「日本の森」のコツメカワウソ、現在の展示は2010年生まれの「わんぱくフォー」(イガ、ニラ、ザクロ、シュロ)です。
では、10月に新婚展示をしていたヤット&アヤメのペアはどうなったかといいますと...。
実は、このペアの形成は9月からです。アヤメはヤットにべた惚れな感じですが、ヤットが今一つそっけなかったのです。
というのも、ヤットは今年1月にツバキが出産した前後、ツバキと一緒にいて、「ツバキ大好き」だったのです(こどもの父親は別のオスです)。
次の繁殖を控えるため、ヤットはツバキと離れることになり、ヤットはひとり暮らし。
そして、ツバキ親子は展示の準備を行っておりましたが、ツバキのこどもたちに心臓の病気があることがわかりました。下の写真で左に写っているグミ(♀)は病状がでることはなかったものの、残念ながらパセリ(♂)とナズナ(♀)は病気を克服することができませんでした。
ロック(♂)も心臓肥大が見られ、一時は危うい状態でした。
しかし、ロックは獣医や担当の処置に加え、ヤットがまめに面倒をみてくれたため、今でも薬を欠かすことはできませんが、回復し、爺ちゃんカワウソたちと静かに暮らしています。
そんなことがあった初夏が終わり、7月にアヤメが海遊館にやってきて、ヤットはアヤメと同居することになりました。
しかし、アヤメさん、ヤットに迫る割には、ヤットがその気になると、自分がヤットの背面に回りこみ、交尾させてくれません。
長いこと女同士で暮らしていて、リーダー?のようになっていたアヤメは交尾の方法がわからないのでしょうか?ヤットにしてみれば「俺はどうしたらいいのさ!」ってところです。同居前に世話をしていたロックも気になるし、大好きなツバキの声も聞こえるし...。
そこで、ヤットが他のカワウソの気配を受けないようにするのと、泳ぐのが大好きなアヤメが広い展示に出て、♀らしい気分?にならないかな―と思い、10月に新婚展示を開始したわけです。
最初は全然知らない場所で「ここはどこ?どうしたらいい?」と戸惑っていた2頭。
慣れてくると、怖がりだけどやる時はやるアヤメは、ばんばん泳ぎまわり、岩をよじ登ろうとしてヤットに止められることもありました。
前よりも少しは親密になったかな?(係員の欲目かもしれません)と思われたので、1ヵ月弱で2頭はバックヤードのお部屋に戻りました。
これからの「愛のゆくえ」に期待!
ん?上にいるヤットさんは少しお疲れのようすです。いやいやきっと眠いのでしょう。
さて、「わんぱくフォー」たちですが、バックヤードにいる間に年1回の健康診断を実施しました。
あまりに太り過ぎていて「もっと痩せなさい!」と獣医に怒られたり、歯がぐらぐらして抜いたものなどいたものの、無事検査は終了しました。
今回、「わんぱくフォー」が
バックヤードにいる間に、どうしても試したかったこと。
それは今夏、新潟に出張していた、「わんぱくフォー」の弟のゴボウ(昨年生まれ)や叔父のイブキとの同居です。
わんぱくフォーがシックスになったら!
ゴボウはイガらの弟ですし、年齢的にもこれが最後のチャンスかと思っていたのです。
しかし、ゴボウのわがままぶりに最初は我慢してつきあっていたお兄様方ですが、調子に乗ってお兄様にいたずらするゴボウにとうとう耐えきれず、同居はNGでした。
イブキだけを「わんぱくフォー」に加えることはできないので、ゴボウと行動を共にしています。
ゴボウ、お兄ちゃんたちとは一緒にいられなかったの?
「シュロ兄ちゃんは好きだけど、あとは嫌い」だそうです。
というわけで、カワウソたち、今日も元気です。