~♪ なにやら色々なパーツを組み立てているみたいです。

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ほう、熱帯雨林をイメージして花と葉のパーツを使っているのですか!ひとつひとつ手作り!肩が凝りそうな作業ですね...。

そしてこれをプラバンと一緒に付けて完成~!
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プラバンには「熱帯雨林」にちなんだ生き物や好きな生き物の絵を描いて頂けます。

おひとりさま500円(海遊館入館料が別途必要)で、どなたでもご参加頂けますので、ぜひ3連休は海遊館にお越し下さい♪

チカとのおもいで

このたび、カリフォルニアアシカの「チカ(♀)」が、海遊館から千葉県にある鴨川シーワールドへ嫁ぎました。

初めに出会ったチカは、1歳のまだまだ赤ちゃんの雰囲気が漂う、ぷっくりとしたあいきょうのある子供でした。

あれからもう何年たったでしょう。もうチカもおとなのアシカの仲間入りを果たす年齢が近くなりました。

チカは「モンタレー湾」水槽のボスアシカ「ルーク」と血縁関係があるため、一緒の水槽で暮らすことが出来ません。

また、水族館の役割として、飼育するだけではなく、その生き物の血を途絶えさせないための取り組みを行わなければなりません。

そのため、チカをお嫁に出すことになりました。

そんなチカとの思い出を絵に描いてくれた飼育係員がいましたので、アップします。

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チカ、会いに行くから元気でね~!!!泣




ありがとう

TV番組や海遊館の情報紙などでも公開されましたので、すでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、昨年末にコツメカワウソのこどもが誕生しました。

12月28日の夜、遅番の係員が19時過ぎにカワウソの予備室前を通ると、「ひゃあー」という陣痛の声がしたとのことで、担当を招集。

20時頃に部屋の前に行くと、「ぴーっ」という赤ちゃんの鳴き声がして、担当全員で「ばんざーい!」

それから陣痛の声がしたり、やんだりでしたので、あとは両親に任すしかない!と担当は帰宅しました。

次の朝(29日)、親たちが餌を食べている間に確認すると、赤ちゃんが4頭。50g前後の体重でしたが、1頭だけ40gに満たない仔がいて、「うーん、小さいなあ...」と思いました。

そして、さらに次の日(30日)、また仔を確認すると、小さかった仔は残念ながら死亡していました。

少し気落ちしつつ、他の体重を測ろうとすると、あれ???なぜか仔が4頭います。どうやら、前日、確認した後にもう1頭産まれていたのです。その仔はとても大きく、前日産まれたのはすべてオスだったのですが、このコだけメスでした。

コツメカワウソの出産にかかる時間は、産む頭数にもよりますが、これまでだと4頭で約半日とか、第1仔の出産から第3仔までで10時間というのがありました。今回は5頭で、第5仔の出産時間が不明ですが、半日以上かかっているのは間違いありません。

万が一、母親のお腹に仔が残ったままで、自力で出産することができなかったら、赤ちゃんだけでなく、母親も命を落とす場合もあります。コツメカワウソのように出産頭数が多い場合は、そこをどう判断するかが難しいところです。

今回の出産では、母親が12月29日の朝、しれーっと餌を食べており、陣痛らしき様子も確認していなかったので、まさかもう1頭いるとは思ってもみませんでした。

油断してはいけないと反省するとともに、無事に最後の仔を産んでくれてありがとう、と心から思いました。

さて、次回のブログではこの仔たちの両親についてお話しますね。

写真は1月3日に撮影したこどもたちです。
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一足お先にデビュー

3月14日から海遊館エントランスビル4階の新体感エリア・特別展示室にて「体感!熱帯雨林展」が始まります。

現在、急ピッチで準備が行われておりますが、先日、海遊館テレビCMの撮影のため、海遊館では久々の展示となるフタユビナマケモノが、どの生物よりも一足先に企画展事室にデビューしました!今回はそのナマケモノの「ケロロ」(♂)と「マロロ」(♀)についてご紹介します。

CMに出ることになったケロロは、スターばりに多くの撮影スタッフに囲まれ、長時間に及ぶ撮影を頑張ってくれました。その間、マロロには新しい展示場の居心地を確かめてもらうことに...

まずは木の枝をスルスルと渡り、一番高いところへ!と思った矢先、後ろ足だけでからだを支えて宙ぶらりん♪

「うん、なかなかイイ眺め!!」
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「ちょっとマロロー!落ちないでよ!」 我々の心配を無視してマロロの冒険は続きます。

続いての気になるポイント発見。
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今度はどうやら天井にある空気の出入り口が気になるようです。マロロの毛がさわさわなびいています...

「マロロー!そんな顔面に風を浴びて息苦しくないのー?!」

途中、ここにぶら下がっちゃったりなんかして、みんなをひやひやさせてくれましたが、なんとか下の世界に戻ってくることができ、リンゴを食べて機嫌を取り戻してくれました。
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そして無事に撮影も終わり、ほっと一息休んでいるケロロのところへ、待っていましたと嬉しそうに近付いてきたマロロ。なんとケロロの真上に乗ってしまいました。
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「ケロロ、疲れてるのに尻に敷かれてかわいそう...」

いえいえ、これもナマケモノ流の愛情表現なのかもしれません。

兎にも角にも、ナマケモノという生き物は不思議がいっぱいです!!動かない?のにずっと見てても飽きません。

皆さん、是非この機会に「熱帯雨林展」に遊びに来て下さいね。ナマケモノの他にもたくさんの魅力的な生き物たちが出迎えてくれます。

お待ちしてまーす!!ケロロ・マロロより

省エネルギーの取り組み

今回は、海遊館の省エネルギーへの取り組みを介します。

対象は水量100㎥の予備水槽で使われる電気です。

①予備水槽.JPG

結論から言いますと一般家庭(約10kwh/日として)に換算すると約18軒分の電気使用量を削減することができました!

【省エネルギーの方法について】
水槽の水を綺麗にするため、ろ過器やオゾン塔などに水を送り、循環させています。
この時、ポンプをモーター(電気で動く)で動かします。

②ポンプとモーター.JPG

循環させる水の量は、弁を使って調整します。流量調整弁と呼んでいます。

もし、弁が少しでも閉まっていれば、水の流れの妨げとなり、エネルギーのロスとなります。
また、弁を全開にすると流れが速すぎたり、故障の原因になります。

そこで電力削減装置の登場です!

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モーターの出力を調整することで、流量調整弁を全開(ロスがない)にした状態でも、送る水の量を適正に保つ装置です。

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以前の流量調整弁は、ピンク色のマーカーの位置でしたが、今は全開。

残念ながら全ての水槽で同じことが出来るわけではありませんが、これからも安全、生物の健康に配慮しながら、省エネにも積極的に取り組んでいきたいと思います。

深海からのお届け物

今朝、荷物が届きました~。
さあ、ビニール袋に入っているものは何でしょうか????
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答えは、この方たちです(^◇^)

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関東以南の水深80~200mの海底に生息しているオオホモラ。

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一番後ろの脚が、背中側に折れ曲がっているのが特徴的。
この脚で海綿などを背負い、身を隠すとても賢いカニです。
 
そして!忘れてはいけない、もう一つのチャームポイントが鋏脚(はさみあし)!!
先だけが黒く、まるで綺麗なマニキュアみたいなんです。
 
甲長5~6cmと聞いてたので、展示できるのは少し先になるかな~と思っていましたが、とても元気で立派な大きさだったので(送っていただいた皆様ありがとうございます♪)
さっそく「日本海溝」水槽へ展示しました~\(^o^)/

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タカアシガニやカサゴとのコラボ☆
あ、けっして、遠近法を使って大きく見えるように撮ったわけではないですよ。ヽ(^。^)ノ

イワトビペンギンの繁殖準備を始めました。

バックヤードの予備水槽で飼育中のイワトビペンギンの繁殖準備を始めました。

今までアデリーペンギンと同居していたため、設定気温は5℃。イワトビペンギンを繁殖させるためには、気温が低すぎるため、今日から少しずつ気温を上げなければいけません。ちなみにアデリーペンギンは気温の低い南極大陸水槽へお引っ越し。。。

今日は設定温度を5℃から8℃へ変更しました。そしてイワトビペンギンたちの行動を観察するため、少しだけ巣材を投入!
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ペンギンたちは、待ってました!と言わんばかりに営巣を開始しました。
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巣材は沢山あるのに、なぜか取り合いになる始末・・・。何が違うんでしょうか(笑)
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♂♀協力しながら巣を作ります。

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3月中旬~下旬までに約20℃まで気温を上げてあげます。頑張って立派な巣を作って欲しいですね。

近々、新体感エリアの「フォークランド諸島」でも繁殖準備開始予定。

今後もイワトビペンギンの繁殖の様子は随時報告します♪

お楽しみにぃ~♪♪♪


データ、取ったどぉ~!!ジンベエザメの調査研究 編

海遊館は「博物館相当施設」に登録されています。

博物館の役割は"資料収集・保存"、"調査研究"、"展示"、"教育普及"といった活動なのですが、「博物館相当施設」の海遊館も、これらの活動を行っているわけです。

さて、今回は"調査研究"のお話です。

実は、ほとんど誰にも言っていないのですが(秘密にしていた訳ではありません・・・)、「ジンベエザメの回遊経路調査」というものを行っています。

どんな調査かと言いますと、野生のジンベエザメに小さな発信機を取り付けて、「ジンベエザメがどこを泳いでいるのか?」を調べる研究です。

しかーし、これがなかなか難しいんですね。発信機を取り付けても肝心なデータが回収されないことが多いのです。

今まで2回取り付けましたが、見事にデータが回収できませんでした。
ちなみに発信機はウン十万円くらいする高価なものです(泣)。

昨年(2013年)の夏、再びチャレンジしました。
高知県にある、海遊館の研究所のすぐ近くの定置網に迷い込んだジンベエザメに発信機を取り付けました。

取り付ける発信機は、こんなんです。
140226_01.jpg

で、これを
140226_02.jpg

こんな感じに背鰭(せびれ)に取り付けます。

背鰭に金具を取り付けて、そこに発信機を付けるわけです。「痛そー!」と思われるかもしれませんが、大きなジンベエザメにとっては、皆さんが耳にピアスをつけるのと同じ程度です。

で、放流しました。
140226_03.jpg

発信機は、水温、水深、照度(明るさ)を測定します。

照度データは、「何時に明るくなったのか?」「何時に暗くなったのか?」「1日のうち何時間明るいか?」ということから、どこを泳いでいるのか?というのが計算できます。

じゃあ、どうやってデータを回収するのでしょう?

この発信機、はじめに設定した期間が経過すると、外れて水面まで浮かんでくるのです。そして水面に上がったら、アルゴス衛星という衛星にデータを送信して、その衛星が基地局にデータを転送して、海遊館のパソコンにデータが送られてきます。

こんな感じ(絵心ないです)。

140226_04.jpg

今回はジンベエザメ放流後30日経過したら、発信機が切り離されるように設定しました。
 
そして30日経過しました。
データが回収されているか、アルゴス衛星のHPをチェックします。

心臓ドキドキです。

なんせ、発信機がウン十万円しますので。
上司からも、「次はデータ取れるよね?」というプレッシャーが。
過去2回の失敗で、すでに心が折れそうです・・・。


ヨッシャ!(変に気合を入れて)
Data Accessボタンをポチっ!

140226_05.jpg

なんと、無事にデータ回収出来ていました!
3回目にして、よーやくです(号泣)
もちろん速効、上司にも報告しました(笑)

で、肝心のデータなのですが、僕たち素人ではまとめられないので、海遊館と共同研究を行っている、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター・共生生態系保全領域の宮下教授グループにお願いしました。

さて遊泳経路ですが、

140226_06.jpg

日本を横断しちゃってます(笑)
はい、ロシアまで上陸してますねぇ。

これは照度で位置情報を推定するため、どうしてもバラツキがあるんですね。

でもご安心を。
フランスの会社に頼むと、完璧なデータに仕上げてくれます。

仕上がったデータは、これです。

140226_07.jpg

なんと、高知県の土佐清水を出発したジンベエザメは、1カ月間かけて、伊豆諸島を通り越して、千葉県沖400kmくらいまで移動していたんです!

この経路を見た時は、すごく感慨深いものがありました(プレッシャーに打ち勝ったからという意味ではないです)。

さらに面白いデータが。
 
140226_08.jpg


これは、何メートルまで潜ったかを表しています。

なんと、最大632mまで潜水していたんですね!
水深632mの水温は7.1℃。

ジンベエザメは温帯性のサメですので、私たち飼育係はジンベエザメの飼育水槽の水温を20℃以下にはしないんですね。なのに7.1℃という極寒の深海まで潜っているわけです。

海外の研究では、ジンベエザメが1,000m以上まで潜水することが知られていますが、なぜそんなに深いところまで潜るのかは、まだ分かっていません。

これからも海遊館は、野生のジンベエザメの行動・生態を調査研究して、少しでもジンベエザメの秘密を解き明かしていきたいと思います。

今年もデータ取ったるどぉ~!!!

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