海遊館日記

2013年4月

プレゼント

ご近所のお子様から、うれしいプレゼントを頂きました。

それはアイロンビーズで作った「海遊館」でした。

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私もこのアイロンビーズを知っていましたが、海遊館をモチーフにしたものは今まで見たことがありませんでした。

なので、見本もなくお子様自身で考えながら作ってくれたんだと思い本当にうれしく思いました。

今後も、多くのみなさまに愛される水族館を目指し、心を引き締めがんばってまいります。

排水管クリーニング

本日は1年に一度の排水管クリーニングの日です。

この排水管は手洗いや器などを洗った水を流すものではなく、生物関係の水槽やろ過槽を洗ったかなり汚れた水が流れます。

海遊館のそれぞれの場所から二階にあるメインの排水管(配管の内径20センチ)に集めて、一階の下水道配管に排水します。

配管が長くて大きいので重いものは流れずに溜まってきます、そのままにしておくと詰まって流れなくなってしまいますのでメンテナンスが必要なのです。

砂や小石、貝、カニのツメなど色々なものが流れてきます。

今日はどんな"お宝"があるのやら...

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① 排水管に水を送る配管を接続します。


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② バルブを開いて水を送ります。


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③ 確認のためにここのバルブを開けて水を出します。


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④ きれいな水が、


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⑤ 濁ってきました、臭いもしています。


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⑥ 本日の収穫は...... 、余りないですね小石と汚れくらいです。

 

 

毎週行っています。

新・体感エリアで展示しているイワトビペンギンたちは毎週、体重測定と脚裏チェックを行っています。
海遊館生まれのイワトビペンギンは、私たち飼育係員が親代わりとなって育て、日頃から体重計にのせていたためか、自ら体重計にちょこんと乗ることもあります。また捕まえて脚裏チェックをしてもあまり暴れることはありません。

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しかし本来イワトビペンギンは気性が荒く、攻撃的です。
捕まるまいとして係員の腕などに噛みつき、腕は傷だらけになることがあります。
青あざは日常茶飯事です(涙)

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しかし、岩場を飛びまわるイワトビペンギンたちの脚裏チェックは健康管理上、欠かせません。
よしっ!!異常なし!!!

今日も担当飼育係員はペンギンに噛まれる痛みに耐えながら、健康管理を行っています。
ただペンギンたちも捕まえられたり、触られたりするストレスは少なからずあるはずです。

なるべくペンギンたちに負担をかけないで健康チェックする方法を模索しています。
あと私たち飼育係員の傷だらけ防止にも・・・。

新・体感エリアの小ネタ??

新・体感エリアがオープンして一月半ほど経過しましたが、ご覧頂けましたでしょうか?
新・体感エリアでは、見て、聞いて、触って、においも寒さも体感しながら楽しんでいただけますが、約束がいくつかあります。

それを、このように壁面に表示しています。

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また、天井部のモニターでは、解りやすいように動画で紹介していますが、漫画の様な展開になっており、一見の価値があります。是非、ご覧ください。
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こんなところに来てしまいました!!!

先日、普段できないことを初めて体験しました。

なんと!深海へ・・・

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ではなく、大空に出発!

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初めてのヘリコプター。

振動・音・感じたことのないものばかりで戸惑いもありましたが、どんどん小さくなっていく大阪のまち、視界が開けてきてワクワク・ドキドキ。

少し前まで、私は宇宙飛行士になって地球を眺めるのが夢でした。

今回、宇宙まではいけませんでしたが、空の高いところから大阪を眺めることができ、感動・感激でした。

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私はあるミッションを受けています。

詳細についてはまた後日のお楽しみに☆

ナルちゃんデビュー!!

先日、海遊館日記でトレーニングの様子をお伝えした、ナルトビエイの"ナルちゃん"。
ついに、「アクアゲート」水槽にデビューしました!!

最初は水槽の広さや深さ、そして他の魚たちにオドオド。。。(´×`)
壁際ばかり泳いでいたナルちゃんですが、3日ほど経つとちょっとずつ広く泳ぐようになりました。

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まだまだ体の小さいナルちゃん、アクアゲート水槽の大先輩「クロガネウシバナトビエイ」と比べると
こんなにも違います。(写真ボケボケでごめんなさい(>_<))


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スタッフもナルちゃんが展示水槽に早く慣れるように、水槽の中に入って給餌をしています。
他の魚たちと一緒にお食事タイムができるといいね。


ゴマフアザラシのあかちゃん成長記録「日光浴デビュー」

3月24日に海遊館で生まれたゴマフアザラシのあかちゃん。
すくすく成長しています。

ブログの成長記録も多くの方が読んでくださっているようで、
フェイスブックでもたくさんの「いいね!」をありがとうございます。

写真はもちろん可愛いですが、生で見るともっと可愛い!
ということで、期間限定ではありますが日光浴デビューが決定しました。

4月17日~26日の10日間、14:45~15:30に登場します。

場所は、海遊館の入り口ゲートをはいってすぐの階段上広場です。
では、その様子をレポします☆

バックヤードの水槽から台車に乗っていざ出発!
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初めてのおでかけに少し緊張気味のご様子。

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特有の白い毛はほとんど抜けてほぼゴマ模様となりました。
ちょっと不安そう!?

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会場に到着すると見慣れない景色にキョロキョロと周りをうかがっていました。
大勢のお客様や取材カメラに囲まれても動じずなかなかの大物っぷりです。

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しかも昼寝まで始めました(笑)

その後はプールに入り水遊びを楽しんでいました。
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「きもちええなぁ~」

4月26日まで、期間限定の日光浴です。




アカハナグマのリンゴ、久々の再会

「パナマ湾」水槽のアカハナグマたち。

自然界ではメスと子どもたちが群れを作って暮らし、オスは基本的に繁殖期を除いて単独行動をすると言われています。
昨年9月6日に生まれたアズキの子どもたちは随分と大きくなり、アズキと見分けがつかない時もあるくらいになりました。

子どもたちが無事に大きくなったので、今年も繁殖の準備を始めることにしました。

今年のリンゴのお相手は誰にしようかな?と迷った末、現在「パナマ湾」水槽でアズキと仲良く暮らしているイチゴを選びました。

イチゴは2歳半になりました。実はこの2頭、約2年前に外国から一緒に海遊館にやってきました。
その①P2170126.JPG
その②P2110061.JPG

海遊館に来たときはまだ幼かったため、ずっと一緒にいましたが、アズキたちと同居後、成長と共にリンゴが他のメスたちとけんかするようになったため、別々に。それ以来、およそ1年半ぶりの再会です!!

同居を始める前は「うまくいくかな?」という不安と、2頭がどんな再会を果たすのかというわくわく感で前日はあまり眠れませんでした(笑)。

同居開始は4月20日からバックヤードで。
最初はにおいをかぎ合ったりして好調な滑り出しのようにも見えましたが、数時間後、イチゴがリンゴに対してひどく威嚇し、それに対してリンゴも威嚇し返すという行動の繰り返しでした。

この部屋にはハナグマが乗って休める台が1つしかなく、それをめぐって取り合いにもなってしまったのです。そこで台をもう1つ設置すると、話がうまくまとまったようで、その日はそれぞれ1つずつ使って寝たようです。
その③P1010330.JPG
(手前がリンゴ、奥に小さく写っているのがイチゴ)

そして次の日、2頭の様子を見に行くと、おや?なんだか良い感じです☆
その④P1010335.JPG


前日ほど小競り合いも見られず、2頭で1つの台を使っているではありませんか!!
その⑤P1010345.JPG


ちなみにこちらは2年前の2頭。とってもかわいいです。
その⑥P2110056.JPG

しかし、肝心の交尾行動はまだ見られていないため、ただの仲良しになられても困るのですが...。

ひとまず、2頭のこれからをあたたかく見守りたいと思います。

岸壁での生物調査

  
海遊館では、定期的に海遊館前の岸壁で生物調査を行っています。

先日の調査で、調査開始以来初記録の生物がでました。その名は「クビナガワレカラ」。

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写真をみていただくとちょっとエイリアンのようですが、ワレカラは甲殻類の仲間で、エビ・カニとは親戚筋にあたります。

普段は後ろ足で海藻などにつかまっていますが、前方の足も使ってシャクトリムシのように移動する姿はユーモラスです。

大きさは1~3cmのものが多く、体も細長い為、海藻やゴミと間違ってしまいそうです。これまでも見逃していたのかもしれません。 

岸壁の付着生物の世界は、小さな生き物たちの世界です。顕微鏡で拡大して見た時、そこにはミクロコスモスが広がっています。

アザラシとアザラシ

新・体感エリアがオープンしてから、海遊館では2種類のアザラシを展示しています。

今日はその2種類のアザラシたちの違いを少しだけお話したいと思います。

まずは全体像をご覧ください。

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↑ こちらがゴマフアザラシ。

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↑ そして、こっちがワモンアザラシ。

どちらもアザラシなので脚は鰭のような形をしており、前脚は非常に短いです。

違いを挙げるとすれば、ワモンアザラシの方が少し丸っこい体型という点でしょうか?

他にも、もっと分かりやすい見た目の違いがあるんです。ヒントは背中の辺りにご注目下さい!

どうでしょう?分かりましたか?


では、こちらではどうでしょうか?

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  ↑ ゴマフアザラシ     ↓ ワモンアザラシ

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お分かりいただけましたか?そうなんです!背中の模様が違うんです!!

ゴマフアザラシは漢字では「胡麻斑」アザラシと書き、背中や体の側面が写真のように、ゴマを散りばめたようなまだら模様をしています。

一方、ワモンアザラシは「輪紋」アザラシと書き、背中や体の側面に輪っかの様な模様がたくさんあります。

でもこのアザラシ達には、パッと見ただけで分かるような決定的な違いがあるんです。

 

それは...     大きさ!!!

 

ゴマフアザラシは大きいものだと体重がゆうに100kgを超え、最近デビューした1歳のラピスでも40kgを超えています。

それに比べて、ワモンアザラシは非常に小型のアザラシで、大人になっても45kg程しかありません。

そう!その差はまるで大人と子供、一目瞭然です!

ちなみに全世界には18種類ものアザラシの仲間がいるんですよ。

のび~っ♪

先日、後輩が撮った写真を見て、ずーっと笑っています。

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コツメカワウソのバックヤードにいる王様ゴボウです。

載っている台は、寝袋であるドンゴロスをもしゃもしゃ食べてしまう彼のために、設備チームのお兄様が作ってくださったもの。

これで体をふいたり、箱の中に入って寝たりとすぐれものなのです。

その上でのびをしている王様ですが、前肢、後肢のぴーんとしたところと、お尻から垣間見えるかわいいタマタマはどうでしょう!

つらいことがあった時には、これを見て癒されてくださいね。

写真を逆回転させると、空を飛んでるようでまた笑えます。

こんな検査もやってます!

海遊館で飼育しているペンギンは全て毎日の摂餌量や週に1回の体重測定など1羽1羽の健康管理を行っています。
その一環として、先日イワトビペンギンの「眼圧測定」を始めて実施しました。

眼圧を測定することで、白内障など眼病の早期発見と治療に役立てようという目的があります。
ただこれが非常に難しく、目に専用の測定器を直接当てなければいけません。
その際、当然ながらペンギンが嫌がって暴れます。すると測定できない上、眼球を傷つける危険も伴います。

そこで、少し麻酔をかけて動きを制限し測定することになりました。
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↑これは麻酔をかけているところです。
獣医さんがペンギンに麻酔用のマスクを被せ、かかるのを待ちます。

数分後・・・
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動きを制限させるだけなので、獣医さんが絶妙なタイミングで麻酔のマスクを外し、完全に麻酔がかかる手前で測定します。

今後もペンギンの負担を最小限にして眼圧が測定できるよう、しっかり健康管理を行っていきたいと思います。

サメ肌・エイ肌 体感!

3月13日にオープンした「新・体感エリア」の「モルディブ諸島」ゾーン。ここには「サメとエイのタッチプール」があり、サメやエイに直接触れることができます。

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プールにはイヌザメやホシエイなどがいます。

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このタッチプールは、水量約16㎥、外周約30mで、室内型では国内最大級のプールです。

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ふれあい方法や注意点が書いてあるので、お子様から大人の方まで老若男女問わず安心してふれあいができます。また、必ずスタッフが立っていますので、お気軽にお声かけください。

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手洗い場があるので、魚に触った後はもちろんのこと、サメやエイたちの健康管理のため、触る前にも手洗いをお願いします!
魚を傷つけないよう、大切な指輪などアクセサリーをしている方は外してくださいね!

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おとなしいサメたちばかりで、プールの端っこで休んでいることが多いです。
おとなしいといっても、暴れると危険なので口元やしっぽはさわらないように!
手のひらでなでるとサメ肌は・・・、エイ肌は・・・。どうなってるでしょうか??

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ふれあいはちょっとこわい・・・って方は、見るだけでも大丈夫です。
プールを横からのぞけば、サメ・エイの顔や呼吸している様子を見ることができますよ。
時々、元気良すぎて皆さんに水をかけることもありますが、お許しを。

サメ肌・エイ肌どんな感触をしているのか、ぜひ確かめにきてください!

ゴマフアザラシの赤ちゃん成長記録「衣替え」

もうすぐ生まれてから一ヵ月がたとうとしています。

前回、毛の生え換わりを少し紹介しましたが、あれから数日経った現在はどうなっているのでしょうか?

それでは最新の写真を紹介したいと思います!

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ずいぶんゴマ模様の毛に生え換わりました!クリーム色の毛は背中に残っているだけで、

顔つきも生まれた時と比べて少しですが、しっかりとしてきた気がします。

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写真ではお伝えしづらいんですが、すごい勢いで毛が生え換わっているんですよ~♪

写真をよく見て頂くと、体の周りには抜け落ちた毛がたくさん落ちています。

これは担当の飼育員(私)が掃除をさぼっている訳ではなく(汗)、掃除をしても数時間でこんなにも毛が抜けてしまうんです!

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このまま順調にいけば、そろそろミルクを飲むのも卒業で魚を食べる練習が近いですね。

あと皆さまにお知らせがあります!!!

展示水槽へデビューする前に、赤ちゃんアザラシが下記の期間、日光浴を兼ねてお客様の前に登場します。

ぜひこの機会に会いに来て下さいね。詳細は下記のとおりです。

平成25年4月17日(水)から26日(金)までの10日間(PM2時45分から約45分間)、海遊館エントランスビル3階の
屋外スペースにて、生後約1カ月のゴマフアザラシの赤ちゃんの日光浴を特別公開します。


なぞのシリアゲ

この絵、たぶん海遊館オープン当初からあるので、なんとなくご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。

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そう、海遊館の「日本の森」からちょっと進んだところの通路の壁に書いてある虫の絵です。

この虫はシリアゲムシといいます。お尻の先が特徴的なハサミのような構造になって上むきに曲がっているので「尻上げ虫」。

でもそれはオスだけの特徴で、メスのお尻はふつうです。この絵はメス。尻あがってません。

さてなぜ海遊館でシリアゲムシの絵かというと、きっとシリアゲムシ・ファンのお客様に喜んでいただくためなんでしょう。

シリアゲ好きは案外多いですからね。日本全国で30人くらいはいると思いますよ。かく言う私もその一人。

しかし、せっかくのシリアゲムシの絵なのに、なんでメスなんでしょう。

オスのお尻のはさみの形態が重要な分類形質なのです。メスでは正確な同定ができないではありませんか。

書きかえちゃだめ? 「キシタトゲシリアゲのオスの横から見たとこ」なんていかがでしょう。

「ウンチ」はいずこへ?

新・体感エリアのワモンアザラシ水槽、ご存知のようにドーム型になっています。ドーム型水槽!斬新!しかし!ゴミがたまりやすい!

もちろん、ワモンアザラシは餌を食べてウンチをします。トイレではしてくれません!水中でします!

ということは・・・
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何もしないとウンチやゴミがたまってきます。ワモンアザラシとウンチのコラボ!?いえいえ、そんなことはできません。

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ですが、あることをするとすっきりなくなります。

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展示水槽の擬氷内に水流を発生する装置を埋め込みました。デビュー前の写真なのでごちゃごちゃしていますが・・・。

この水流装置によってウンチやゴミが吹っ飛ぶわけです。ただ単に吹き飛ばすだけでは簡単です。傾斜球面に水流をあてた場合の水中にある物体の挙動は・・・?

なんてことは私の頭では無理です。

 

で、考えたのは、ワモンちゃんの協力を得て水流テストです。

ワモンちゃんたちは怪訝そうな顔をしていましたが、このテストのおかげでウンチとのご遭遇!はなくなったわけです。

ゴマフDiary~デビュー編~

ゴマフDiary久々の更新です。
あまりにご無沙汰すぎるので「ゴマフDiary」の説明をしておきますね。
2012年3月1日にモンタレー湾水槽でゴマフアザラシの赤ちゃんが誕生しました。
名前はラピス。
宝石のラピスラズリから名付けました。
ちなみにお母さんはダイヤ、お父さんはパール、と同じく宝石を連想させる名前がついています。
ラピスは人工保育で大きくなりました。
ダイヤが初産だったため上手く子育て出来なかったのです。
飼育係員が親代わりとなりバックヤードで成長を見守ってきました。
哺乳ビンでミルクを飲ませたり、魚を食べられるよう離乳訓練をするなど、
ラピスの成長記録を「ゴマフDiary」と題して紹介してきました。

これまで何度もラピスをモンタレー湾水槽へデビューさせようと準備を進めてきましたが、
いざその日が近づくと餌を食べなくなったり体調を崩したりと、なかなか実現に至りませんでした。
そして1歳の誕生日を迎えてようやく体調も整い、
先日やっとモンタレー湾水槽へのデビューを果たしました!
最新のラピちゃん画像がこちら↓
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「ん?わたしのこと呼んだ?」
きれいなゴマ模様になり、立派なゴマフアザラシになりました。
でもまだまだ体は小さく体重は大人のアザラシの半分くらいしかありません。
ちなみにお母さんのダイヤは103kg、ラピスは46kgです。
飼育係員が親代わりだったので、ラピちゃんにとっては色んなことが初体験。
深い水槽に最初は戸惑っていましたが、少しずつ慣れて底まで潜れるようになりました。
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アクリルガラス越しに見る景色も初めてなので、興味津々です。

近づきすぎて鼻がぺちゃっとなってます(笑)
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これからモンタレー湾水槽のルール(?)を早く覚えて、他のアザラシやアシカ達と仲良く元気に暮らしてほしいなと思います。
がんばれラピちゃん!



王子改め...

昨年10月に、「新婚さん、いらっしゃーい」という題でご紹介した、コツメカワウソ・ヤットとアヤメのペア。
12月の「最近のカワウソ事情」では、アヤメがヤットを嫌いではなのに交尾をさせず、「ヤットが少々ふてくされ気味である」とお知らせしました。
その後の2頭ですが、まったりしてしまい、交尾の気配が全くありません。
アヤメは鼻をならしてヤットにぴったりくっついたりしてますが、ヤットが「俺にその気はない!」って感じ。

そんなこんなしている間に、他の部屋でも異変が!!
先月誕生日を迎え、2歳になったゴボウ王子が、ずっと同居していて、一緒に新潟にも出張した叔父のイブキと仲たがいしていまいました。ゴボウがイブキに喧嘩をふっかけるようになったのです。
ゴボウ、思春期かい?そのようすは王子改め王様か??ってところでした。

そこで、「ふんふんっ!」と息巻いている王様ゴボウとアヤメを一緒にしてみてみることにしました。
アヤメとゴボウでは、アヤメのほうが少しお姉さんですが、王様ゴボウがアヤメのやる気をだしてくれるかもしれません。

3月末より2頭を一緒にしてみました。

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最初、王様はアヤメのことが怖くて仕方ないようでしたが、アヤメは王様に興味があるようす。
時々、小競り合いはあるものの一緒にしていると...4月に入って、遂に2頭が交尾をしました!
アヤメが王様にマウンティングを許している!
王様、すごいぞ!!でも、挿入がうまくいっているかどうかは不明です。

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血統的には問題ない2頭ですので、このまましばらく2頭でペアリングしてみます。
ところで王様、あなたの変な癖ですけど、アヤメのひげをかじるのはやめてください。

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で、その頃のヤット。ひとりになりましたが、なんか清々してるってことはないよね?

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ゴマフアザラシの赤ちゃん成長記録「ひなたぼっこ♪」

4月のとても暖かいある日、たくさんのミルクを飲んでうとうとしているところをカメラでパシャッ!!

ひなたぼっこアザラシ仔.JPG

生まれて約3週間がたちまして、体重もなんと20㎏を超えちゃいました。

よーく赤ちゃんを観察してみると・・・。

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「あ!ゴメン・・・ 起こしてしもううた? 少しだけ写真とらせてね」
クリーム色の毛が抜け始め、ゴマフアザラシの特徴でもあるゴマ模様が体のあちらこちらに見え始めました。

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あと一週間もするとクリーム色の毛がすべてぬけて、ゴマ模様の赤ちゃんに変身します。

展示水槽へデビューまでもうしばらくお待ちくださいね。










獣医 feat. トレーナー

今回は、水族館の生物のお医者さんの仕事について、ちょっとアカデミックに。

海遊館で暮している生き物たちのほとんどは水棲生物です。この水棲生物、病気になると、治療するのが、すっっっっごく大変なんです。
どれくらい難しいかと言いますとですね、
1. 水に暮している生物は陸上に上げられることに慣れていない。
魚は、陸に上げられると、もちろん呼吸ができないですよね。あとイルカさんなんかは、皮膚が乾燥すると火傷みたいな症状を起こしたり、自重で呼吸しにくくなったり。
2. 海棲哺乳類なんかは、Diving reflexのため、麻酔管理が難しい。
Diving reflexとは、長く水中で泳ぐために発達したものでして、少ない酸素を大事な器官(心臓とか脳)に優先的に送るための生理反応です。これが麻酔中は悪い方向に働いてしまい、呼吸が停止したり、心拍数が下がったりします。
3. 防水使用の医療機器はほとんどない。
レントゲンとかエコーとか生体情報モニター(ドラマで心臓が止まって"ピー!"って鳴って、「先生!心臓止まりました!」てやつ)などなど、医療器機ってほとんど防水機能がないので、検査処置中に水がかかって壊れると、「はい、自腹ね」って言われてしまいます・・・

などなど色んな理由で、水族館の生き物の健康管理は、病気にさせない、つまり"予防第一"なんですね。
しかし、予防のための健康管理をする生き物たちは、もちろん元気な訳で、検査しようとも大暴れして、そうそう簡単には事が進みません。
そこで、水族館で大切なのが、"ハズバンダリートレーニング"なのです。
"ハズバンダリートレーニング"とは、簡単に言いますと、健康管理のためのトレーニングです。例えばイルカさんに「採血しますよー」ってサインを出すと、尾鰭をトレーナーに向けてくれて、尾鰭から採血している間もおとなしく待ってくれるんですね。

海遊館では海獣類以外にも魚にも"ハズバンダリートレーニング"をしています。
それでは、先日、トラフザメさんでやった検査を紹介しましょう。

このトラフザメさん、体重30㎏もあるので、捕まえて保定するのが大変。なんで、担当トレーナーが、採血、エコー、内視鏡検査なんかを受けるトレーニングをしています。
ある時、トレーニング中にエコー検査をしたら、「ん?肝臓に何か液体みたいなのが・・・」
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その形はグニャグニャと長く蛇行しており、エコーで血管ではないことは分かりました。
サメも種類により臓器の構造は全く違うので、胆嚢かな?とも思ったのですが、どうも調べなくては気が済まない訳で、麻酔下で検査することになりました。
麻酔の方法は、「採血しますよー」とトラフザメさんをひっくり返します。
で、尾の付け根に針を刺して、血管の中に麻酔液を注入します。もちろんトレーニングされているので、この間ずっと、おとなしくしてくれています。
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しばらくすると麻酔がかかり、呼吸が停止するので、口の中に新鮮な海水を流して人工呼吸開始。
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もう痛みも感じないので、肝臓の中にある液体が溜まったところに向けて、ぶっとい針を挿入。
結果、緑色の液体が上ってきました。胆嚢だったわけですね。
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とりあえず、よかった、よかった、と言うことで、トラフザメさんを覚醒させて、その日の検査は終了しました。

こんな感じで、海遊館ではトレーナーさんの協力のおかげで、獣医の仕事が出来る、というお話でした。

ワモログ☆その3

ワモログ更新します。
今回紹介するワモさん(←担当係員はワモンアザラシを普段こう呼んでいます)は推定年齢7歳のメス、
「アラレ」ちゃんです。
最近インターネットで「ほほ笑むアザラシ」として紹介されているのは大抵彼女です。
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外見は目がとても大きいのが特徴です。
ドーム型の半球水槽からじーっとお客様と見つめ合うのが最近の日課のようです。
立ち泳ぎも得意で水面に直立している姿もよく見かけます。
お気に入りの場所は水槽の隅っこ。
夜はそこにはさまって寝ています。
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4頭の中ではフブキくんの次に大きい体をしていますが、実はとても臆病で繊細な性格の持ち主です。
ココだけの話、アラレちゃんが新しい展示施設で上手くやっていけるのか心配の種でした。
というのも、彼女はバックヤードにいた頃から周りの変化などにとても敏感で、機嫌を損ねるとすぐに餌を食べなくなってしまうのです。
例えば、担当係員をちゃんと見分けていて、同じ制服を着ていても知らない人が1人でもいれば部屋の隅に隠れて出てこないなんてこともしばしばでした。
現在は少しづつ慣れてきてお客様の前でも餌が食べられるようになりました。
餌やりの時間は不定期ですが、もし見かけた時は大声ではなく、そっと見守って応援していただけるとありがたいです。

では≪今日のプチネタ≫です。
ワモンアザラシは水につかりながら寝る事もあります。
そんな時は顔と首辺りに注目。
頭が体に埋もれていてブサカワです。
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実物はもっとかわいいのでぜひワモさんに会いに来て下さい。
それでは、また。

荒れる海(以布利センターより)

高知県土佐清水の以布利では、春の嵐で低気圧が近づき、大荒れの海況でした。
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波は堤防を超えそうな勢い...。

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こんな日は大敷網(定置網)船も出港を見合わせ、市場も休みなので港の中は人気がありません。

風が強く、うねりが入ってきているので、イケスにいる魚への給餌ができず、今日は餌止め。

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自然の海はいろいろな表情を見せてくれます。

イルカ通信4月号~学会に参加!編~

水族館には、生き物たちを飼育展示することの他に、たくさんの役割があります。

そのうちの1つが「調査・研究」です。


今回、これまでのカマイルカの出産記録をもとに、まとめたものを「日本水産学会春季大会」で、

ポスター発表(発表内容を1枚の大きなポスターにまとめた発表)してきました。

 

2010年に生まれたアクアの出産記録もつかったんですよ。

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※アクアは、現在、バックヤードにいて、とても元気です!


東方面での発表だったので、関東の水族館の視察もさせてもらいました。

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私の趣味は水族館めぐりですが、他の水族館を見ることはかなりの刺激になります。

生き物はもちろんのことですが、飼育係員さんの動き、表情が気になってしまいます。

 

今年度は何を発表しようかな~。

ゴマフアザラシの赤ちゃん 成長記録

先月の24日に生まれたゴマフアザラシの赤ちゃん♪
飼育係員が親代わりとなって順調に成長しています!!

生まれた時の体重は12.22kgでしたが、4月4日現在、17.6kg
まで増えました。

飼育係員が哺乳ビンをもっていくと、フーンフーンと鳴きながら
(鳴き声を表すのは非常に難しいです・・・)寄って来ます。

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それでは皆さまのご要望にこたえてアップの写真を!!

哺乳瓶から.JPG

とってもおいしそうにミルクを飲んでいます。(よだれがでていますが・・・)

現在は一日4回、早朝の5時、昼前の11時、夕方の17時、終電前の23時です。

一回で1リットルのミルクを飲むこともあるんですよ。

今度は体重が何キロになっているか今から楽しみです。



マダコ不動産

4月になって新生活を始めた方も多いと思いますので、不動産業界の皆さんは今大忙しでしょうね。

さて、「瀬戸内海」水槽に暮らすマダコのためにも、担当の飼育係がいろいろな物件を準備しています。

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「うーん、どれにしようかな?」

タコ壺や土管などいろいろなタイプのお部屋がありますよ。どうぞゆっくり選んでください。

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こちらのお部屋はお客様には少し小さいんじゃ...?

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このお客様は入口に石を集めています。それは自分で置いたのですね!!

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あらあら、こちらはとうとうバリケードを...。防犯は大切ですもん。お気をつけて。

皆様、マダコたちがどの部屋を利用しているか、探してみてください。

新しい仲間が増えました!

先日の3月24日の夜、「モンタレー湾」水槽内でゴマフアザラシのショウが赤ちゃんを出産しました。

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数時間後には、赤ちゃんにミルクを与える行動が見られ、子育てが順調に進むと思われましたが、その後、ミルクを与える行動が見られなくなったため、二日目の日中から予備水槽へ移動し、人工哺育に切替えることにしました。

誕生から一週間が過ぎた現在では、飼育員の与えるミルクを哺乳ビンから飲んで順調に成長しています。

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この海遊館に加わった新しい仲間を、私たち飼育員が親代わりとなって大切に育てていきたいと思います。

現在、赤ちゃんはバックヤードで飼育を行っているため、直接お客様に見て頂くことはできませんが、海遊館日記でも成長の様子を報告しますので楽しみにしてください♪

【テレビモニターでの紹介について】
《場 所》 海遊館7 階「モンタレー湾」水槽上層部の観覧通路
《内 容》 ゴマフアザラシの赤ちゃんと人工保育(授乳)の様子(事前に撮影したもので、ライブ映像ではありません)
《期 間》 平成25 年4 月3 日(水)~4 月21 日(日)

来る!!牛鼻飛鱏

沖縄から、ウシバナトビエイ 学名:Rhinoptera javanica が活魚車に乗ってやってきました。 海遊館では初めて展示する魚です。

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ウシバナトビエイは、「太平洋」水槽と「新・体感エリア」の「モルディブ諸島」ゾーン(サメとエイのタッチプール)に搬入しました。タッチングプールでは、実際に触ることもできます。

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ウシバナトビエイの英名はCownose Rayといい、前から見ると牛(cow)の鼻(nose)みたいな頭をしています。

頭の前には、頭鰭(あたまびれ)と呼ばれる部分があり、これを使って餌を探し、口元へ運びます。

水槽内では時々、下の写真のように、実際に頭鰭を使っているところを見ることができます。

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海遊館では、よく似た種のクロガネウシバナトビエイ 学名:Rhinoptera bonasus を「アクアゲート」水槽で展示しています。

この2種、分布域がわかれており、別の種類なのですがとてもよく似ています。

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↑クロガネウシバナトビエイ 

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↑ウシバナトビエイ

一緒にすると絶対にわからないだろうな...

イルカ通信4月号~学会に参加!編~

水族館には飼育することの他にもたくさんの役割があります。

そのうちの1つに「調査・研究」というものがあります。

今回、これまでのカマイルカの出産記録をもとに、まとめたものを日本水産学会春季大会でポスター発表(発表内容を1枚の大きなポスターにまとめた発表)してきました。

2010年に生まれたアクアの出産記録もつかったんですよ。

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関東方面での発表だったので、関東の水族館の視察もさせてもらいました。

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私の趣味は水族館めぐりですが、他の水族館を見ることはかなりの刺激になります。

生き物はもちろんのことですが、飼育係員さんの動き、表情が気になってしまいます。

今年度は何を発表しようかな~。

日本の森にも春がきた(水中編)

先日はスモモについてお知らせしましたが、オオシマザクラも咲きましたよ!
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といっても今、外ではソメイヨシノが満開ですので、ちょっとさびしい感じがします。

代わりに、といってはなんですが、3月末に和歌山県からアユを搬入しました。
今シーズン初で、その数18,000尾!
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まだ1尾あたり2gと小さなアユですが、アユの展示を行うと「春だなあ!」」と思います。
カワウソたちの襲撃に負けず、大きくなってほしいです。

ところで、そのお腹はなんなの?
「ん?これ?」
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「こんなになってるよ?」
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アユを食べないように多めに餌を与えたらこんなことになりましたとさ。
あらあら...。
これも春ですね。

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