白い魚塔(第1回 採材)
- 2013.07.29
- 魚類担当
皆さん、こんにちは、財前魚朗です。
海遊館には620種、約30,000匹の生き物たちが暮らしていますが、そのほとんどが魚です。魚の飼育担当者は、魚たちが病気にならず快適に暮らせるために、努力しています。
しかし、魚も生き物です。病気になります。
海遊館に来られた方々へ自然の大切さを伝えるために、彼ら魚たちは海遊館にやって来てくれているので、もちろん出来るだけのケアーを我々は行います。
まず病気になったら、その原因を調べます。つまり検査するわけです。
最も良く見られる症状としては、皮膚、鰭(ヒレ)、鰓(エラ)に異常があるケースです。そんな時は、その部位からサンプルを採取します。
皮膚に潰瘍なんかが出来ている時は、カバーガラスを使ってその部位の粘液を採取します。
鰭がボロボロの時とかは、先っちょをハサミでカットします。
鰓の色が悪い時なんかも、同じく少しだけ鰓をカットします。
で、採取したサンプルを顕微鏡で観察すると、原因が分かるときがあります。例えば、これ。
皮膚に寄生するトリコジナさんです。皮膚をボロボロにしてしまいます。
これは鰭に寄生していた超極悪寄生生物、クリプトカリオン・イリタンスさんです。いわゆる「白点病」という病気をおこし、治療しないと死亡することが多いです。
鰓にもいろいろ寄生します。例えばこの虫。
多後吸盤類さんです。鰓から血液を吸いつくす吸血魔で、魚はド貧血になってしまいます。
こんな感じで検査しますが、他にもいろいろな検査方法があります。
次回、白い魚塔(第二回)は、魚のレントゲンについてです。
それでは、今から総回診に行って参ります。