「日本海溝」水槽では、タカアシガニをはじめとした深海の生き物を展示しています。2月末、大きなタカアシガニが仲間入りしました!
脚を広げると3m以上にもなる世界最大のカニとして知られているタカアシガニですが、今回搬入されてきたのは、とっても大きなタカアシガニです。元気な状態では脚を広げた長さは測れなかったので、重さを測りました!
一番大きなもので14kg、その他でも10kg近いサイズでした。
ちなみに、これまで水槽にいたタカアシガニたちが2~8kgでしたので、水槽はにぎやかになりましたよ。
それでは今回のタカアシガニ搬入から展示までの様子をご紹介します。
今回は神奈川県の水族館から大きな活魚車で約9時間かけてやってきました。(活魚車は、魚を活かしたまま長時間運べる専用の車です。)
活魚車の総重量がなんと25t!で、長さは11mもある大きなトラックですから、海遊館の搬入口に入れるのも一苦労。
搬入口に着いたら、タカアシガニを移動します!魚は網やバケツ、布バケツなどで運びますが、脚が長く巨大なタカアシガニは、まずフックを使って活魚車から取り上げます。脚がひっかかって折れないよう気をつけねばなりません。
取り上げたタカアシガニはスポンジをひいた台車の上にのせます。ここでもタカアシガニの脚が折れないよう慎重に慎重に1個体ずつのせます。
また、タカアシガニはこのように水から出して運ぶので、魚のように水合わせの必要がありません。
さて、台車に載せたら「日本海溝」水槽へ出発!
エレベーターにのるときや、扉の間を通るときもタカアシガニの脚がひっかからないよう、細心の注意を払います。
エレベーター待ちの時間中に僕たちの名札と比較してみました。名札の大きさは名刺サイズで、これは重さ約8kgのタカアシガニです。
よく見るとハサミ脚のところを輪ゴムでとめているのがわかりますね。これは他のタカアシガニの脚などをはさんで切ってしまわないよう、ひっかからないためです。
「日本海溝」水槽に到着すると、水槽の上からタカアシガニを入れます。
水から上げた状態で運んだので、タカアシガニの甲羅に空気が入っていることがあります。
そこで、水に入れた時に甲羅を持ちながら裏返し空気を抜いてやります。
数回カニを揺らして、ぽこっと空気が抜ければ、そーっと離します。
展示後は、新しく仲間入りしたタカアシガニはちゃんと立ってるか、動いているかなどチェックするため、お客様の通路から観察!
オスがオスのことをメスと勘違いしたのか、激しく抱きあっているものがいて、焦りました。でも、すぐに離れて一安心。
大きなタカアシガニを運ぶのは屈強?な男性社員が行います(女性でも重さは大丈夫なんですが、カニは幅広くて持ちにくいのです)。
一仕事終え、「今日もがんばったなあ」と水槽を眺める、たくましい貫禄ある背中のお兄さん、満足そうな姿が印象的でした