明日(9月1日)で終わってしまいますよー!
- 2013.08.31
- 魚類担当
土佐清水市以布利周辺の港では、この時期、大発生をする生き物がいます。それが、写真のタコクラゲです。
視界いっぱいに広がるタコクラゲですが、実は港の中すべてに広がっている訳ではないのです。
近くに川があったり、潮の流れが穏やかな港の奥だったりとタコクラゲたちのお気に入りになる条件があるようで、条件を満たした場所に集まってきています。
そのため、少し離れるとタコクラゲの数はまばらになります。
採集のため、何度かこの中に入って泳いだことがありますが、あまり毒は強くないようで、少々ピリピリする程度でした。
もちろん個人の体質もあるので、一緒に泳ぐことはお勧めできません。
大発生は8月9月にピークを迎え、涼しくなっていくにつれて、徐々に数を減らしていきます。
毎年、このような生き物の営みが観察できる以布利周辺は自然が豊かだと実感できます。
お客様にいつまでもタコクラゲをご覧いただけるように、この環境を保全していきたいなぁと思います。
先日ご紹介したコツメカワウソのニッキ、オリーブ(8/7号)、リスザルのポメロ(8/14号)に続き、8月に誕生日を迎える方々がいます。
それは、「日本の森」のコツメカワウソ、わんぱくフォー。29日で4歳になります。
男ばっかりの4頭なので、いつかは闘争して離ればなれになるのだろうと思っているのですが、精神的に幼い?のか、小競り合いはありますが、まだ皆仲良しです。
先日、前の日に遅番(お昼から出勤し、閉館作業をします)だった係員から、「カワウソを寝室に入れる時、1頭がこの世が終わるような声をあげてたんですけど、なんですか、あれ?」と言われました。
「えっ、何それ??」そんなの初めてです。
もしかして、その係員がなんか嫌なことしたのかな?などと思っていたら、周りにいた別の2人も「私の時もそうでした」「私の時も!」と口々にいうのです。疑ってごめんよ、最初の人。
詳しく聞くと、カワウソを寝室に入れるため、ドンゴロスを持って入室する→1頭が鳴き叫びながらドンゴロスにひしっとしがみつく→カワウソがひっついたままのドンゴロスをひきずりつつ、寝室に入れると、ドンゴロスでがしがしと体をふく→気がすんだら、寝室を出て行く(出たらアカンがな!)、とのこと。
私が遅番の時は、そんなのないしなぁ...。だいたい、そんな絶叫するのは誰??と、他の係員にもリサーチすると、元カワウソ担当曰く「あー、それはシュロです。自分の時も絶叫してました。何かたががはずれた感じ??」とのこと。
4兄弟の中で一番きかんぼうなシュロ。「もう、体ふくんだから早くドンゴロス入れてよ!」ってこと?わかりませんが、みんなが驚くからやめてほしいな。
とにもかくにもみんな誕生日おめでとう。担当のおじさんにプレゼント頼んどいたから当日はお楽しみにね。
「ふあふあクラゲ館」は、幻想的な雰囲気で人気のあるコーナーです。
この展示を陰で支えているのが、"クラゲ飼育水製造装置"です。
この装置は天然海水から汚れや雑菌を取り除き、最後に水温を調整してクラゲ水槽へと送ります。
装置の中には"膜ろ過"というものが入っています。下の写真が膜ろ過ユニットで、灰色の筒の中に膜ろ過が入っています。
膜ろ過は、白くストローのようでユニットの中に何本も入っており、その表面には目に見えない小さな穴が空いていて、その穴より大きなものは通る事が出来なくなっています。
クラゲの体は90%以上が水分です。水の良し悪しが健康に直結するため、このような装置が必要なのです。
海遊館の「太平洋」水槽では様々なエイを飼育していますが、エイの尾のトゲ=尾棘(びきょく)を皆さんご存知ですか?
尾棘とは毒針の事です。尾棘の無い種もいますが、マダラトビエイ、アカエイなど海遊館で飼育している多くの種類のエイは尾棘を持っています。
下の写真を見ていただくとわかるように、尾棘の先は尖り、端はのこぎり状になっています。
尾棘が刺さると毒が注入され、強く痛みます。私も過去に刺されたことがあり、幸い大事には至りませんでしたが、毒で激しく痛みました。
また、毒だけではなく、のこぎり状の部分で皮膚が切れたりすることもあります。
このブログをご覧の皆さま、決して不用意にエイを触ってはいけません。大変、危険です!
「太平洋」水槽にいるエイたちをよーく観察すると、同じ種類でも尾棘があるものとないものがいます。これは海遊館にエイを運ぶ際に、狭い輸送水槽内でエイ同士が刺し合わないよう、尾棘を折ってしまうためです。
それでは、なぜ、尾棘のあるエイがいるのでしょうか? 実は尾棘は少しずつ伸びてくるのです。搬入して時間が経ったエイの中には立派な尾棘があるものも。
上の写真のホシエイには尾棘はありませんが、下の写真のホシエイには尾棘があります。
そんなエイたちですが、触わることができるのが「新・体感エリア」の「モルディブ諸島ゾーン」にある エイとサメのタッチプール水槽です。
この水槽のエイはすべて定期的に尾をチェックしているので安全です。
しかし、尾棘以外にも尾の周りには堅い部分があったり、また万が一のこともあるので、エイを触る時には背の中央部のみを触ってください。
そして、やさしく触ってくださいね。
先日「モンタレー湾」水槽へデビューしたゴマフアザラシのニコちゃん。新しい環境にも慣れてきて毎日元気に過ごしています。
海遊館のゴマフアザラシたちは、通称「アザステ」と呼ばれる陸に上がってごはんを食べます。
ですが、この場所は水面より少し高い位置にあるため、体の小さなニコちゃんは上陸することができませんでした。
そこで、まずはアザステより低い陸でごはんを食べる練習をしました。
毎夏恒例のビゼンクラゲ採集に有明海まで行ってきました。
有明海沿岸ではビゼンクラゲを食用にしていて、専門の漁師さんが漁獲をしています。
毎年漁師さんにお願いして船に乗せてもらうのですが、今年はちょっと様子が違いました。海上は船だらけ。いつもは静かな有明海なのになんですかこれは。
漁師さんに聞くと、すべてクラゲとりの船だそうです。最近急にクラゲをとる漁師さんが増えたのだとか。中華料理の加工用に需要が増えてクラゲの値が上がったり、他の水産物がとれなくなってクラゲ漁に転向してきたりと、いろいろ理由があるようですが、海上に船がひしめき合っている光景はにぎやかというよりは何だか不安な感じが否めませんでした。
それはさておき、当面の心配事は、今日はクラゲ採れないんじゃないかと。これだけ大勢で採っていればもういないかも。出張で有明まで来て、手ぶらで帰ったらおこられる~
しかし、我々がお世話になっているベテラン漁師さんはにわかクラゲ漁師の合間をぬって見事に美しいビゼンクラゲを見つけてくださいました。さすが。