「パナマ湾水槽」のアカハナグマ、昨年の9月6日に生まれた子ども3頭のうち2頭が、長崎県にあるバイオパークさんへお引っ越しすることが決まりました。
母親の「アズキ」がバイオパークさんからブリーデイングローン(繁殖貸付)で当館に来ているので、こどもは互いに相談して所属を決めるのです。
そこで、海遊館に残る1頭の「パプリカ」を、お母さん以外の成獣と仲良くしてもらおうと、9月7日から同居を開始しました。
具体的には、「パプリカ♀(子)」+「アズキ♀(パプリカの母)」+「トマト♀(アズキの姉で子ども嫌い)」+「イチゴ♀(パプリカたちが生まれた時に同居したことあり)」です。
私の思惑としては、「アズキはきっと他の成獣がパプリカを襲った時には体を張って守ってくれるだろう...」「イチゴは昔同居していたこともあるので、おそらく時間が解決してくれるだろう...」ということでした。
ただ、問題は「トマト」。なんといっても「こども!!ウザい!」と思っているような態度が以前見られましたので...。
そんなこんなで、同居を開始してわかったこと。問題は「トマト」だけではなかったのです。
なんと!「アズキ」母さん、あんなに子育てを頑張って溺愛していたのに、「パプリカ」をあっさり裏切って?成獣同士仲良くしているではありませんか。夜寝る時も成獣3頭はくっついて眠り、「パプリカ」は入れてもらえません。
餌の時間、成獣3頭が餌場を陣取り、「パプリカ」が恐る恐る近付くと、気づいた「アズキ」が威嚇して追い払う!それでも、「パプリカ」は徐々に距離を縮め、果敢にも餌をゲットできるようになっていきました。
そして、同居開始から1ヶ月ちょっと経ったある日、同じく餌の時間に成獣3頭の総攻撃にあい、やむなく「パプリカ」はバックヤードにいる、お引っ越し予定の「アセロラ」と「ローズ」の所に収容しました。
こちらが「アセロラ」。
「ローズ」です。
こちらが移動した後の「パプリカ」。へこんでいます。連日睡眠不足だったのでしょうか。
自分のきょうだいの元に戻るとほっとしたようで、現在は体調も回復しています。
しかし、来月には「アセロラ」たちはいなくなってしまいますので、この先、来年の繁殖シーズンに♂の「リンゴ」と成獣の誰をペアリングするかを考えつつ、「パプリカ」と成獣同居のタイミングをはかっていきたいと思います。