海遊館日記

2013年5月

みなさん、海遊館アカデミーってご存知ですか?

海遊館では、教育普及プログラムの一環として、「海遊館アカデミー」という生き物のことや私たち飼育係の仕事を紹介する約30分間の講座を行なっています。

現在のプログラムは4つあり、好きなテーマを選んでいただいています。
・ジンベエザメ
・飼育係の仕事
・海遊館の動物たち
・海遊館で学ぶ生物多様性

今回は海遊館アカデミー ~ジンベエザメ~ の様子をチラリとご紹介!


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アカデミーは海遊館ホールという200名も収容できるホールで、大きなスクリーンを見ながら進めていきます。

お話をするのは、なんと飼育係員!!お話のプロではありませんが、その分、味のある話が盛りだくさんです。


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ちなみにステージで話してるのは私です(笑)アカデミーデビューして早3年。やっと少し慣れてきて、緊張せずに話ができるようになってきました。

私が手に持っているのは『ジンベエばおり』です。ジンベエザメの名前の由来になった羽織着を紹介してます。

私一人が喋っていてもつまらない(?)ので、アカデミー中はお客様にクイズを出したり、質問したり、実際にステージに上がってもらったりもします。


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子供がたくさんステージに上がっていますよね。何をするかっていうと・・・


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鯉のぼりならぬ『ジンベエのぼり』を広げてもらいました。このジンベエのぼりは10m!!ジンベエザメって本当に大きいんです!!

このあとも、餌の話や健康管理話などを紹介しながらあっとゆう間に30分が終わってしまいます。

海遊館アカデミーの詳細は↓からご覧いただけます。ぜひ、ご参加ください♪
https://www.kaiyukan.com/guides/programs/academy/


《海遊館アカデミーのもうひとつの楽しみ方》

アカデミーは同じテーマでもお話をする飼育係によってちょっとずつ話題や小ネタが違います。そんな違いを探してみるのも楽しいかもです。

年齢に合わせて変えたりもしているので、一度参加した方もきっと楽しんでいただけると思いますよ!


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↑ 幼稚園さん向けバージョン

 

 


 

ラピスの得意技

ゴマフアザラシのラピスにはたくさんの得意技があります。

その得意技の一つがこれです。

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なんと、指を差した方向にゴロンっと一回転が出来るのです!(親バカ気分まるだしです)

写真ではラピスの左側を指差していますが、反対方向を指差すと、そちら側にも回ることが出来ます。(親バカと言われても構いません...事実なんですから)

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お次は飼育係員にお腹を見せながら握手!これ以外にも、まだまだたくさんの技を持っています。

ラピスはまだ一歳なのですが、先輩アザラシ達にも負けない技のレパートリーを持っています。

実は私たち飼育係員はこうした動物の動きを毎日観察して、その動物の健康管理に役立てているのです。

「日本海溝」水槽に仲間が?!

タカアシガニを展示している「日本海溝」水槽ですが、実は3つの部屋に分かれており
深海コーナーの通路からはミズダコやナヌカザメをご覧いただけます。
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そしてそのお隣の部屋に仲間が増えました(^-^)
アカイサキです。
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アカイサキは本州中部以南の深い岩礁に生息します。
名前に「イサキ」と付きますが、実はハタの仲間なんです。
大きな個体は、ハタ科の魚に特徴的なぷっくりとした魅力的な唇をしていたり(*^ε^*)

さらにアカイサキはメスからオスに性転換する種で、体の模様も変わります。
ちなみに上の写真はメスです。

水槽には雄と雌のアカイサキを展示しているので、比べてみてください!

ナミちゃんの鼻ちょうちん

おや、アシカのナミちゃんが何かしています。

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鼻ちょうちん!?

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あ~つぶれちゃった。

 

アシカたちやイルカたちは、水中で泡を出していることがあります。

リラックスしているときに見かけることがありますよ。

泡で遊んでいるのでしょうか。そのあとも、しばらく泡を出してはつぶしていました。

 

同じ日に撮れたラピスの写真もついでに・・・

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カメラ目線、決まってます。さすが、モンタレー湾水槽のアイドル★

水深が深いので色が消えてしまったのが残念!!

繁殖準備が始まっています!

「南極大陸」水槽では、ジェンツーペンギンとアデリーペンギンが繁殖期に入っています!
この時期になるとオスメスでペアを形成し、営巣を開始します。

海遊館では巣材に玉砂利を使用しており、毎年数百キロを水槽内に投入しています。

ペンギン達はそれぞれ好きな相手と好きな場所を選びます。
まぁ大体、毎年同じペアで同じ場所なんですけどね。
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問題はアデリーペンギン。
この時期は縄張り意識が強くとても凶暴。
巣に近寄るものは人であろうが、餌バケツであろうが全力で攻撃してきます。

ですので、この時期は、まともに掃除もできず、巣の周辺は糞まみれなんです。

順調に行けば夏頃には産卵があるかもです。
この時期の「南極大陸」水槽は要チェックですよ!!

踏んじゃイヤ!

ゴールデンウィークが終わった、7日の朝「日本の森」で植物を見ると、ちょっとかわいそうなことになっていました。それは...
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「日本の森」コーナーの左手にヤマアジサイが植えてあるのですが、よく見ると枝がポッキリと折れていました(涙)

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葉が踏まれたようす(T_T)

幸い3か所だけだったので、アジサイにはほとんど影響はなさそうですが、踏まないでー!!

 

それから半月たち、無事花が咲ました。
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よかった、よかった。

トレーニング中

カリフォルニアアシカの餌やりの時間には、ただ単に餌をあげるだけではなく、いろいろなトレーニングを行います。

トレーニングを行うことで、日常生活に刺激をあたえることができ、より健康に飼育できると考えています。

今回は、「リップ」というアシカが現在行っているトレーニングを紹介します。

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これは口角を上げて「笑顔」ができるようにトレーニングをしているのですが、まだニヤついているようにもみえます。

これ以外にも、他のアシカたちが色んなトレーニングをしていますので、探してみて下さい。

リップの「笑顔」は、早く皆さんにご覧いただけるよう、リップともども日々のトレーニングを笑顔でがんばります。

成長しました

先日、「瀬戸内海」水槽のマダコハウス?についてのブログをお知らせしましたが、今日見ると、こんなお方が入室中でした。

写真があまりよくなくて申し訳ないのですが、コブダイです。

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コブダイはその名の通り、頭にコブがありますが、立派なコブをもつのはオスです。

ベラの仲間で雌性先熟する魚なので、こどものころはすべてメス、成長すると群れの中の一番強いものがオスに性転換するといわれています。
この個体、まだ、コブが大きくないのでまだメス?ただし、「瀬戸内海」水槽には、今のところ、この1尾しかいないため、はたしてオスになるのかなあ? と思っています。

このコブダイ5年ほど前は、全長は20㎝ほどで、このような姿でした。

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コブダイは幼魚と成魚とでは模様が異なるのです。今は約50cmで、すっかり成魚カラ―になりました!

コブダイはマダコハウスにいたり、岩陰にいるので、なかなか全身が見えにくいかもしれませんが、もし姿を見たら、こんな小さい頃があったことを思い出してくださいね。

ワモログ☆その4

ワモログ更新します。
本日登場するワモさんは「ユキ」ちゃんです。
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推定年齢4歳のメス。体重は44kgぐらいで、アラレやフブキより小さな体をしています。
 
ユキちゃんは名前の通り雪が大好き。雪山を見つけるとまず顔をつっこみます。

『ズボッ』
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そして前肢で雪をかいたり、ゴロゴロ転がって楽しみます。
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テンションがあがりすぎて体についた雪がコロッケみたいになってます。
激しく遊びすぎてお客様のところまで雪が飛んでいくこともあったり・・・(汗)

そんなユキちゃんの体には幸せのハートマークがあります。IMGP0619.JPG
どこにあるのか実際に会いに来て探してみてくださいね。
見つけたら幸せになれるかも!?

≪今日のプチネタ≫
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海遊館のワモンアザラシたちは隅っこが好きです。
そして段差があるとそれを枕のように頭をのせて寝る事もよくあります。
どうやらこのフィット感が落ち着くようです。

ご長寿カワウソ

 「日本の森」水槽にいるコツメカワウソたち、海遊館にはこのカワウソ以外にも、バックヤードに10頭以上のカワウソが暮らしています。

バックヤードで暮らしているわけは、繁殖を目指していたり、病気の治療をしていたりと様々ですが、この中に「ニッキ」というおじいさんカワウソがいます。

このニッキは1994年8月7日生まれなので、もうすぐ19歳になります。

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現在、日本の動物園水族館でも一番ご長寿なコツメカワウソです。

ニッキも以前は「日本の森」水槽で海遊館に来ていただいた方を楽しませてくれていましたが、今は引退してバックヤードで余生を過ごしており、息子のオリーブと2頭で暮らしています。

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ニッキとオリーブ親子はとても仲が良く、ニッキは食事の時間、お腹いっぱいになると、餌を受け取らなくなるのではなく、一旦受け取ってオリーブのところまで持って行きます。

オリーブが気づかない場合は、オリーブの口元まで持っていきます。水を飲む時も2頭で並んでいることが多く、水を飲みながらお互いの顔を見合ったりし、ほのぼのしたところが見られます。

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ちょっとしたことで餌を食べなくなったり、気に入らないことがあるのか小さな声で鳴いたりと若干気難しいところがありますが、まずは20歳目指して長生きして欲しいものです。

「でかっ!!」

今回は水槽の照明について少し書いてみます。

皆さんご存知のジンベエザメが泳ぐ「太平洋水槽」の照明は、どんなものを使っているかご存じでしょうか?

こんな感じです。
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・・・でかっ!!(--;)
直径16.5cm 長さ40cm、1000Wもあるんです。家庭用の電球と比べるとその大きさがわかって頂けると思います。

こういった電球が器具の中に入って「太平洋水槽」を照らしています。
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なんといっても、水槽の深さが9mもありますから、光も強くなければ、底まで届かないのです。
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縁の下の力持ちですが、これからも水槽の生物たちを照らし続けます。
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ラッコたちの食事情~パート2~

以前のブログでラッコたちのお食事について紹介しました。

今回はラッコたちのおやつについてお話ししたいと思います。

 

グルメなラッコたちにとって毎日のおやつはかかせません☆

 

ラッコたちのおやつバケツがこちら!

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かにバケツにはもちろんカニが!

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ラッコたちに与えているのはタイワンガザミというカニです。

 

脚、爪と甲羅に分けて与えるのですが、

クータンとエレンは甲羅が、パタは爪が大好きで、

パリパリとおいしそうな音を立てながら殻をかみ砕いて食べます!

 

 

そして、残りのバケツには

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2種類の氷が入ってます!

 

小さなサイコロ状の氷(飼育係員は「粉氷」と呼んでいます)と大きな塊の氷。

どちらもラッコたちには大人気♪ 

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ほら、この通り☆

大事に氷を抱えるクータン(上)と豪快にかぶりつくパタ(下)。


それにしても、パタ...顔が必死すぎる(><;)(笑)



ラッコたちは大きな氷を少しずつ割ったりかじったりしながら食べるのですが、

その方法にも3頭それぞれのこだわりがあるらしく、

みんな少しずつ食べ方が違うことが多いです☆


さぁ、誰がどんな食べ方をするでしょうか?

ぜひぜひ確かめに来てくださいね(*´∀`*)



サメとエイとクリーナーフィッシュ

「新・体感エリア」のモルディブ諸島ゾーン。
「サメとエイのタッチプール」があり、サメやエイに直接触れることができます。

実は、サメやエイたちの中に1匹だけとてもちいさな魚がいます。
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写真の中心に小さく映っている青い色をした魚です。
素早く小刻みに泳ぐため、写真に撮るのは至難の技です。
ですので、実際に探して見てみてください。隠れキャラ魚のためご了承ください。

魚の名は「ホンソメワケベラ」
他の魚の寄生虫を食べるお掃除屋さん、「クリーナーフィッシュ」として知られています。
サメやエイたちのお掃除をしないかな?と試しに1匹入れてみました。

タッチプール以外にも「アクアゲート」水槽、「グレートバリアリーフ」水槽や「太平洋」水槽にもいますよ。
とても小さな魚なので、ひろいタッチプールで見つけることができたらラッキーです!

シワシワの秘密

今回は、これまでにも「海遊館日記」に登場した、ワモンアザラシの「フブキ」についてご紹介したいと思います。

以前、フブキの特徴は黒くてシワシワの顔と説明しました。

個人的にはこのシワシワがある為、他のワモンアザラシ達より表情が顔に出やすいような気がします。

まあ、フブキ担当の私の親バカなのかもしれませんが・・・

ということでフブキの表情を紹介します。
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まずは、いつも餌をもらえる場所でこちらの出す指示を待つフブキです。「ビシッ」とりりしい感じですね!


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次は、こちらが出した指示を確認するフブキです。「お、そうきたか!」って感じですね。

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出した指示は手に顔を乗せることです。鼻を「ムニ~」っとさせながらも一生懸命がんばるフブキです!

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指示をきちんとこなせたので、餌をもらう直前の様子です。「はやく餌ちょーだい!」って感じがしますね!

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最後はうまく指示がこなせなかった時のフブキです。「ションボリ・・・」といった感じです。

ちょっとした表情の違いを感じ取るのも、飼育係員にとって大事な仕事なんですよ。

実は海遊館初展示なのです

3月にオープンした新・体感エリアの「北極圏」ゾーンにいる魚たち。皆さん、ワモンアザラシに気をとられて、よくご覧になっていないのでは、と不安になる魚類担当です。

ということで、少しずつここにいる魚たちを紹介していきたいと思います。

まずは「ヌマガレイ」をご紹介!

「左ヒラメに右カレイ」という言葉は皆さん、聞いたことがあると思います。

両方とも目が片方に寄った魚ですが、頭を左側にして置いた時、左の体側に目がくるのがヒラメ、右の体側に目がくるのがカレイということから、そのように言われています。

私もどっちがどっちかわからなくなるので、左が「ひ」、右が「か」と覚えるようにしてます。

でも、よくご覧ください。ヌマガレイはカレイの仲間でありながら、左に目があります。
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特に日本で捕獲されるものは「左ヌマガレイ」が多いのですが、北極海に生息するものでは、右に目がくるものが3割くらいあるのだそうです。

えーっ!こんがらかってしまうよー!!

現在、北極海ゾーンで展示しているのは「左ヌマガレイ」ですが、予備水槽には「右ヌマガレイ」もいます。近いうちにはこちらも展示して、皆様を迷わせたいと思いますので、お楽しみに!!

PS.砂に隠れてることが多いです。
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ゴマフアザラシの 「だっら~~ん」編

日差しの暖かさ、5月は最高に気持ちいい季節ですね。

ゴマフアザラシたちも、気持ちよくお昼寝中。
ネロ(愛称)も、この日差しにうっとりー。お腹を上にむけて全身脱力です。
まさに「だっら~~ん」のことばがぴったり!
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こんなに近くに寄ってもカメラなんか気にしない!
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そんなネロたちを撮影していたら。。。
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いちばん奥からラピスがこちらを覗いています。

「おじさま方、営業時間中はサボらないのぉーー!!!!」といわんばかりにつり目!?になっているラピス。

ネロも一瞬目を開けましたが、そのあともお昼寝はつづきましたとさ。





母の日

5月12日は母の日でしたね。日頃の感謝の気持ちをお母さんに伝えることはできましたか。

母といえば、こちら「パナマ湾水槽」のアカハナグマ。

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昨年9月に初めての出産したアズキ母さん。

子育てに奮闘し一時はげっそり(?)やせたりもしたんですが、落ち着いてきたため少しふっくらしてきました。

最近は食欲も右肩上がり!餌の時間には、我が子を差し置いて餌に飛びついてきます。暖かくなったのもあり、日中はうとうとと優雅にお昼寝をすることも多くなりました。

子どもたちはもうすっかり自立し、いたずらも日に日にエスカレートする一方...ですが、やっぱりお母ちゃん大好き。

一番お母さんっ子のパプリカは、いまだにお昼寝のときにおっぱいを探したりしています。

そんな我が子に囲まれてアズキも幸せそうです。

母の日は終わりましたが、お母さんにまだ何もしていないという方、最近海遊館に行ってないなーという方、ぜひ「パナマ湾」水槽のアカハナグマ親子に会いに来て、癒されてみてはいかがですか。


未知との遭遇

2月17日のブログでもご紹介しましたが、海遊館では水槽で使用する海水を、和歌山県から船で運んできます。

運んできた海水は、海遊館の1~2階部分にある貯水槽に入れます。この貯水槽に異常がないか点検を行いました。
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通常、貯水槽は真っ暗で、作業しているところは海水で満たされています。

配管が割れていないか、壁にひび割れがないかなどのチェックをしていると、イトマキヒトデを発見しました!
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イトマキヒトデ

他にも生物がいないか調査すると、普段は見かけない生物が次々と出てきます。
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ノコギリウニ

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小さなバケツでは全部収容できませんでした。

掃除を行う為に、小型の水槽に移動しました。
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目のように見えるのがガンガゼ、鼻がウミウシの仲間です。

海水が貯水槽に入るまでにポンプを通過するので、写真のような生物が直接、貯水槽に入ることはありません。
おそらく、生まれて間もないプランクトンの状態で貯水槽に入り、成長したと思われます。
真っ暗で餌も与えていないなか、元気に成長していることにとても驚きました。
自然海水の未知の力と豊かさに感動した日でした!

ついに始まりました!

昨年9月に「南極大陸」水槽で生まれたオウサマペンギンのヒナが、ついに換羽が始まりました。

足元やフリッパーの周囲から、少しづつ成鳥と同じ羽根が見えています。
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この換羽の時期は、エネルギーをたくさん消費するため、体重が大幅に減少します。

現在、ヒナの体重は約18㎏、おそらく2週間後には5㎏以上減少すると思われます。

さらに、今まで親鳥から餌をもらっていましたが、それも卒業です。

飼育係員の手元から餌を食べるように、口の中に餌を挿し込むことから初め、すこしづつ馴らして行きます。

担当冥利??

昨晩、仕事が終わって帰宅し、晩御飯を食べていると、閉館作業をする遅番の飼育係員から電話がかかってまいりました。
「カワウソが寝室に1頭も入らないんだけど!」
なんか怒ってます。

遅番の係員は寝袋であるドンゴロス(麻袋)を使って、カワウソたちを寝室に誘い込むのですが、「わーい!」とやってきたものの、「やっぱりまだ遊ぶー」と出て行ってしまったらしいのです。

昨日の日中はかなり暑かったものの、夜になると冷え込んできました。一晩中、外にいるのは寒いと思います。
また、今は水槽にアユがいるので、明け方にはアユ食べ放題になってしまうかもしれません。
そうでなくても、私たちが与える餌はすべて食べ、合間にはこっそり?アユをつまんでいるわんぱくフォー。
そのお腹はなんなの?と問いただしたい感じです。
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再度、寝室収容をお願いしようにも、遅番係員はたいそうお疲れのようすなので、晩御飯をいったん中止し、海遊館に駆けつけました。
展示用の照明も消えて、水槽内はもう真っ暗です。

「これこれ。みんな、寝たくないの?」とドンゴロスを振り回すと「寝まーす。早くふとんちょうだい!」と言ってます。
ん??話が違うし...。
戸惑いつつも「ほらほら、寝室に入ろうね!」「はーい!」皆素直に寝室に入って、おしまい!1分とかかりませんでした。

遅番係員はカワウソが入るまで30分ぐらい粘って、一旦収容をやめ、仕切り直しを2回したそうです。
「全然入らなかったろ?」「うんにゃ、すぐに入ったよ」と言うと、がっくりしてました。
いったい何が気に入らなかったのか??
特に暑くなってくると、1頭が入らないとかいうことはありますが、全頭とは珍しい!

まあ、すぐに入ってくれて、担当冥利に尽きる?のですが、毎晩、これでは困りますよ!

体重計いろいろ

動物を飼育する上で、健康管理はとても重要なことです。その中で、体重測定も健康管理の一つになります。私たちにとっても身近なものではないでしょうか。

そこで、動物で使用する体重計をご紹介したいと思います。

体重計も様々で、動物の大きさに合わせいろいろな種類のものを使っています。

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①これは卓上で使う小さな体重計です。小さな生き物、例えばペンギンのヒナや卵などを計るのに使用します。

ちなみに卵を計る時は、下の写真のように卵が転がっていかないように台を置きます。

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②この体重計は、ラッコやペンギンの体重を計る時に使います。

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③そしてこれは、主にイルカの体重を計ります。使い方は、イルカを担架に乗せ吊り下げて使います。ちなみに500kgまで計れます。

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④最後に、この体重計は、アシカやアザラシなどに使用するものです。

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これはかなり大きく、体重計自身もかなり重く大人4人ががりでやっと持ち上げることができます。こちらはなんと1000㎏まで計れます。

使わない時は、写真のようにアザラシのベットにもなります。

このように動物によっていろいろな体重計を使い、健康管理をしています。

世界水棲生物医学会(IAAAM)に参加してきました。

先月、世界水棲生物医学会(IAAAM)という国際学会に参加・発表してきました。

IAAAMとは、世界中の水棲生物の医学に関わっている獣医師・研究者の学会です。検査や治療方法、それに関する研究などを発表する機会が年に1回あり、今年はサンフランシスコで開催されました。

会場は、

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ちょーセレブ!目の前にはゴールデンゲートブリッジが!ハリウッドスターがお忍びでバカンスに来そうなホテルです。
(残念ながら、大人の理由により、泊れませんでしたが・・・)

さぁ、メインの発表についてです。これがまたスゴイ!

イルカの腹腔鏡検査、ウミガメの減圧症の治療、エイの卵巣摘出術、などなど。

うーん、やっぱり世界のレベルは高い!

でも、すごく良い刺激になりました。海遊館の獣医療も、さらにレベルアップ目指します!

おまけ。
サンフランシスコのピア39のカリフォルニアアシカと、モンタレー湾のゼニガタアザラシとラッコです。

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「ラッコはどれ?」と思った、そこのあなた!! 海遊館に来れば間近で見られますよ!

ゴマフDiary~大人への一歩編~

昨年海遊館で生まれたゴマフアザラシ「ラピス」の成長記録です。

先日、初めて浮き桟橋に自力で上陸できたことをご報告しました。実はこの日、もうひとつの偉業(?)をラピスは成し遂げていたのです。

それはアザラシステージでの初給餌です!

説明しますと、ゴマフアザラシたちは普段アザラシステージ(通称アザステ)という岩場に上陸し餌を食べます。ここは、お客様からご覧いただける場所です。(日によっては体重測定など作業の都合により裏であげる場合もあります)

ですが、ラピスはまだ体が小さいため、水面からの段差が上り切れずいつも裏の浅瀬で食べていました。

しかし、昼間浮き桟橋の上陸に成功したラピスは確実に成長していたのです。アザステから呼んでみると、果敢に後肢をブンブン振ってみごと上陸に成功!その場にいた係員みんなで「おぉ~」と歓声をあげてしまいました(笑)
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『誇らしげに吻タッチをするラピス』

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以前苦手だったアジもちゃんと食べられるようになりました。

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食べ終えて満足げな表情。(余談ですがお母さんのダイヤにそっくりです。)

いや~めでたしめでたし。。と思ったのですが、、、
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帰るときなぜか一番高い岩場から降りようとして、

「え・・・めっちゃ高いやん(汗)」

と水に入るのを躊躇していました。横のスロープから行けばいいのに。チャレンジャーなラピスなのでした。

あ、この後無事に入水できましたのでご心配なく。

アザラシのお食事タイムを見かけたらラピスを探してみてくださいね。

オキクラゲはじめました

ふあふあクラゲ館」でオキクラゲの展示を始めました。

すごく変わったクラゲです。

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どこが...?


実は "ポリプ期" がないのです。

多くのクラゲは、クラゲになる前にはポリプと呼ばれるイソギンチャクの小さいもののような姿で海底などにくっついて過ごす時期があります。

オキクラゲにはそれがなく、卵がうまれると、直接クラゲへと育ちます。外洋性のクラゲなので、ポリプがくっつくような場所が少ないからそのような生活史が進化したのかもしれません。

海遊館で展示しているクラゲの多くは、ポリプから繁殖させて育てたものですが、オキクラゲはポリプがないだけに、その手が使えません。

オキクラゲを卵から育てるのはけっこう難しいのです。そのため、オキクラゲは安定的に展示できる種類ではないのですが、チャンスがあればぜひチャレンジしてみたいもの。卵産んでおくれ。

 

フェィスペインティング

少し前のお話になりますが、4月19・20・21日の3日間限定で、「アザラシになろう!フェイスペンティングイベント」を行いました!!

タイトルの通り、アザラシを顔に書いたり、海遊館のキャラクター「ワモンちゃん」のシールを貼ったりして、みなさんにアザラシになっていただきました!そのお写真がこちら♪

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きゃ~アザラシ以上に、むちゃくちゃかわいいです♪♪ご参加いただいた皆様、ほんとうにありがとうございました!!

私もアザラシになりたい!!と思われたみなさま、またまた開催するかもしれません。

これからも海遊館のHPを要チェックして下さいね♪

ラッコたちの食事情

「アリューシャン列島」水槽に暮らす3頭のラッコ達。
彼・彼女らはとってもグルメ(?)なんです!

と、言うわけでラッコ達のごはんを大公開☆

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ラッコの餌はこのバケツの中に入っています。
3頭それぞれに専用のバケツがあるんですよ!


では、エレンのバケツを覗いてみましょう!

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んー・・・何やら色んな種類の餌が入ってますね。

このままでは少し分かりにくいので取り出してみました!


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ラッコ達のお食事、メインはスルメイカです!
写真は全てそのスルメイカなんですが、こんな風に使う部位や切り方が何種類かあります。

イカだけでなく、魚や貝もありますよ!

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ほら、この通り☆
左上から順にオスのシシャモ、ホッケ、アジ
       サケ、タラ、ウチムラサキ(貝殻なし)が並んでいます。

一日に食べる餌の量はオスのクータンが一番多くて4.5kg程なんですが、クータンの体重は28kg前後です。
これは60kgの人間に換算しますと、一日に9.6kgものごはんを食べることになります!
ものすごい量ですね(◎△◎;)

ラッコたちはたくさんの餌を食べることで寒さから身を守っているんですよ!

深海の小さな生き物たち Vol.1

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「日本海溝」水槽には、タカアシガニなどを展示している大型水槽の他にも小型水槽があり、深海にすむ小さな生き物たちを展示しています。今回はその中から3種類をご紹介します。

 

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【アカザエビ】
日本固有種です。英名ではJapanese lobsterと呼ばれています
最近脱皮し、脱皮後は、とてもきれいな色をしています。魚の切り身をよく食べています。

 

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【アズマハナダイ】 
最近、展示しました。移動したばかりの頃はサクラエビを与えても食べず、生きたエビでも反応無し。困っていたら同居のアカザエビに与えたシシャモの切り身を横取りしてパクリ、エビよりも魚が好きだったのねぇ~。何事も思い込みはいけないと思い知らされました。まだ、水槽に慣れていないのか隠れていることが多いです。

 

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【ボウズカジカ】
まん丸頭がとてもキュートです。ほとんど動かず、じっとしている事が多いです。写真のように正面を向いてくれず、反対を向いていることが多いです。棒の先に餌をつけて近づけると飛びついて食べます。

上陸成功!

ある日の午後、アシカの餌を与えるために「モンタレー湾」水槽へ行くと、

そこには驚きの光景が広がっていたのでした!

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なんと先日の4月10日にデビューしたゴマフアザラシの「ラピス」がフロートの上で寝ているではありませんか!

このフロートは、アシカとアザラシの休憩用に浮かべているのですが、水面からの位置が高く、

まだ子供のラピスには上陸は出来ないものと思っていました。

事実、デビュー当初からラピスはこのフロートに目を付けていたようで、何度も上陸を試みる姿を目撃していましたが、

あと一歩のところで勢いが足りずに、ずり落ちてしまう状態でした。

しかしついに念願の上陸に成功したようです!

rapi2.JPG

そしてこのドヤ顔をきめるラピスなのでしたw

(奥で寝ているのは先輩アザラシのショウです。遠近法でラピスと同じ大きさに見えますが、ラピスの2倍近くある大人のアザラシです。)

これからもラピスの成長がとても楽しみです。

咲いた~咲いた~♪

「日本の森」では、海遊館日記4月1日号でお知らせしたオオシマザクラに続き、ヤマブキ・ツツジが咲きました。
20130501_1.JPG 
ヤマブキは、タカハヤやカマツカなどの魚類を展示している水槽の上でひっそりと咲いています。

20130501_2.JPG 
ツツジはカワウソ水槽を過ぎたところの上の方で咲いています。

そして、例年より少し早いですが、シランも咲き始めました。
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シランは海遊館の屋上で育てています。なので、シランが咲き始めると、私たちには重労働が待っています。

というのも、屋上から両手に植木鉢を抱えて、展示場所までの階段を何往復もしなくてはならないからです。

この鉢は6号や7号の素焼きの植木鉢に植えてあり、一つ一つが重いのです。翌日には、両手の親指の付け根がやや筋肉痛に...。

6号鉢は直径が22㎝、高さが23㎝ぐらいなんですが、重さを測ってみると、6号鉢で約3kgもありました(もちろんシランが植えてある状態です)。

そら、重いわ!

「日本の森」では、少し目線を上げてみてくださいね。
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